不安、楽しみ、あなたはどっちですか?
結婚写真が良くなかったという話はよく聞きますよね。実際、ネット検索するといろいろな失敗談が出てきて不安になってしまいます。反面、素敵な写真が撮れそうな予感もあり、楽しみな気持ちも少しはあるんじゃないでしょうか。実は、そんな気持ちになってしまう背景には写真の特徴が深くかかわっているんです。写真選びの心配をなるべく減らすためにも、原因を知ることは大切です。なので今回は写真の特徴についてお話しますね。
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カタログはあてにならない?
写真を選ぶ時に、参考にするのはサイトや式場に置いてある「サンプル」じゃないでしょうか。あるいはプラン内容を聞いて参考にします。しかし、思い出してください。プラン内容ってそんなに具体的な事が書いていないんです。200カット・アルバム有り・カメラマン一名・・・みたいな内容がほとんどだと思います。どうですか?具体的に「こんな写真です」って分かる内容がないですよね?これがあなたの不安の原因です。しかし、こんな書き方をしている背景には仕方ない事情もあるんです。
写真は撮ってみないとわからない
いきなりなんですけど、写真って撮ってみないと何もわからないんですよね。なぜなら、変動要素が多い商品だからです。言い換えれば「主導権が少ない」商品なんですね。ちょっと難しい言い方かもしれませんが、簡単にするために他の商品と比べてみましょう。
例えば、ケーキ。ウェディングケーキはいろいろな形が選べますが、結婚式当日になって選んでいたのとまったく違うものが出来てきた。なんてことはほとんどないはずです。カタログで見たサンプルとほとんど同じ商品が提供されます。なぜなら、原材料が同じであれば同じ技術で作ることができるからです。厳密なことを言えば、小麦粉の産地が違ったり、コンディションが違ったりするのでしょうが、「ケーキにならない」レベルではないはずです。職人さんの腕でカバーされるわけですね。装花も同じです。花という原材料がちゃんと用意できれば同じ技術で見本とほとんど同じものが用意できます。これらは職人さんの技術への依存度が高い商品だといえます。
しかし、写真は違います。素材は「あなた」です。つまり、素材がそもそも違うということです。カタログを見た時、サンプル写真を見た時、写っているのは赤の他人ですよね。たとえ式場が同じでも、写っている被写体がまったく違うのです。つまり、サンプルと同じ写真にはできません。これが「主導権が少ない」と言った理由です。カメラマンの技術によるところもありますが、仕上がりを大きくコントロールする要素にカメラマンのコントロール出来ない部分がとっても多いんです。例えば、あなた意外にも、ゲストだって毎回全員違いますし、天気だって違います。つまり、内容がまったく違うということなんです。
2回同じ旅行に行っても同じ写真は撮らない
あなたが友人と金沢に旅行に行ったことを想像してみてください。たくさん旅先で写真も撮ります。スマホのカメラで自撮りもするかもしれません。料理が出れば料理を撮っておきたくなるかもしれませんね。あなたは「撮りたいな」と思った場所をどんどん撮影していくはずです。結局、あなたはたくさんの写真を旅行中に撮影しました。しかし、後日その写真をなくしてしまったとしましょう。あなたはリベンジとしてもう一度金沢に旅行に行きます。同じ友人と。
さて、あなたはもう一度同じ写真が撮れるでしょうか?もしくは、撮るでしょうか?
答えはわかりますよね?同じ写真は撮らないと思います。というよりも撮れないでしょう。似た写真なら撮れるかもしれませんが、自分達以外のものが変わっているでしょうし、自分達も変わっているでしょう。過去に旅行に行った時のあなたとは違うのです。でも、変わらない部分もあります。おそらく、二回目の旅行でもあなたは「撮りたいな」と思った部分を撮影すると思うのです。要するに「好み」があるわけですね。空をよく撮影する人は空を撮る傾向は変わらないでしょうし、料理をよく撮る人はよく料理を撮影するはずです。自撮り好きな人はやっぱり自撮りしている。そんな具合です。
見るべきはカメラマンの価値観やキャラクター
そう、内容はわかりませんが、カメラマンの「好み」というのは変わりません。たとえ被写体が変わっても撮影で大切にする部分や、写真に向き合う姿勢というのは変わらないんです。つまり、あなたが写真の商品を決める時に見るべきは「一枚の綺麗な写真」ではなく、「全体の雰囲気」なんですね。サンプルやインスタで気に入った写真があって注文するのもいいかもしれませんが、当然カメラマンもサンプルやインスタには「会心の一撃」と言えるような写真を載せています。そりゃあ、綺麗な写真なんですよね。だから、そこから「全部こんな感じで撮ってもらえる」と思っているとがっかりする結果になってしまうかもしれません。
気になるカメラマンが見つかったらインスタに載せていないような地味なシーンの写真を見せてもらったり、彼らがどんなキャラクターなのかをわかるようなコンテンツを発信していたらそれをチェックしてみるのもいいでしょう。実際に打ち合わせするのも1つの方法です。
カメラマンはサービス業
意外かもしれませんがカメラマンはサービス業です。結婚式の間で最も新郎新婦と会話しているスタッフはカメラマンなんですよ。また、ずっと一緒に行動する人間でもあります。「写真」と聞くとどうしても仕上がった写真だけを考えがちですが、接客などのコミュニケーション部分もかなり大きいんですね。そう考えると「人間としてのキャラ・性格」が大切だと思いませんか?もちろん、あなたとの相性というものがあります。会話が噛み合わないとか、お願いがしにくいとか、態度が悪く感じられる、というような人は正直結婚式に居てほしくないはずです。でも、人間なので相性はどうしてもあるんですよね。
ところで、こういう話をすると「どんな相手でも撮影できるのがプロだろ?」って言う人もいるんですが、わざわざ相性が悪い人間がわかるなら選ぶ必要なんてないですよね。仮にそれだけの腕があるなら、相性がいい相手ならもっと良い写真撮れるじゃん?というのが僕の意見です。
だから、この面も含めて、カメラマンのキャラクターや性格はとても大切なものです。打ち合わせに行って、写真の撮り方について専門的な話をしてもあなたにとって話がわからない可能性はありますが、自分との相性なら感じ取ることは可能ですよね。それがわかるだけでかなりの安心材料になることは間違いないです。
打ち合わせに行かなくてもある程度の感じを掴む方法
と言っても、なかなかキャラクターのわかるコンテンツを配信しているカメラマンは居ませんし、打ち合わせにも時間の都合があります。打ち合わせを行っていない写真屋さんも多いです。なんなら、打ち合わせをしてない会社のほうが多いと思います。そこで、打ち合わせほどではないですが、ある程度写真屋さんを見極める方法を紹介します。
それは、下記の情報がサイトに載っていることです。
- 個々のカメラマンの撮影している写真
- カメラマンの紹介
- 写真屋さん全体の統一感がある(後述します)
- 指名制があるとさらに良し
実はカメラマンの紹介を置いておくというのは写真屋さん側からするとなかなか難しいことです。載せる写真を確保するためにお客様にも掲載許可をいただかないといけませんし、それを選んでサイトに掲載するというのはなかなか手間がかかります。そのため、大きい会社でもカメラマンの個人紹介をしていない企業はたくさんあるんです。このページが用意されているだけでもかなり良心的だと言えると思います。
そして、このカメラマン紹介の写真を何人分か見てみましょう。ある程度の統一感があれば、それはそこの会社がちゃんとテイストを打ち出しているということです。実はこれが出来ている会社も少ないんですね。写真はカメラマンの好みに左右されてしまうので揃えるのが非常に難しいのです。揃えるためには、所属しているカメラマンと綿密に会話をして、自社の哲学をしっかり伝える必要があります。それだけしっかりした方向性を持っていれば、顧客へのサービスに関しても統一感のあるものになる可能性が高いです。
ちなみに、個人カメラマンやとっても小さい規模の会社は紹介がない場合もあります。なぜかというと、ほとんど特定された個人の撮影だからです。念のため補足です。
まとめ:写真商品を選ぶ時のポイント
最後にまとめておきましょう。
- 被写体が違うので写真は撮るまでわからない
- でも、カメラマンのキャラクターは一緒
- カメラマンにはサービス業の一面もある
- なので、カメラマンのキャラクターがわかるサービスを利用しよう
- それが無理なら、サイト構成をしっかり見よう
以上です。いい結婚写真選びの参考になれば幸いです。
KOBATONE 小林嘉明