スピーチを頼まれてしまった。
せっかくならお祝いを伝えつつ、ちょっと上手く喋っておきたいものですよね。しかし、ここでやりがちなのが「文章」を練習すること。でも文章は上達に時間がかかる上、そこまで効果がないんです。実は科学的に、もっと効率よくする方法があるんですよ。
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過去に聞いたスピーチ、覚えてますか?
ちょっと思い出してみてください。今まで結婚式に出席された中でもいろいろなスピーチを聞いたと思います。「あの人話うまいなぁ」「この人ちょっと話しイマイチだなぁ」その時はそう思ったはず。
でも、話の内容、覚えてますか?
誰も覚えてないですよね? 実はこの理由、心理学的にわかってるんです。
僕達は言葉を7%しか聞いてない
人間はあんまり「言葉」を聞いていません。ある心理学の実験では、矛盾した2つの情報を与えられた時、僕たちがどの情報を優先して把握するのか? を調べました。
例えば竹中直人さんの「笑いながら怒る」芸みたいに、言葉は怒ってるのに顔が笑ってる、といった状況で「見た目」と「言葉」のどちらを信じるか? を調べたんです。
そこからわかった比率がメラビアンの法則。なんと人間の情報優先度は
- 視覚からの情報が55%
- 音の情報が38%
- 文字の情報は7%
そう、喋っている言葉の内容は7%しか理解されていないのです。
つまり僕達は、どう振る舞っているのか、どういった声色で喋っているのか、という点に注目をしてしまっていて言葉の内容自体にはさして注目をしていない、ってこと。
もちろん、この実験では『矛盾した情報を伝えた時』っていう条件ではあるんですけど、結婚式のスピーチに当てはめるとこういったことは考えられないでしょうか?
- すごく立ち振舞は堂々としているんだけれど、言っていることはグダグダ
- 自信がなさそうなんだけど、言っていることは素晴らしい
ありえますよね? そして、この二択であれば態度が良い方が評価される、ということです。
つまり態度さえ堂々としていれば、話がうまそうに見える、っていうこと。話はうまくなくてもいいんです。
・・・試しに、後述する方法を使ってスピーチができたら、列席者に後日内容を聞いてみてください。多分、覚えてないはずですから(笑)
補足
もちろんいいことを言えるに越したことはないのですが、その話はまた別の記事でお伝えします。
今回は「態度」で話をうまく見せる方法を紹介していきますね。
カリスマは話し上手
伝説的なリーダー、たとえばスティーブジョブズのような人物をカリスマと言います。一般的にはカリスマ性は生まれながらの才能とされていますが、実は後天的に身につけることも可能です。
科学的にも
「どうしたらカリスマ性が身につけられるのか」
「カリスマ性とは何か」
といった研究が盛んに行われています。
そんな研究の中から、今回は話し方に関するものをピックアップしてお届け。
そう、カリスマは多くの人々の前で話し、導き、そして魅了する喋り方が得意なタイプが多く、彼らがカリスマであるための大きな要因になっているんです。彼らからコツを学びましょう。
カリスマ性研究に学ぶ、上手なスピーチの喋り方
1.ゆっくり喋る
慣れないスピーチでは緊張して話のスピードが上がりがちです。早い喋り方は「あたふた」して見えてしまうので、余裕がなく、話が下手に感じられる大きなポイントです。
思い切って、ゆっくりめに喋りましょう。
事実、心理学的にも様々な実験でゆっくり喋る方が説得力が高まる、と分かっています。
アメリカの選挙ではゆっくりしゃべる候補者の方が当選率が高い、なんてデータもあるくらいですしね。
コツは、「知り合いのゆっくり喋る人」を想像して喋ること。最初は慣れませんが、少しやればゆっくりの感覚が掴めるはずです。
2.間をしっかりとる
早口になってしまうのと同様に、どうにか隙間を埋めようとして「あー」とか「えー……」を連発してしまうのもよくある癖です。
これらの言葉は封印しましょう。代わりに、黙ってしまって構いません。
ワンセンテンスに対して1〜2秒置くつもりで、ゆっくり喋ってみるのが良いです。
どんな感じかわからなければ上記のジョブズのスピーチを参考にしてみましょう。
英語と日本語での違いこそありますが、原稿に目を向けるタイミングがあったり、ゆっくりと回りを見回すような動作があったりと、かなりたくさんの「間」を使っていることがわかると思います。
3,音程を下げる
男女ともに、声が低いほうが説得力が高まる、と言われています。
他の研究でも、男性の場合収入が上がるとか、モテるなんて研究もあるくらいです。
やり方のオススメは、部分的に下げること。
全体を低い声にするのはちょっと難しいはず。多くの場合、だんだんと普段の声になっていってしまいますし、いつもと違うキャラを作っている感じが歯がゆくなってくるはず'(笑)
なので、語尾だけ下げるようにしてみてください。
一番やりやすいのは選択肢などをいくつか並べる場合。
Aでも、Bでも、そしてもちろんCでもいいです。
太字が低音(もちろん、あたりから下げ始めるとやりやすいはず)
実際に読んでみてください。イメージとしてはJ-WAVEで渋い声の男性パーソナリティが喋っている感じです。クリス・ペプラーさんみたいに。なんだかすっごい自信アリげに感じませんか?
ただ、そのままでは白々しいかもしれませんね。ですが、細かなコントロール感覚を身につけるためにも、まずはちょっと派手目にやってみることをおすすめします。派手なやり方に慣れたら、少しずつマイルドにしていけばいいんです。その中で、自分にとって違和感のない範囲を探してみましょう。
部分的に使える決め技なので、グッと効きますよ!
4,鼻から息をする
想像してください。
肩で息をしながら、ハアハアしまくっている男を。
___はい、とりあえず余裕はなさそうですよね。
(気持ち悪い、とかは置いておいてください)
そうなんです。人って余裕がなくなると
- 肩呼吸になり
- 息が浅くなる
- 息が早くなる
特徴があります。漫画なんかでも上記の描写があったら「焦っているシーン」ですよね。
反対に、落ち着いて見える呼吸は
- 腹式呼吸で
- 深く
- ゆっくり
しています。
会話の中であれば「鼻から呼吸する」ことも大切になります。背筋をまっすぐにして、鼻呼吸をすればかなり自身があるように感じられます。
これは普段から心がけていたほうが本番でも維持しやすいテクニックですね。姿勢が良くてお腹で息をしていることのメリットは大きいので、ぜひ普段から意識してみてはいかがでしょうか。
まとめ:スピーチを上手に喋るには
ポイントを纏めましょう。
- 内容よりも態度が大切
- ゆっくり話す
- 間を大切に
- 声は低め
- 鼻から腹式呼吸
です。ざっくり捉えるなら、ゆったり大きな動物のように語るイメージですね。クジラなんかを想像したら効果的かもしれません。
ぜひ、スピーチの下書きができたら試してみてくださいね。上手に話せるように応援しています。
KOBATONE 小林嘉明