Categories: 結婚式の話

クラスカの写真展示ウェディングがオススメなのでプロカメラマンが紹介します

すごいです。この結婚式。

なんと、会場の装飾のメインが写真なのです。普通だとお花とかがメインになるような部分が写真なんです。写真が好きな人だけでなく、シックに結婚式の雰囲気を作りたい方や、従来の装飾にそこまで魅力を感じない、なんて方にもおすすめしたいです。それだけじゃわからないと思うので、早速詳しく紹介しますね。

今回お届けする内容はこちら

クラスカさんの「CLASKA WEDDING WAY」というイベントに参加してきました

こんにちは。ブライダルフォトグラファーの小林嘉明です。先日、結婚式場で有名なクラスカさんのイベントに参加してきました。クラスカさんの公式サイトによるとこんなイベントです。

CLASKA が提案するウェディングの新しいスタイルをご体験いただけるイベント「CLASKA WEDDING WAY」の第二弾を、フローリスト「密林東京」と富士フイルムイメージングシステムズ「写ルンです」とのコラボレーションで、2018年1月14日(日) に開催します。

情報源: CLASKA WEDDING WAYwith 密林東京 & 写ルンです2018月1月14日(日) 開催 | PLANNER’S BLOG | WEDDING | CLASKA

今回僕はカメラマンとしてではなく、一組の結婚するカップルとして参加してきました。きっかけは僕の奥さんです。まだ僕たちは結婚式を挙げていないので、結婚式場を探している状態なんですが、ある日「写真が推されてる結婚式があるらしい」と僕に上記のリンクを送ってきたんです。僕の奥さんも僕自身も普段から写真を撮影しますし、一緒に写真展もやっていたりするので「これは!」と思い参加してきたのです。

クラスカの新しい披露宴をおすすめしたい人

この結婚式をおすすめできる方はこんな人。

  • 写真が好きな人
  • 小さい頃の写真がたくさんある人
  • 写真はないけど、これから前撮りする人。
  • ちょっとシックな感じの結婚式をしたい人
  • 前撮りでたくさん写真を撮影して、それをしっかりとゲストと共有したい人
  • ストーリーを大切にする人
  • 結婚式に意味を重視する人
  • 家族やゲストとの今までを他のゲストとも分かち合いたい人
つまり、かなり広い人におすすめできます。

写真をメインにしたクラスカの新しい披露宴スタイル

この披露宴の凄いところは、「写真の展示」が装飾のメインなところです。普通だと花がメインであったり、最近の流行りではグリーン系の植物が多かったりします。写真はあったとしてもウェルカムスペースの一角だけ、なんてことが多いです。しかし、今回のケースでは上の写真の通り。天井にまでリボンと幅広の写真が展示されていますし、高砂後ろにも大きくプリントされた二人の写真が貼られています。モノトーンと赤を基調とした空間になっています。また、会場のどこを見ても写真が見えるようになっており、「写真」が全面に押し出されているのがわかるでしょう。

披露宴会場に写真をメインで飾る考え

例えば上の例は「高砂」の展示でした。真ん中のソファから写真の大きさがわかって頂けるでしょうか?高砂では新郎新婦と一緒に写真を撮る事が多いので、この写真は「背景」としても機能します。フォトスポットとしても一味違う場所になっていますよね。

高砂とは、新郎新婦さんの席のことです。通常はテーブルが有るケースがほとんどですが、最近は写真のようにテーブルなしの高砂もあります。

テーブル全体のイメージはこんな感じでした。もちろん、今回のものは見学会仕様のようなものだと思ったほうがいいと思います。実際にはアイデア次第で色々なアレンジができるでしょう。一般的なテーブルコーディネートよりもかなりシンプルな印象です。

そして個人のスペースもとても特徴的でした。(ごめんなさい、見やすいようにカトラリーは僕が動かしてしまっています)このお皿の下には・・・

ランチョンマット(この場合呼び方が違う気もするけど、なんて言えばいいのか・・・?)にも写真が使われています。L版くらいの小さい写真をつなぎ合わせたようなデザインになっています。縁も切り欠き状態になっていてとってもリアルですが、実はコレ、一枚でできています。表面はマットな感じの仕上げでした。なんだか食事に敷いてしまうのがもったいなくなりそうな、そんなマットです。実際に結婚式で使用したら、キレイに使って持ち帰るのもいいかもしれませんね。

L版とは、「えるばん」と読みます。写真のプリントの規格でサイズを表すものです。紙の大きさを表すA5とかB4なんかと同じですね。L版のサイズは「

89 mm× 127mm

」です。一番基本的なサイズなので、お家に昔の写真がある方はそれを思い出していただけばちょうどそのサイズだと思います。

華やかさよりもシックさ

今回は写真が全てモノクロで撮影されていてとてもシックな印象を受けました。また、クラスカさんの部屋が真っ白なこともあり、非常にスッキリした印象を持ちました。尚、今回の写真は富士フィルムさんとのコラボらしいので、写ルンですで撮影されているそうです。フィルムならではの感じも出ていて、写真が好きな方はかなり気にいるんじゃないかという印象です。

飾る写真はカラーでも素敵かも

すべての写真をモノクロにしてもキレイですが、アイデア次第ではカラーにしてもいいかもしれませんね。その際は目がチカチカしないように注意する必要はありそうですが(笑)

例えば、こんな感じのセピアっぽい加工の写真やハイキーな白系の写真を上手く混ぜることで緩和出来ると思います。

花とのコラボもあり写真の展示方法としても素晴らしかったです

こんな感じで、写真とリアルの花を組み合わせた装飾もありました。正直、この場所に行くまで写真を展示するだけかと思っていたので衝撃だったのと同時に感動しました。モノクロの上にカラーのものが入ってくる感じがめっちゃ良かったです。

この日の装飾は密林東京さん(情報源:

wedding deco | 密林東京

)のようです。僕はこの日初めて密林東京さんを知ったのですが、すごく効果的に植物が使われていたのが印象的です。

今までの披露宴との違いは「ストーリー」

さて、ここからは僕の考えを書いていきましょう。少し想像力を働かせながら読んでほしいのですが、例えばこのスペースにこんな写真があったらどうでしょう?

  • 花嫁が小さい頃、お父さんに抱っこされている写真
  • 見るからにやんちゃな悪ガキの新郎の様子がわかる写真
  • 毎年撮影していた正月の家族写真
  • おばあちゃんの家に帰省した時の何気ない団欒の写真
  • 新郎新婦が出会ってからのデートで撮影した自撮り
  • 二人でよく行った思い出の場所の風景

どうですか?想像できましたか?なんかものすごくストーリーを感じませんか?二人の今までの人生を想像して心が動くのがわかると思います。そして、これが知り合いだったらものすごく感動すると思いませんか?自分の親友が新婦で、自分がゲストだったら?色々思い出してしまいますよね。いろいろな場所に飾られた会場の写真を歩きながら探してみて、自分の写っている写真を見つけて当時の仲間と思い出話を語り合ったり、自分が知らない時期の写真を見て新しい一面が発見できるのではないでしょうか。

通常のよくある結婚式では、この部分が「プロフィールムービー」などに割り当てられていたりします。あるいは、ウェルカムスペースに飾られている写真です。しかし、この展示はそれを会場全体で行うというかなり強力なスタイルなんです。

ウェルカムスペースとは、披露宴会場の入口に設置されたおもてなしのためのスペースのこと。ウェルカムボードと呼ばれる二人の結婚の「看板」とも言えるようなアイテムを設置したり、思い出の品を置いたりすることが一般的。特に決まりがあるわけではなく、花を飾ったり、趣味の品を置いてもOK。

結婚式にストーリーは重要

結婚式において、こういったストーリーは非常に重要です。なぜなら、結婚式そのものが下記のような意味を持つからです。

  • 今までの仲間や家族に二人の結婚を知らせる
  • そうすることで二人の間の「気持ちに区切りをつける」
  • 大学時代の友人、小学校の友人、幼馴染、色々な時代の友人に自分達をより知ってもらう
  • そして「今後もよろしくおねがいします」の気持ちを伝える
別に、結婚式をしなくても結婚はできます。婚姻届を役所に出すだけです。それでも、結婚式をするのって自分達の中で「覚悟」を作るためだと思うんです。言い換えるなら「この日から夫婦になりました」って気持ちの切り替えをするためとも言えます。そして、それを周りの仲間にお知らせしたり、「これからもよろしくお願いします」の気持ちを伝えることで関係を強くしていく為にするものだと思うんです。
その上で、ストーリーはとっても大事です。なぜなら、ただ「おもてなし」をするのではなくて自分達との関係を感じてもらったり再確認してもらう事の方が効果的だからです。昔話で盛り上がったりしながら時間の流れを感じて、そしてこれからの二人をよろしくお願いしますと伝えることでこそそれが達成できると思うのです。少なくとも僕は。写真はそれを感じ取ってもらうために非常に有効なツールです。それが僕がクラスカさんの結婚式に感動した理由です。

結婚するまでだってストーリー

二人のストーリーは、何も小さい頃だけの話ではないです。きっと、この記事を読んでいるあなたは「そんなに小さい頃の写真あったっけ?」って思ったりしているかもしれませんね。でも、ストーリーは色んな所にあるものですよ。例えば、結婚準備だってストーリーだと思います。

結婚準備はケンカの日々です。とにかく揉めます。でもそれって当たり前のことで、違う環境で育った違う人間が一緒に暮らすわけですから価値観の違いってものがあるんですよ。料理の味付けが違うとか、お風呂の使い方のクセが違うとか、一緒に住んだらたくさん違う所が出てきます。結婚準備だって、誰を呼ぶかで言い争ったり、アイテム選びで衝突したりもするでしょう。そんな中で「二人の価値観」が形成されていくのが結婚準備の期間だと思うんですよね。個別の価値観ではなく、ぶつかることで相手とのちょうどいい具合を探していく成長があると思うのです。

だから、結婚準備の間を写真に撮っておけば充分にストーリーになると思います。例えば、婚姻届出しに行ったり、両親に挨拶に行ったり、そういういろいろがあって結婚式を迎えますから、ちょっとしたときに写真を撮っておけばいいんです。同棲をしているなら、二人が暮らした家だっていいじゃないですか。もしこのスタイルを検討するなら頭を柔らかくしてみるのも大切だと思います。

 シンプルで「意味」のある結婚式が求められてきている

この表は、ゼクシィさんが調査しているデータです。(情報源:ゼクシィ結婚トレンド調査2017調べ)

中心のバーより上下に出ている量でトレンドを読むことができます。目立つのは、「列席者を退屈させないこと」「感動的な挙式・披露宴・パーティーにすること」が下がっていることです。ここから読み取れるのは「感動なんていらない」ということではないと思います。

僕が思う、ここから読み取れる内容は「結婚するカップルの目が肥えた」ことだと思うんです。例えばここで言われている「退屈させない」ってどういうことだと思いますか?「お金をたくさんかけて、派手な演出をたくさん取り入れて、イベントだらけにすること」を暗に指していると思うんです。どうですか?正直なところそんなにやりたくないですよね。感動の面も同じで、結婚式場が提案する「これが感動するイベントだ!」っていう押し付けがみんな嫌になったんじゃないかと思うんですよね。

この調査は2012年と2017年の比較です。この間に大きく変わったことと言えば、「スマホの性能が上がった」「Instagramがものすごく流行った」ことじゃないでしょうか。日本版Instagramができたのが2014年です。そこから爆発的に流行って2017年には「インスタ映え」が流行語大賞を取っているくらいです。この間に一気に結婚式の情報や写真が広まりやすくなったんですよね。スマホがそこまで普及する前、それこそ10年位前だと、結婚式の情報はクローズな情報でそこまで広く口コミが広がることもなかったです。ネットも遅かったですし、インスタもなかったので写真が拡散することもなかった。つまり新郎新婦やゲストは「自分達の結婚式」しか知らなかったので、判断基準は自分のなかにあるものさしだけだったんです。

でも、今は違いますよね。インスタが流行ったお陰で「おしゃれな写真」「ダサい写真」の規準がインスタ規準になりましたし、結婚式場のいろんな情報もネットで手に入るようになってしまいました。良くも悪くも広く他人と比較できてしまうようになった」んです。例えば、めっちゃオシャレに撮影できる結婚式場の写真がみんなに見えるようになったことで、今までは見られなかったハイレベルな写真を知ってしまい、みんなそこを目指すようになりました。結婚式の内容も、結婚式場の売り文句だけで理解していたイベントが「みんなの口コミ」でわかるようになり、他の式場との比較が可能になりました。そう、そして気がついたわけです。どうやら「派手でお金だけをかけるような結婚式は意味ないんじゃないか」って。そして、もっとシンプルで仲間とのつながりを感じられるような結婚式を求めているようになってきている、と僕は読んでいます。つまり、「意味」を求め始めたんです。

そして、写真は「意味」を感じてもらいやすいコンテンツなので相性がいいのです。

せっかくなら写真は大きく伸ばそう

話を戻して、ここからは実際にこういうテイストの結婚式を考えている人へのアドバイスをしようと思います。まず、写真って「大きくすると化けます」。写真の仕事でもしてない限り、あんまり写真を大きく印刷する機会ってないと思うんですけど、もし機会があれば大きく印刷してみてください。それだけで写真はよく見えてきたりするものです。「あんまりよくないなー」って思う写真も大きくした瞬間に突然魅力が出てきたりするんです。だから実際に、サイズが大きなアルバムって人気がありますし、その理由は写真にすごいパワーを感じるからなんですよね。特に、今はみんなスマホで写真見てますから、小さいサイズに慣れてます。だからこそ、ギャップがあって効果があるっていうのもあると思います。

印刷はお金がかかるので、スマホを自宅のテレビに繋いで大きな画面で写真見てみてもいいと思います。スマホ本体と見比べてみてください。結構印象違うと思いますよ。でも、本当は印刷したほうがいいです。やっぱり画面の中と印刷物だと違うんですよね。写真の腕?そんなもの関係ないですよ。むしろ、素人っぽいほうが感動したりするものですから。

ネガがなければ組み合わせよう

昔の写真を使いたい場合もありますよね。小さい頃の写真はデジカメではなくてフィルムのカメラで撮影されています。今では知らない人も増えてきたと思うんですけど、「ネガ」っていうものが写真にはあるんですよね。

こんなやつです。これが写真を印刷(正確にはプリントといいます)するための元になります。これがあればよりキレイに写真を作ることが出来るんですね。でも、昔のネガはなくなっていたりする可能性もありますよね。その場合は印刷されたもの(プリント)があればスキャンして引き伸ばせば大丈夫だったり、「写真の写真」を撮る手もあります。昔の写真だからと言って諦めず、一度写真屋さんや結婚式場に相談するといいですよ。

ピンボケも味の1つ

あと、昔の写真ってボッケボケの写真とか多いですよね。「お父さんの写真の腕が悪いから」とか、色んな理由がありますけどそんなに気にしなくていいと思います。案外雰囲気があって良くなる可能性も大いにあります。しっくりこない場合にはモノクロにしてしまうなどもできますので、会場や写真屋さんにこれも相談してみるといいでしょう。

 大きい写真はプロに依頼しよう

でも例えば、今回のクラスカさんの高砂のようにめっちゃ大きい写真にするようなカットはプロに撮ってもらうといいかもしれません。キチッとキレイに撮れてる写真を目立つところに配置できればグッと見栄えが良くなると思います。「前撮り」の写真なんかが使いやすいと思いますが、使い道を想定してないと困ってしまう可能性もありますので、結婚式で使う用途をあらかじめ考えて「前撮り」するといいでしょう。

試食会もセットでめちゃウマでした

今回のクラスカさんのイベントには試食もついていました。

いや、ものすごく美味しかったです。あまりに美味しかったので僕たちは二人して料理の質問をスタッフの方にしてしまいました。メインではないですが、パンに関しては売ってるなら買いたいレベルで美味しいです。試食が毎回付いているかはわかりませんが、美味しいものが好きな方はもし機会があればクラスカさんに行ってみるのをおすすめしますよ。

とにかくスタッフの雰囲気がいい

最後に、僕が一番感動した点を紹介します。それは、スタッフの雰囲気が本当にいいってこと。結婚式場にもいろいろあって、やっぱりスタッフ間の空気って大切です。典型的なところだと、会場側やプランナー側がカメラマンやサービススタッフの「上」にいる意識が強くて空気がわるい感じがするんですよね。でも、クラスカさんは全くそれがなかった。どれくらい凄いかって言うと、10年結婚式業界にいる僕が感動するレベルですよ(笑)

当日、会場にはプランナーさんをはじめ、司会の方やカメラマンもいたのですが、皆さん本当に仲のいいチームワークで団結されてました。試食会の後には、ゲストとスタッフみんなで輪になって話し合う時間も用意されていたんですが、結婚式に関わっている一人ひとりが本当に熱い信念をもって関わっているのがわかってとても嬉しかったです。とりあえず僕はニヤけてしまっていました。それくらい素晴らしい結婚式場でしたね。

そんなわけでクラスカさん、オススメです。写真を特長にした結婚式がしたい方はぜひ、この記事を参考にしてみてくださいね!

KOBATONE 小林嘉明

追伸:撮影はもちろん僕に依頼してもらってもいいですよ(自分で宣伝)

yoshiaki-kobayashi

結婚式の写真屋さんをしています。小林嘉明(こばやしよしあき)といいます。KOBATONE(コバトーン)というブランドを立ち上げて写真を撮影しています。サイトを通してこれから結婚する人へ情報提供をしています。

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