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指示書の要望を出すほど損をする!?結婚式のカメラマンを決める前に知っておきたい秘密

その指示書、出す前にちょっと考えてください。

実は、結婚写真の要望は「出せば出すほど損をしている」場合があるのです。撮ってほしい内容を叶えるための指示書が、逆に損につながるとは意外な話です。しかし反面、指示書を出したほうがいい場合も確かに存在します。今回は、損をする場合のケースや、指示書を結婚式のカメラマンに提出したほうがいい場合について、それぞれ解説していきます。ぜひ、カメラマンを選ぶ際の参考にしてみてください。

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結婚写真の指示書は、上手いカメラマンに出すと損をします

結論からいいますと、要望書は「実力のあるカメラマンに対して」出すと損をします。なぜなら、カメラマンの実力よりも低い内容を無理やり撮影させることになるからです。ある程度のキャリアがあるカメラマンであれば、それぞれに「スタイル」があります。そのスタイルとぶつかってしまうような内容を指示書として出してしまうと、カメラマンの実力を活かしきれないことになるのです。

ピカソに描き方を指示するか?

たとえば、あなたがパブロ・ピカソに肖像画を描いてもらえるとして、描き方を指定するでしょうか?あの、ピカソです。まあ、絶対しないですよね。描いてもらえば大変名誉なことですし、一体どれくらいの価値になるのかもわからないものになります。ピカソの画風に任せるはずです。素人が「細く描いて!」とか「写実的にして!」なんて言ったらちゃんちゃら可笑しい話です。

もちろん、僕たちカメラマンがピカソと同じなんて言うつもりはありません。さすがに傲慢すぎます(笑)ですが、一応、プロなんです。毎日毎日、写真ばっかり撮影している人間なんです。それなりのスタイルと、こだわりと、実力をもって仕事に挑んでいるのです。高い実力を持ったカメラマンの中には「要望書・指示書は受け付けない」「それは宣戦布告と同じ」と言っている人もいるくらいです。(さすがに過激な意見だと思いますけどね・・・)

「たくさん指示書に書けば、たくさん写真がもらえる」は勘違い

指示書にたくさん内容を書けば、たくさん撮ってもらえる。そう思っている花嫁さんはたくさんいます。ですが、それは勘違いです。撮影には、限られた時間しか割り当てられません。そのため、どれだけテキパキ撮影したとしても、限界の枚数があります。

つまりこれは、指示書の要望が増えれば、通常時に撮影している内容を行う時間が減ることを意味しています。最終的に、仕上がった写真しかあなたは見ることができないので気が付きませんが、実は「もらえたはずの内容が減っている」ということもあり得るのです

じゃあ、指示書は意味がないのか?そうではありません。ちゃんと出す場所に出せば意味があります。それはここからお話しましょう。

結婚写真の指示書は「実力の低いカメラマン」に出すもの

指示書の効果が高いのは、実力がイマイチなカメラマンに対してです。もう少し正確に言うならば「どんなカメラマンが来るのかわからない状況」で意味を発揮します。そもそも、下手なカメラマンに注文する人はいませんよね? しかし現実に、そういう注文が成立しているのです。ここからは、その状況を理解するために、ブライダル写真全体の話をしましょう。

フリーランスはだいたい上手くて、提携業者はだいたい下手

「結婚式のカメラマンなんてアルバイトがほとんどだ」

「素人同然の腕前のカメラマンが来た」

「全然要望通りじゃない」

そんな話を聞いたことはありませんか? 最近少しずつネットにも結婚式の情報が流れるようになり、なかばゴシップ的な感じでこういった話が聞こえるようになりました。これらの話は事実の面もありつつ、でまかせの面もあります

さて、では、ブライダルカメラマンとはそもそもどういう人間が、どうやってなるものなのでしょう? 簡単にまとめてみましょう。

ブライダルカメラマンになる方法

多くの場合、カメラマンは素人から写真会社に入社して成長します。それは一般的な企業と変わりません。そして同じように、2〜3年すると仕事を一通り覚えるのです。そして、独立する人は独立してフリーランスになり、会社に残る人は残る。という構造です。

中には、会社での経験を積まずに独自の方法でプロになる人もいます。趣味からセンスを磨いて突然プロになるような人です。まあ、このあたりも、大学生から起業しているような人間がいるのと同じと思ってもらえれば想像ができると思います。

提携業者はとにかく「クレームが怖い」

以上の話からわかることは、写真会社(提携業者)には「フリーランスとして独立してやっていける実力の人」と「シロウト同然の人間」が混在しているということです。10年以上のベテランと、写真歴2ヶ月の新人が同じように撮影しています。

そこで、非常に不思議な事が起きます。写真会社は一定のレベルの商品を式場へ供給しなくてはいけないので、「一部の上手い人だけが撮影できる内容」というものは採用しません。つまり、「一番下手な人間でも撮影できる内容」で統一した規格にして商品展開をします。中には「実力を抑えて撮影する」指示を出す企業もあるくらいです。(本当に意味がわかりませんよね)

なぜこんなことが起きるのかというと、「クレームが怖い」からです。

「〇〇が撮影できると言っていたのに、できていない」

「見本とあまりに内容が違う」

「高い金を払っているのにレベルが低い」

こういったクレームに怯えているのです。写真業者の上にいる式場やプランニング会社の商品理解の低さもさらに拍車をかけています。必要以上に大騒ぎして、これ以上問題になるようならマージンを上げるだとか、契約を解除するだとか圧力をかけてきます。式場やプランニング会社と、写真業者は完全な上下関係なので、圧力の原因になるクレームを本当に嫌がるのです。結果、「レベル低めで統一した内容」が徹底されるというわけです。

「上手い人に当たる確率の低いガチャ」みたいなもの

  • 上手い人と、下手な人が混ざっている状態
  • 商品の企画はレベルを下げている

写真業者はこんな状態なので、注文時に上手い人に当たるかは完全に確率でしかありません。指名制度があったりしますが、そもそも本当に上手い人なのかを見極める事自体が難しいので、難易度としてはあまり変わらないでしょう。なんとなく予想がつくかもしれませんが、上手い人の人数は少ないです。だって、上手いなら独立してフリーランスになったほうがいいんだから。(ただしビジネススキルが必要になるので、向き不向きがある)。

ちなみに、アルバム見本やサンプル写真として置かれているものは一番うまい人たちが撮った内容の寄せ集めだったりするので、あまり参考になりません。「めちゃめちゃ上手い人に当たって、最高の条件ならこんなもん」くらいに見ておきましょう。完全に、確率任せの「ガチャ」なのです。

でも、フリーランスが全員上手いわけでもない

提携の写真業者が「質が低めなガチャ」だとすると、フリーランスは「質が高めのガチャ」です。そう、すべてのフリーランスが上手なカメラマンというわけではないのです。ただ「提携の写真業者をやめたかったから」やめた人間も混じっています。そういう人間はもちろんレベルが低いことになります。

フリーランスのレベルはだいたい値段に比例する

ただし、値段帯によってフリーランスは振り分けることができるので、ここで紹介しておきましょう。

正直な話、ほとんどのカメラマンにはビジネススキルがありません。そのため、価格設定がおかしなことになっている場合がほどんどです。たとえば、「会社に所属していたときの金額より高くしたい」というだけで価格を決めている事が多いのです。

超薄給な孫受けカメラマンの実態

「提携の写真業者のカメラマン」はかなり薄給です。結婚式を一つ撮影して貰える金額はだいたい1.5万円〜3万円くらいでしょう。どうです? かなり少ないと思いませんか? だって、販売価格は20万円くらいするのに。実際に撮影している人間にはこれくらいしか入ってこないのです。なぜなら、このカメラマンは「式場の下請けの下請け」、つまり「孫受け」であるためです。

ですが、いい面もあります。お客さんは式場が確保してくれるので、カメラマンは何もしなくても仕事が入ってきます。他にも、請求書を出したりするような、いろいろな事務処理も、写真会社がやってくれるのでカメラマンはやらなくてOKです。

低価格フリーランスの正体

「孫受けカメラマン」は、ある程度撮影ができるようになると、ちょっと疑問を持ちます。「こんなに撮影できるのに新人と同じ給料はおかしくないか?」と。そして、それだけで独立してしまうのです。

本来であれば、フリーランスは自分でお客さんを確保しなくてはいけません。事務処理等のめんどくさい仕事も、自分でこなさなくてはいけません。そしてなにより、お客さまに「価値」を示す「ブランディング」等もしなくてはいけません。しかし、彼らはあまり考えず、非常に安直な販売方法をとります。

それが、「孫受けより高ければいい」ということです。つまり2万円〜5万円程度で販売します。やっかいなことに、この価格が式場が販売している商品(20万円〜30万円)よりも圧倒的に安いため、飛びつくお客さまが多いので「フリーランスは安くて技術がある」という風評につながってしまっていることです。

アルバイト業者の参入

また、この価格帯はアルバイトを働かせるのにちょうどいい価格でもあります。写真好きの人間は日本にごまんといますから、日給1万円くらいで雇えるバイトに困ることはありません。3万円で販売しても、1万円給料にして、会社は2万円儲けることができます。この考えで参入してくる業者もいるのです。

恐ろしい話ですね。「完全なシロウト」が撮影するのです。もちろん、質なんてあったもんじゃありません。「ハズレの格安業者に当たった」という噂の正体はほとんどこれだと思います。

高額フリーランスの正体

じゃあ、高額なフリーランスや業者はどういう存在なんでしょう。彼らは12万円〜30万円くらいで販売しています。もっと高い場合もあります。

高く売るためには市場で選ばれるだけの理由が必要です。たとえば、撮影技術であったり、接客であったり、オンリーワンなスタイルであったりします。いずれにしても、その価格で生き残っているということがある程度の実力の保証にもなっています。

お客さまに届けたい価値があり、哲学があり、自分たちの写真スタイルがある。それを実現するために独立したような人たちがこの価格帯のフリーランスです。独立・起業した理由が低価格層とは真逆になるわけです。

高額ゾーンに出してくる低レベル業者もいる

ビジネス的においしければ、参入する企業が必ずいます。そのため、高価格でも技術があまりないような業者もいます。ただし、この価格で生き残れることはまれなので、少数です。

つまり、高額になるほど安心な確率は上がる

確実ではありません。ですが、価格が上がれば、質の低いカメラマンが混ざっている確率は確実に下がります。基準がどこかは、市場価格が変動するのでなんとも言えません。しかし、間違いないのは、結婚式〜披露宴をまるまる撮影するのに「3万円以下」は相当危険です。素人か、アルバイトか、ちょっとやったことありますレベルのカメラマンである確率がかなり高いでしょう。

指示書は本当に必要かもう一度考えよう

いかがでしょう? それなりに実力があるような「高額フリーランス」であれば、ちゃんとしたスタイルを持っている確率が高いので、指示書がかえってデメリットになってしまうのがわかったのではないでしょうか? もちろん、多少の「こういうことがやってみたい」という要望は伝えたほうがいいです。肝心なことは、カメラマンの自由を奪ってガチガチに固めるようなことはしない。ということです。

反対に、格安業者や、会場提携の写真業者の場合には、内容をかっちり伝えておいたほうが安心かもしれません。レベルが低く、撮影ができない場合や、あえて撮影基準が下げられている可能性があるためです。

・・・でもね、そもそも「絶対撮ってほしい内容がたくさんあるけど、可能な限り安い業者にしたい」って無理がありますよね。超高額なカメラマンが撮影した写真を30枚も持ってきて、2万円くらいの格安業者に撮らせるってケースだってあります。そんなの無理です。だったら、最初からそれが可能なレベルのところにお願いすればいいのです。要望を沢山出そうと思っている方は、もう一度よく考えてみてくださいね。

いいカメラマンに出会えるよう応援しています。

KOBATONE 小林嘉明

追伸:ちなみに僕の撮影は格安ではありません。。。

yoshiaki-kobayashi

結婚式の写真屋さんをしています。小林嘉明(こばやしよしあき)といいます。KOBATONE(コバトーン)というブランドを立ち上げて写真を撮影しています。サイトを通してこれから結婚する人へ情報提供をしています。

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