結婚式は、一度だけです。
結婚式では誰も後悔したくないですよね。
しかし、悲しいことに結婚式では一定の割合のカップルが後悔している現実もあります。そして、その原因で最も多いのがお金の後悔です。しかし、これは逆に捉えれば、「お金で後悔する原因を知っておくことで、結婚式で後悔する可能性をぐっと下げることができる」と言い換えることもできます。そこで、今回は結婚式とお金に関する話をお伝えしてきたいと思います。
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結婚後に後悔している事第一位は「お金」
冒頭でもお伝えしましたが、結婚式で最も後悔している事の第一位が「お金」です。興味深いことに、お金をケチりすぎたことで後悔する人もいれば、お金を使いすぎたことで後悔する人もいるようです。それでは、「適度な量」が存在するのでしょうか? 科学的な見方をすれば、それは違うようです。
後悔の正体はお金に対する「考え方」にあった
結論から言えば、お金でモノを買うと失敗し、経験を買うと成功します。
たとえば、ドレスを選ぶところ思い出してみてください。この時
- 「より高いドレスがいい」
- 「よりハイブランドなドレスがいい」
といった感じで、ブランドや価格目当てに選んでしまうと失敗をしてしまいます。反対に
- 「このドレスを着て仲間と一緒に過ごしたらどれだけ楽しいだろうか?」
- 「このドレスを着る経験が自分の人生にとってどれくらい意味があるだろうか?」
という点に注目すると上手なお金の使い方ができます。
詳しく見ていきましょう。
買ったモノの価値は時間が経つと減ってしまう
新しい携帯電話を買うとワクワクしますよね? より高機能になったスマートフォンを手にして眺めてニヤニヤしたり、すごく丁寧に箱を開封したりするはずです。ですが、1年後、あるいは2年後にその携帯を見てあなたはどう感じるでしょうか? おそらく、購入してきたときのワクワク感は既にないはずです。
モノを買う場合、ほとんど同じことが言えます。購入してきたときのドキドキ感や楽しみな感じは時間が経ってしまうと購入時よりも薄れてしまうのです。
「経験」の価値は一生続く
結婚式に来てくれたゲストと5年後や10年後に出会った時、あなたは一体どんな話をするでしょうか?
「このドレスは250,000円して、このティアラは300,000円もして、グローブだけでも50000円もしてるの!」
こんな会話はしないはずですよね?
「あの日はものすごく暑かったけど、みんなガーデンに出てくれて会話ができた」
「普段は絶対に泣かなさそうなお父さんが泣いていて、あの時はびっくりした」
こんな会話をするはずです。
ドレスの価格が5万円違ったからといって、この会話に影響はありませんよね。
つまり、5年後や10年後になれば、商品の金額の差はほぼ意味をなさなくなっているわけです。反対に、思い出であれば何十年経っても価値を失うことがありません。
高いものが悪いのではなく、経験にフォーカスしていないことが危険
では、高いものが悪いのか? そうではありません。
高いものを着てみる「経験」になっていれば問題ありません。結婚式でもない限り、人生で何十万円もするような衣装を着る事はほぼないでしょう。そのため、一生に一度の経験として、高級なモノを選ぶことは「良い経験」になるはずです。問題があるのは、「見栄」や「金額」にフォーカスしてしまっている場合なのです。
結婚式でのお金の使い方を「経験を買う」ことにするメリット
お金で経験を買った方が良い事はわかったと思います。では、ここからは経験によってどんな効果があるのか詳しく見ていくことにしましょう。
- メンタルが強くなる
- トラブルすら見方にできる
- 写真によって経験の価値が上がる
こんな効果があるのです。早速見ていきましょう。
大切な人との思い出はメンタルを強くしてくれる
人は、大切な思い出を一生懸命に守る性質があります。ノースダコタ州立大学の社会心理学者クレイ・ルートレッジ氏の研究によれば、特別な仲間や、家族、そしてパートナーとの大切な時間を思い出すことで、僕たちの心の中にはある種の力が湧いてくると考えられています。
大切な人との思い出をしみじみ思い出すことで、プレッシャーに強くなり、虚無感に耐えることができるようになるのです。
また、社会学者のフレッド・デイヴィス氏いわく、そうした記憶を思い出すことで過去の幸福と達成を思い出して安心することができ、「自分が価値のある人間だ」という自信を持つことができるのだそうです。
経験が幸福度や満足度を上げてくれる理由は、コミュニケーションが発生するから
孤独が体に悪い、という研究結果は近年たくさん出ています。また同時に、人はコミニケーションが大好きです。経験が豊かになることで人生の幸福感や満足度が上がる理由は、他人とのコミニケーションにつながるためです。
人は他人と会話する時、仲良くなるためにまず共通点を探します。そして、似たような経験をしている場合、会話がずっとスムーズになります。「僕も以前そこに行ったことありますよ」「昔食べたときはこんなお店でした」そんな会話ができると相手との距離をぐっと縮めることができますよね。つまり、経験をたくさん持っていると他人とつながりやすくなるのです。そして他人とのつながりは幸福感になるので、経験を買う事は幸せにつながるということです。
結婚式のトラブルすら味方につける「負けなし」の戦略
トラブルが経験を楽しい思い出にする
こんな経験ありませんか? 友人と、楽しみにしていたイベントに出かけた先で大雨に降られ非常に散々な目にあった。にもかかわらず、後で思い出してみると「笑い話」にできている。むしろ、「大雨が降ったことによっていい思い出になっている」。そんなことありませんか?
大雨でなくとも、何かしらのトラブルがあったことによって「あんなこともあったよね」と語り合える、印象的な思い出になっている出来事は多いと思います。
「忘れられない思い出」の実験
この、困難が思い出を価値のあるものにする現象は実験で証明されています。ハーバード大学でマーケティングを教えるアナット・ケイナン氏の調査では二択の質問をしたそうです。アメリカの有名な「氷のホテル」に宿泊したいか、「マリオットホテル」に宿泊したいかの2つを尋ねたところ、ほとんどの人がマリオットホテルのほうが快適だと答えたそうです。しかし、「実際忘れられない思い出になるのはどちらか?」という質問に対しては72%の人が氷のホテルを選びました。
氷のホテルはその名の通りすべてが氷でできています。もちろん、宿泊すると非常に寒いので、快適度はかなり低いでしょう。しかし、そのちょっと大変な思い出が大切なのです。
結婚式にトラブルはつきもの
結婚式にトラブルはつきものです。結婚式当日に限らず、結婚式の準備段階から沢山喧嘩をしたり、いろいろな困難にぶつかるでしょう。
人によってはこれを「良くないこと」と捉えるようです。しかし、ここまでで見てきた通り、多少のトラブルは思い出を素敵なものに変えてくれます。数々の試練を乗り越えて、結婚式を迎えられたこと、準備ができたこと、それらは5年後に振り返ってみれば良い思い出になっているはずです。
結婚式は縁起物なのでトラブルを避けたい気持ちはわかります。しかし、自分たちの力ではどうしようもないトラブルはいくつか起きてしまうものです。
- 交通事情で親族が遅刻してしまう
- お酒を飲み過ぎて友人が池に飛び込む
- あまりの緊張でスピーチを噛みまくる
それぐらいのトラブルは起きるものです。
そんなとき、捕らえ方1つでトラブルがポジティブなものに変えられるのであれば、この考えを取り入れてみる価値はあるのではないでしょうか? 「トラブルさえポジティブなことにできる」これって最強だと思いませんか?
写真を撮っておくと、生涯に渡って結婚式を大切にできる
人は思い出すときに幸せを感じる
僕はカメラマンなので、カメラマンらしいことも少し話しておきましょう。結婚式で写真を撮る意味は、「思い出すため」と言っていいと思います。心理学的にも、人が幸福を感じるのは、思い出している時。と言われています。もちろんリアルタイムで幸せを感じることもあるのですが、それは今に集中している「没入感」や「充実感」といった感覚に近いそうです。
よく、「写真なんて必要ないんじゃない?」なんて意見を聞くことがありますが、もったいない意見だなぁと思います。もちろん個人の自由なので、注文しないと自由もあります。しかし、写真を撮っておくことで思い出を思い出すための「トリガー」にでき、生涯にわたって結婚式を大切に思い出すことができる。こういったメリットを理解しないまま注文しないことを選ぶのはもったいないと感じるのです。
買い物の後悔は2種類
人が買い物について後悔するパターンは2種類あるそうです。
- モノを買って後悔する場合「いらないものを買ってしまったこと」を後悔し、
- 経験に対して後悔する場合「やらなかったこと」を後悔するようです。
結婚写真をデータやアルバムなどの「モノ」として捉えるのであれば、買った瞬間からどんどん価値の落ちるものになってしまいます。しかし、結婚写真の撮影や結婚式そのものを体験として捉えるのであれば、その価値はどんどん上がっていくことになります。
今ではスマホで写真が撮れるような時代なので、たかが写真にお金を払うのは高く感じるかもしれません。しかし、プロに撮影してもらう体験、結婚式そのものの体験、それらを思い出すための写真、全部が合わさって販売されていると考えると価値観が変わると思います。
「モノ」は心の柔軟さによって「経験」に変えられる
いかがでしょう? 結婚式では実に様々な商品を買う必要があるので、判断をしなくてはならない機会もたくさんあります。
そこで、今回の考えを取り入れてみてはいかがでしょうか? たしかに買う商品は「モノ」ですが、捉え方によって「経験」にすることができます。
- 「これを買ったらどんな経験ができるだろうか」
- 「これを買ったら仲間とどんな話ができるだろうか」
- 「これを買ったらどんな時間を家族と過ごせるだろうか」
そういったポイントに注目すると満足度の高い買い物ができるはずです。
ぜひ、正しい買い物をして一生大切に生きる結婚式をあげてください。応援しています。
KOBATONE 小林嘉明