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結婚式のプロカメラマンとフォトグラファーと写真家の違いって何?

何が違うの?そんな疑問はないですか?

結婚写真の情報を調べていると、サイトによって「フォトグラファー」表記のところと「カメラマン」表記のところがあります。いったい何が違うんでしょうか。実は、カメラマンにしかわからない変わったこだわりがあったのです。

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カメラマンとフォトグラファーは日本国内では基本的に同じ意味

まず、一般的な、辞書的な意味合いではこの二つの名称は同じ意味です。どちらも写真を撮るプロとして使われる言葉です。しかし、カバーしている範囲が若干違います。

カメラマン

写真だけでなく、動画のカメラマンを含みます。つまり、カメラを扱う人全般を指す言葉です。ちなみに、動画のカメラマンはウェディングの現場では「ビデオさん」「ムービーさん」「ムービーのカメラマン」なんて呼ばれます。

フォトグラファー

「フォト」は写真のことなので写真のカメラマンのことだけを指します。動画のカメラマンを指す言葉では、似たような言い方として「ビデオグラファー」という言い方もあります。

海外では意味が違います

主に英語圏ではちょっとニュアンスが違います。写真のプロは全てフォトグラファーと呼ばれます。カメラマンというと、カメラ関連の技師を指すので「写真を撮る人」というニュアンスではなくなってしまいます。

一部のプロは写真に対するスタンスを分けるために言葉を使い分ける

ここまでは辞書的な意味の話でしたが、ここからはプロの間で使われているニュアンスを紹介します。といっても一部のプロだけなので、一般的な話ではありません。中にはこういう気持ちを込めて呼び分けている人もいるよ、という話です。カメラマンと話す時の参考にでもなれば幸いです。

カメラマンより、フォトグラファーになれ

ただカメラの扱いに長けた人を「カメラマン」といいます。フォトグラファーとは、もっと全体を意識してディレクションできる能力を有している人を指したりします。具体的に言えば、機材やメカが好きでカメラを上手に扱える人がカメラマンです。指示された内容を、ただ写すだけ。そういうニュアンスです。フォトグラファーとは、もう少し自分の感性やコミュニケーション能力がそこに含まれます。結婚式の現場では、被写体でありモデルである新郎新婦とコミュニケーションを取る必要があります。もちろん、そこで信頼関係が構築できればいい表情を引き出したり、難易度の高いポージングに挑むことが可能になります。そして、ただ写すだけではなく、そこに自分の感性を取り入れることでより豊かな写真が撮影できます。晴れた外のロケーションで飛び跳ねるような写真なら明るめに撮影したり、新婦の手紙のような真面目なシーンでは落ち着いたダークなトーンで撮影したりすることです。

もちろん、そのためにはカメラが扱えるのは前提条件となりますから、フォトグラファーはカメラマンよりもすごい存在ということになります。

写真家とは

じゃあ、写真家って呼ばれる人はどう違うのでしょうか?ここからはその話をしますね。

商業写真と芸術写真

結婚写真というのはとってもきれいな写真を撮影するので芸術だと思われる方もいるようなのですが、「商業写真」と呼ばれるジャンルの一つになります。世の中の写真は大きく二つのジャンルに分かれていて、この「商業写真」と「芸術写真」があります。それぞれ説明しましょう。

商業写真

クライアントが存在して、「〇〇な写真を撮影して欲しい」という依頼に対してそれを叶える撮影をすることです。つまり、結婚写真なら新郎新婦というクライアントから「結婚式の写真を残すこと」を依頼されてそれを叶える撮影をしています。同じように、雑誌社のカメラマンや、報道カメラマン、子供写真スタジオのカメラマンもすべて商業写真のカメラマンということになります。言うならば、依頼を叶える「職人タイプ」のプロです。

芸術写真

字のごとく芸術面が価値の写真です。「写真家の表現したいもの」ありきで作品が撮影されます。そしてそれに魅力を感じた人が買うタイプの写真です。つまり、商業写真とは方向性が全く逆なんですね。アラーキーさんとか、うめかよさんとか、世間的に有名な写真家さんは作品を写真集で発表してそれを買ってもらっているのでこの写真家タイプにあたります。つまり「芸術家タイプ」のプロです。

確実さが求められるのが商業写真

写真のジャンルによりますが、商業写真と芸術写真の大きな違いは「確実さ」を求められるかどうかです。商業写真は依頼を受けて撮影をするので、極力確実に撮影できないといけません。もちろん、自然環境や人間などの予測できないものを撮影するので、その確実さは100%ではありませんが、ほぼ確実に撮れるようにするのが仕事です。

対して、芸術写真に確実性はそこまで必要ありません。もちろん、狙った瞬間を撮れる必要はあるので、そういう意味では必要ですが、クライアントがいるわけではないので撮影できなくても自分が悔しいだけです。

カメラマンのジャンルごとに中間層が存在する

実際にはハッキリと2種類に分けられるわけではなく、職種によって色々なスタイルに分布するように思います。例えばファッション誌などを撮影しているカメラマンはかなり芸術写真寄りな存在です。広告を「クリエイティブ」なんて呼んだりするくらいなので、カメラマンの創造性を求められる仕事でもあるのです。

ちなみに、表はものすごくざっくり書いたので、あんまりツッコまないでくださいね。イメージです。イメージ。

つまり、フォトグラファーはカメラマンよりも芸術写真寄りの存在

写真家ほどにはなりませんが、ウエディングのフォトグラファーはハイレベルになるとかならず「特色」が出てきます。自身の考えや哲学が写真に端的に現れるんですね。しかし、「新郎新婦を撮影する」という面からは絶対に離れないので、商業写真の考えがベースにあるのです。

いかがでしょうか。カメラマンとフォトグラファー、そして写真家の違いを感じていただけたら幸いです。世間的にはそこまで認知されていませんし、プロの間でも定義されているわけではありませんが、もやっとこんな感じで捉えている人は多い概念です。参考にしていただけるとカメラマンへの理解が進むと思います。

KOBATONE 小林嘉明

yoshiaki-kobayashi

結婚式の写真屋さんをしています。小林嘉明(こばやしよしあき)といいます。KOBATONE(コバトーン)というブランドを立ち上げて写真を撮影しています。サイトを通してこれから結婚する人へ情報提供をしています。

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