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持ち込み対策|結婚式でカメラマン2人体制のオススメと注意点

会場がどうしても持ち込ませてくれない。

そんな時の対策として、「追加のカメラマン」をするケースがあります。最近増えているのですが、会場カメラマンと持ち込みカメラマンが一人ずつ入るようなスタイルになります。これはたくさん撮れていい感じがしますが、気をつけないとデメリットになる場合もあります。今回はカメラマン視点でそのポイントについて紹介しますね。

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お互いに邪魔になってしまう可能性がある

最大のポイントが、「撮りたい内容が同じ」ということです。カメラマンや会社によってスタイルはたくさんありますが、基本的にカメラマンが撮りたい内容は一緒だと思っていいと思います。柔らかい感じ、硬い感じ、暗い感じ、明るい感じ、アートな雰囲気、色々な差はありますが、「ケーキカット」や「指輪の交換」が撮りたいという内容は同じです。要するに、「撮り方は違うけどイベントは同じ」ということ

そして、そのイベントが「よく見える場所」ってだいたい同じなんですよね。カメラマンもいろいろな会場に行った経験値からベストな動きを探るんですけど、それなりに撮れる人ならだいたい同じ場所に陣取ります。これがかぶってしまうとお互いに陣取り合戦になってしまいます。お互いに邪魔なんですね。そうすると、せっかく2人で入っているのに良い写真が撮れません。1+1=2ですらなく、0.8くらいになってしまうのです。

原因:相手が撮れているかわからないから

原因はカメラマンの考えにあります。僕達カメラマンはなにをおいても「確実に撮れること」を優先しますので、邪魔が入りそうな場所は極力選びません。例えば写真好きのゲストが突然僕達カメラマンと新郎新婦の間に入ってきそうな場所は避けますし、入ってもそれを避けて撮影できるような場所を選びます。また、イベントは連続して行うので、その後の移動のことやカメラの設定も考えないといけません。要するに気にする条件や内容がたくさんあるんですね。

それくらい確実さは気にするものなんですが、問題は「もう一人のカメラマンの実力がわからないこと」です。現場の動きを見れば大体わかりますが、相手がどんなスタイルで撮影しているのかまではわかりません。「相手が撮影しているだろう」という考えで撮影していると「二人共撮影してなかった」なんて事がある可能性があります。それは避けたいのはどちらのカメラマンも同じなので、結局似たような場所から撮影することになるのです。

原因:カメラマンは相手のカメラに写り込まないのがマナー

カメラマンは別のカメラマンのカメラに映り込むのを極力避けます。気にしないカメラマンもいますが、少数派です。大体のカメラマンは別のカメラマンの写真に写っていると怒られる、というような敎育で育っているので気にします。実際僕もそう言われて育ちました(今は考えが違いますけどね。)。とにかく、カメラマン業界では禁止事項なのです。

カメラマンが二人いるメリットは、別々の角度から撮影できることでもあります。一人では一箇所からしか撮影できませんが、二人いれば1つのイベントを二つの角度から撮影できるのです。また、同じ角度からでも、一人はアップ、一人はワイドに全体を入れた写真、といった感じで担当を分けることも可能です。しかし、これも相手の撮影スタイルがわかっていないと出来ない芸当です。

例えば上記の写真を一人が撮影している間に下記の写真を撮ったりします。

しかし、この方法は「もう一人が確実に撮影できている」とわかっているからこそ出来る方法です。知らない他業者ではそれを委ねることができません。もし仮に、それで撮れていなかった場合も難しいですよね。どっちが悪いのか?なんて話にはなりたくないものです。

コミュニケーションがとれない場合もある

持ち込みは禁止されている場合が多いです。つまり、会場側の意識としては「排除するもの」「邪魔なもの」という意識がある会場もあるのです。それはカメラマンも同じことで、「自分達の利益を脅かす存在」である外注カメラマンを快くは思わないケースがあります。あからさまに邪魔な行為をしてきたり、撮影場所へ案内してもらえない、なんてケースもあります。多くの会場では基本的にカメラマンは協力的にしてくれますが、まれにネガティブなケースもあるので、外注カメラマンに「会場カメラマンと相談しながら上手くやってください」というのは難しい状況があることは頭の隅に置いておきましょう。

外注カメラマンが相談で解決出来ないケース

会場カメラマンと相談して外注カメラマンが上手く立ち回れる場合でも、解決できないケースがあります。それは、会場側から完全に撮影を禁止されている場合です。主に神社や大きな企業が母体の結婚式場に多いですが、「持ち込みカメラマンは挙式で完全に撮影禁止」や「ゲスト扱いなので必ず座席から動かずに撮影」という縛りを設けられてしまう場合があります。コレばかりはどうにもなりません。

また、ゲストと同じ導線での行動を強制されてしまうと、新郎新婦2人のツーショットや、メイクシーンなどは撮影ができません。披露宴後も強制的に退去を求められるので、時間はまったくないのです。

こういうカットを撮る時間が確保できなくなります。

「提携+外注」カメラマンになってしまう原因

そして、この部分が提携と持ち込みカメラマンを同時に注文する原因でもあります。新郎新婦は、外注の持ち込みカメラマンをお願いするからにはそちらのテイストが気に入っているのでしょう。しかし、「提携カメラマンしか撮れないカット」があるとどうしても提携を頼まざるを得ません。そのためだけに提携をお願いするのです。

余談:外注のフリーカメラマン同士の2カメ(カメラマンが二人いること)で入ったことがありますが、その時は安心して任せられました。もう一人のカメラマンの方もめっちゃ動ける方で安心感が半端じゃなかったです。すべての場合とは言えませんが、外注同士の方がコミュニケーションはしやすい傾向にあると思います。

対策:完全に分業する方法のメリットとデメリット

これは実際にお客様がやっていたのですが、二人のカメラマンを完全に分業させる方法もあります。例えば、「記念写真」は提携カメラマンがすべて撮影する。「アイテム・小物」は持ち込みカメラマンが撮影する。といったようなルールを設けるのです。これをすればかなり写真のダブリは防げます。しかし反面、片方が撮影できていなかった時の保険はありませんから、その点は了承しておく必要があります。

リスクは覚悟しておく

いかがでしょう。いずれにしても、持ち込み禁止にしているということは「そういう体質」の会場だと捉えることもできます。外注カメラマン、持ち込みカメラマンとしては撮影がしにくいケースや禁止されてしまうケースは多々起こりえますので、リスクは想定して依頼することをおすすめします。会場側も持ち込みに対する対策を表立ってルールにしていないケースもあるので、やり取り次第で会場に撮影許可を頂ける場合もあります。その場合は、新郎新婦、つまりあなたの交渉力にかかっているので、持ち込みのカメラマンと相談して会場と交渉してみましょう。尚、全ての持ち込み業者が「持ち込み禁止の会場での撮影」を受けているわけではありません。それは今回説明したような事情があって、充分な撮影が提供できない可能性があるからなのです。

結婚写真選びの参考になれば幸いです。

ではまた。

KOBATONE 小林嘉明

yoshiaki-kobayashi

結婚式の写真屋さんをしています。小林嘉明(こばやしよしあき)といいます。KOBATONE(コバトーン)というブランドを立ち上げて写真を撮影しています。サイトを通してこれから結婚する人へ情報提供をしています。

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