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花嫁のバッティングとは?激怒する人もいる結婚式の不思議なルール

最低!なにしてるんですか!お客様のことを考えているんですか!

そんな勢いでプランナーさんに怒られてしまう内容が結婚式にはいくつかあります。しかし、不思議なことに新郎新婦はまったく気にしていないことなのに怒られる、なんてこともあるのです。今回は、不思議な「バッティング」について紹介します。

動画もあります。よければぜひ!

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会場も激怒のバッティングとは?

「二組以上の新郎新婦が同じ場所に居合わせてしまうこと」をバッティングと呼びます。

結婚式場もいろいろなタイプがありますが、中にはたくさんのカップルの結婚式を同時進行で行うことが出来る式場もあります。多い場所では10組や20組も一日で結婚式を挙げることができるんです。そんな状況なので、会場の中にはたくさんの新郎新婦が存在しています。そう、つまり、新婦Aさんと新婦Bさんが出会ってしまうことをバッティングといいます。結婚式場はこの現象を異常なまでに避けようとします。

バッティングは和製英語

スケジュールがバッティングした、とか言いますよね。(僕はあまり言わないんですけど。)そのバッティングと同じバッティングです。コレ実は和製英語なんですね。野球選手のバッティングとは違います。ものや予定がぶつかることをいう言葉ですね。語源はボクシングで頭がぶつかる「butting」からだそうです。

なぜバッティングはダメなのか?

なんと、理由はありません。だれも知らないんです。結婚式場で働く時には常識として教えられますが、先輩や仲間に理由を聞いても「気まずいだろ」「ダメだから」くらいしか内容は返ってきません。でも、バッティングしてしまうと案内しているスタッフが式場やプランナーさんにめっちゃ怒られます。「ありえないですよ!何考えてるんですか!」ぐらいに怒られます。さ〜てさて、あなたはどうですか?自分が花嫁だとして、結婚式場で別の花嫁にあったら嫌ですか?中には気にする方もいますから、嫌でも全然大丈夫ですよ。でも、反対にまったく気にしない人もいます。不思議な現象ですよね。

「こちらは使えません」という案内をされたら多分バッティングが背景にあります

結婚式場内では写真スポットがたくさんありますが、全部を使えるわけではありません。また、時間にも制限があります。その背景には多くの場合バッティングがあります。要するに、自分達が撮影している場所に次の新郎新婦が来てしまうから移動をしなくてはいけないのです。場合によってはまったく撮影が出来ない、なんてケースもあるくらい式場はこの「バッティング」を嫌っています。式場や特定の新郎新婦が気にしているだけならいいのですが、せっかくの結婚式場での写真が制限されたりするのはちょっと納得が行かない方もいるんじゃないでしょうか。そう、なので、「写真をいろんなスポットで撮りまくりたい!」という方は会場がバッティングを気にしているのかを確認してみるのも1つの方法だと思います。そもそも、本当に貸し切りの会場の場合はそういったトラブルには無縁なのでそういう会場をおすすめします。

さて、ここからはバッティングがダメとされることの考察を僕なりにしてみようと思います。

バッティングがダメな理由考察1:「貸し切り感」がなくなるから

結婚式において、「特別感の演出」を大切にする会場は多いです。実際、式場見学の際に案内する言葉を聞いていても「2人だけの貸し切り空間ですよ」なんて言葉も出てきます。つまり、「特別感」のイメージを「貸し切り」であるということに結びつけているんですね。まあ、わからなくもないですね。日本人的には「貸し切り露天風呂」なんて言われたら豪華な感じがしますし、リッチな感じがします。僕たちは「貸し切り」という言葉にそういうイメージをもっているのです。

でも、他のお客様がいるということは「貸し切り」ではありませんね。つまり理屈的にはリッチ感がなくなってしまいます。それを避けたいのではないでしょうか。というのが考察の一つ目。

バッティングがダメな理由考察2:「量産型感」が出てしまうから

一つ目とつながるような理由ですが、新郎新婦目線では、他にも挙式している人を見ると「あー、同じ型でたくさんやってるんですね」とネガティブに思ってしまう人もいるようです。要するに、「たくさんやっている」=「価値が低い」というイメージですね。コレを防ぎたいんじゃないかな、というのが考察の二つ目。

バッティングがダメな理由考察3:「比べてしまう」から

結婚式場は決まったドレス屋さんと提携している場合が多いです。なので、他の花嫁を見かけたら「自分のドレスと比べて高級」とか比べてしまう人もいるかもしれませんね。気にする人からしたらいい気はしないのかもしれません。というのが考察の三つ目。

めでたいことだし、いいんじゃない?が僕の意見

先日もバッティングをガンガンするような式場で結婚式撮影してきたんですけど、案の定バッティングしていました。でも、そのときの新郎新婦さんはむしろ楽しそうでしたよ。

新郎A「おめでとうございます!」

新郎B「そちらこそおめでとうございます(笑)」

新婦A「何かの縁ですね〜」

新婦B「お互いおめでとうですね!」

こんな会話してすれ違ってました。ね、全然問題ないでしょ。僕の意見もこっちの意見で、おめでたいことなんだからお互いに祝えばいいじゃない。って思っています。もちろん、気にする会場や気にするお客様の時はそっちに合わせますよ。でも、そんなに騒ぐことではないと思うんですよね。

自らダメな空気を作って、自爆している説

バッティングが悪いことだ、なんて知ってましたか?僕は少なくとも婚礼業界に入るまでは知りませんでした。お客様でもたまにバッティングを知っている人がいるんですが、そういう方も大体はどこかの結婚式場での体験談とかを友人などから聞いて「あー、ダメなものなんだ」という感覚が形成されています。つまりこれ、式場が勝手に騒いでいるように思えるんですよね。

バッティングしてしまったときも、謝り方が大げさです。「大〜変、申し訳ございませんでした。本当にすみません」なんて今にも土下座しそうな言い方で謝るケースをよく見ます。ほとんどの場合お客様も「?」ってなってます。むしろ謝ることで「わるいことだったのか」と意識付けがされてしまうわけです。バッティングはダメなんだと言う文化を勝手に作って自分自身を縛っているんじゃないか。と僕は思ってしまうのです。

気にする人は、気にする会場にしましょう

それでも、バッティングが嫌だ。と思ってしまう人もいますよね。そういう人はバッティングを気にする会場で結婚式した方がいいです。なぜかというと、気にしない式場はしょっちゅうバッティングするからです。一日結婚式で移動している間に5組くらい別のカップルに会うような結婚式場もあるくらいですよ。気にする人からしたらすごいストレスだと思うんです。もし上記の考察で僕が書いたような内容を自身が気にしてしまうタイプだと思うならバッティングを意識している会場にしましょう。

貸し切りの必要性なんてない

ここからは、少し僕の考え方を掘り進めようと思います。バッティングだけでなく、結婚式自体に対する見方を変えるきっかけになってくれれば嬉しく思います。

とにかく言いたいのは、結婚式の価値は「貸し切り」なんかにはないってことです。そうですよね?貸し切りじゃなかったらあなたの結婚式の価値が下がる、なんてことはないはずです。あなたとパートナーが仲間たち(あるいは神様)に結婚を宣言して、認めてもらって、これからの関係もよろしくって願いする場のはずです。そこに貸し切りかどうかなんて関係ないですよね。例えば、神社なんて貸し切りにはなりません。挙式中でも参拝の一般客(便宜上こう呼びますね)もいらっしゃいます。貸し切りじゃなかったらダメなら、神社は価値がないってことになってしまいます。

どんなに式場が貸し切りっ「ぽい」雰囲気を出していても、実際には他のカップルも同じ式場で結婚式している。なんて、式場を選んだときからわかっているじゃないですか。それが嫌なら他の本当に貸し切りの式場にしたらいいのです。式場側も商品内容が現実と違うものを販売することはもちろんアウトですし、購入側もそれに目をつぶって現実を見ないで購入することもおすすめできません。そのうえで「思っていたのと違う」なんてクレームになったりするのはかなり滑稽なことだと思いませんか?

オリジナリティもいらない

結婚式は貸し切りである必要がないですが、オリジナルである必要もありません。オリジナリティを押し出して販売するスタイルの商品はたくさんありますが、本当にオリジナリティって必要でしょうか。そもそも、「宗教儀式」である神前式やキリスト教式にはオリジナリティは求めないと思うんです。いきなり牧師さんが適当なオリジナルの内容をやってきたりしたら「ちゃんとやってください」ってむしろこっちからいいたくなりますよね。教義に則った、厳粛な式を望むものだと思うんです。

披露宴だって一緒です。定番の流れが決まっていて、それを少しアレンジして自分達の披露宴にするのが一般的です。入場して、挨拶して、スピーチがあって、乾杯して・・・だいたい一緒なんですよ。でも、これに悪いことなんてないですよね?むしろ、「定番化している」ってことは「それがみんなに求められているから」という面があるんです。ある意味定番というのは最も洗練された形でもあります。先輩カップルが何千何万組と結婚式を挙げて練り上げられた形式でもあるんです。僕たちは「個性が大切」と教えられて育った世代なのでどうしてもオリジナリティに価値を求めてしまいますが、果たして「変わった結婚式をする」ことに価値はどれくらいあるのでしょうか。少し考えてみてほしいのです。

結婚式のオリジナリティは求める必要がないくらいに「ある」

この世界で一番オリジナルな要素ってなんだとおもいますか?それは、「個人に帰属する内容」です。例えばあなたの顔。あなたの声。あなたの人格。どれもオリジナルですよね。誰とも同じではないはずです。そんなオリジナリティの塊である人間が2人も結婚するんです。もう完璧にオリジナルじゃないですか?ゲストを呼ぶなら、そのゲストたちもオリジナリティの塊ですよ。そのゲストとまったく同じゲストを呼ぶ結婚式は他にないはずです。本来、結婚式のオリジナリティなんて求めなくてもそこにあるんです。結婚式はそんなゲストと2人の間に起きる化学反応を楽しむ場だと思うんです。あなたはどう思いますか?

考えるべきは「自分達をどう反映させるか」

ということで、重視するべき内容は「定番の内容を活かしつつどれだけ自分達の想いが反映できるか」だとおもいます。自分達が大切にしたい内容、実現したい思い、そういうものを結婚式の内容に込められるかということです。ゲストに楽しんでもらうには、自分達とゲストの関係ならどういうものがいいだろう?両親への感謝を伝えるなら、自分達と両親の関係ならどんな方法が一番合っているか?そういう部分を大切にする方がよほど有益です。つまりは「意味」を大切にしましょう。ということ。

結婚式を本に例えるなら、バッティングを気にするというのは「本棚に同じ装丁の本を置かないように気をつけている」状態です。全部大きさが違って、色の違う本を並べようとしているようなものです。でも、本にとっていちばん大切なのはその「活字の中身」ですよね。文庫本がたくさん並んでいても、その中身が全て違うように、結婚式はその中身が大切なんじゃないかな、と思うんです。

バッティングについて知るついでにぜひ考えてみてくださいね。結婚式について考えるきっかけになれば幸いです。

KOBATONE 小林嘉明

yoshiaki-kobayashi

結婚式の写真屋さんをしています。小林嘉明(こばやしよしあき)といいます。KOBATONE(コバトーン)というブランドを立ち上げて写真を撮影しています。サイトを通してこれから結婚する人へ情報提供をしています。

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