式場への持ち込みはタイミングが命!簡単に好条件で交渉できるのはいつ?

ブライダルフェアに出てみたけど、いまいち式場の写真屋さんがよく思えない。もっといい写真屋さんがあるんじゃないか?そう思っていませんか?そして、そんな方が多く利用するのが持ち込みですよね。でも実は、持ち込みには最も「交渉しやすいタイミング」があるって知ってましたか?今回はそんなタイミングの話です。

条件は契約書にサインしたら変えられない

契約書

結婚式場へ見学へ行くとプランナーさんや販売担当のスタッフから契約を提案されます。この契約とは、「この結婚式場で結婚式を挙げる契約」です。もちろん色々な会場を見てから决めていいので拘束力は低いですが、会場も商売でやっている以上必ず売り込みとして契約の話が出ます。

もしここで契約書にサインすると、あなたと式場の関係が決定します。詳細は契約書に書かれていますが、基本的に式場が用意した業者にいろいろな商品を注文することになります。つまり、ここで持ち込みが不可能になります。すなわち、持ち込みについて対等に話ができるのは「契約書にサインをする前」ということです。

結婚式場に行くと忘れがちですが、プランナーであれプロデューサーであれ会社員です。つまり、彼らは会社の仕事としてあなたに販売している面があり、彼らは会社に利益が上がるように商品を販売する必要があります。要するに、契約できるならある程度の許容範囲をもって内容の変更が利くということ。

サイン前にできる交渉内容

具体的な内容はこんな感じ

  • 式場の用意した写真屋さんにそこまで気に入った商品がない
  • 知り合いにプロカメラマンがいて、その人に頼みたい
  • (あるいは)気に入っている写真業者があるので、そこにしたい
  • それが可能なら契約してもいい
プランナーさんの立ち位置からしてみると、持ち込みによる利益減のかわりに契約が一本取れるという成果が得られますから、この程度であれば条件を飲んでもらえるかもしれません。この方法の優れているところは、ちゃんと契約しているということです。一例として、ゲストとして持ち込む方法と比較して見てみましょう。

ゲストとして持ち込む方法のデメリット

ゲストリスト

持ち込み方法はたくさんあります。有名所では「友人として参加する方法」があります。ゲストとして会場に申請して席まで用意する方法ですね。実際この方法で撮影している業者は多く、たくさんのブログなどでも紹介されています。そのため会場もよくわかっていて、ゲストの「てい」で持ち込まれていることはわかっています。プロだってバレバレなんですね。
ですが、僕はこの方法はお勧めしません。というのも、よく知ってから使わないとかなり痛い目を見る可能性があるからです。例えば、こんなデメリットがあります。
 
  • メイクシーンが撮影できない
  • 挙式はゲストと同じ席からの撮影
  • フラッシュ撮影不可
  • 挙式そのものの撮影ができない(レアですが)
  • 本来撮影予定に組まれている新郎新婦の2ショット写真が撮影できない
こんなデメリットがあるのです。結婚式の写真をわざわざ式場以外に頼むくらいですから、あなたは写真に対して高い意識を持っているタイプの方でしょう。しかし、この方法は結婚写真の目玉と言っても過言ではない2ショットの撮影が出来ないなどの制限があるのです。
今はネットで情報がたくさんあります。ゲストとしての持ち込み方法を紹介しているサイトを見て「持ち込みできるから大丈夫」なんて思っていて、あとから色々な撮影禁止条件がわかってガッカリする。実際にそんな残念な思いをしている新郎新婦もたくさんいるんです。

契約している強み

ゲストとして入る方法は、新郎新婦が友人だと言い張れば会場側は確認の術がありません。失礼にあたりますしね。なので、持ち込み禁止が厳しい会場へ無理やり持ち込むにはいい方法なのかもしれません。ですが、上に書いたようなデメリットに目を向けることも大切です。
一方、契約前に交渉する方法では担当者に最初から持ち込みだとわかっているので、本来の撮影内容をこなせる確率が高くなります。あなたも隠し事がないので打ち合わせもハッキリとした内容で話すことが出来ます。とっても楽だと思いませんか?なので、持ち込むなら「持ち込み」だとハッキリわかっている方が都合がいいのです。

持ち込みは会場の邪魔になる可能性も

きっちり働きたいスタッフ

サービスマンの気持ち

さて、ちょっとここでスタッフの気持ちを考えてみましょう。プランナーや担当者ではなく、サービスや案内を担当してくれるようなスタッフです。持ち込まれたとき、どういう気持ちで結婚式をしているでしょうか?
彼らは自分の仕事をきっちりこなすために働いています。結婚式はタイムスケジュールがかなり細かく複雑に絡み合っているので、遅延やハプニングはなるべく避けたいものです。時間がズレてしまい、料理が出来ているのに提供できない。次のイベントに行きたいのになかなかゲストの移動が完了しない。そんなこともあります。だからこそ、連携の取れるよく知ったスタッフで固めたいと思っているのです。
そこに、外部の知らないカメラマンが入ってきたらどうでしょう?正直、警戒しますよね?そうなんです。実際、カメラマンって邪魔なケースがあるので次で紹介しておきましょう。

何をするかわからないカメラマン

カメラマンはピンキリ

実はカメラマンはかなりピンキリで、プロというだけでは実力や経験がある人なのかわかりません。特にウエディングは独特のしきたりや風習がたくさんあります。「入ってはいけないところ」「邪魔してはいけない導線」「イベントの意味」「立ち位置」それらをしっかり理解した上で撮影しなくてはいけないのです。しかし、プロカメラマンと名乗る人の中には素人同然の業者もいるので、そういったしきたりを無視して撮影してきたり、そもそも「必要なものが撮影できていなかったり」します。
たとえば、バージンロードにはなるべく入らないのがカメラマンとしての常識ですが、彼らは平気で入ります。そもそも入ってはいけないことを知らないので、バージンロードの真ん中に陣取って撮影を始めたりするのです。さらにヤバい人になると挙式本番中に式の流れを止めて写真撮影出来るよう口を出したりするケースもあります。

会場に迷惑をかけるカメラマンは会場の印象を下げる

こうした迷惑なカメラマンは、困ったことにスタッフとして見られてしまいます。注文した新郎新婦なら外部業者だとわかっていますが、友人やゲストからしたら「式場のカメラマン」として見られたり、会場のスタッフとして見られます。そのため、ゲスト目線では会場の質が悪くなったように見えてしまいます。それを会場は嫌がるのです。

「友人持ち込み」よりも「契約前持ち込み」を推奨する理由

スタッフがカメラマンを嫌がった結果、スタッフはカメラマンに対して非協力的になります。場合によっては妨害っぽくなることすらあるでしょう。カメラマンとしては非常に撮影しにくい状況です。
  • いい撮影場所が教えてもらえない
  • 普段は撮影できる場所をあえて禁止されてしまう
  • 時間の制限を多く設けられてしまう

など、結局いい写真が取れないような状況に追い込まれてしまうのです。仮に、ちゃんとした実力のあるカメラマンを持ち込んでいた場合でもかなりの痛手ですよね。もちろん、実力のあるカメラマンであればそれでもちゃんとした撮影をしてくれるでしょうから、結果の写真を見ただけではわかりません。しかし、もちろん環境がいい方が良い写真が撮影できるのは言うまでもありません。

会場にカメラマンの実力を伝えるのがコツ

そのため、持ち込みをする時は会場側の不安を取り除くことを忘れないようにしてください。どれくらい実力があるカメラマンなのか、撮影経験が豊富なのか、そういった点も彼らは重視しているのです。有名な写真屋さんであれば名前で納得してもらえますし、そうでなければサイトの経歴などを見せましょう。スタッフに「あ、こいつは大丈夫だな」と思ってもらうことが協力的に撮影をさせてもらうポイントです。

本当に一番いいのは持ち込みOKの会場

ここまで話してきたらわかると思いますが、結局最初から持ち込みを許容している会場が最もベストです。持ち込みOKの会場は持ち込みが来ても対応できる現場の実力があり、また持ち込み業者に対して寛容で協力的です。つまり、カメラマンからしても撮影のやりやすさが段違いにいいです。なので、もしあなたがまだ会場を検討中、もしくは契約前であるなら、そもそも持ち込みが大丈夫なところにするというのを僕はお勧めします。

友人持ち込み<契約前持ち込み<持ち込みOK

いかがでしょうか。まだ会場と契約書をかわしていない場合にぜひ参考にしてみてくださいね。また、持ち込みするのが決まっている場合も、スタッフの心理など把握してうまく持ち込みカメラマンが動けるように手配の参考にしてもらえるといいと思います。

KOBATONE 小林嘉明

これはダメ!披露宴の余興で気まずい演出はダントツでこの2つ

余興、探していますか?

もしそうなら、コレは避けたほうがいいかもしれません。。。

こんにちは。小林嘉明です。カメラマンを10年くらいやっているとたくさんの余興を見ます。さすがにそれだけ見ているとオススメしたいもの、アイデアの素晴らしいものもたくさんありますが、今回紹介するのはオススメ「しない」ものです。僕が見るたびにドキドキ冷や汗を書く演出をご紹介しますね。

(・・・それでもやりたい方向けのアトバイスも書きますよ。)

その1:目隠ししての新婦当て

はい、もう結論から言って一つ目はコレです。見たことありますかね?手順はこんな感じです。

  1. 司会者が新郎さんを呼び出す
  2. 新郎、みんなの前で目隠し状態になる
  3. 新郎にわからないようにサイレントで5名くらいのゲストを選ぶ
  4. 選んだゲスト+新婦と、新郎は順番に握手して新婦を当てる

握手で新婦を当てますこんな感じのゲームです。新郎が当てられるかどうかのスリルもありますし、それなりに盛り上がるゲームです。でも、これ、なかなかに危険だと思いませんか?

もし、間違えたら

もし、新郎が新婦を当てられなかったらどうなるでしょうか。実際にはそんなことは今までありませんでしたが、わかりませんよね。恐らくですけど、一生文句言われると思うんですよ。一生はオーバーな言い方かもしれませんが、でも、度々いじられますよね。

これって新郎新婦のタイプによってはかなり深刻な問題に発展します。

新郎新婦の関係は誰にもわからない

周りからはノリが良く見えていても、実はナイーブで繊細な人がいるように、人は周りの印象と違う面を持っています。それがカップルの間の問題になったらますますわかりません。

実際、僕も長い付き合いの友人はいますが、彼らがパートナーとの間にどういう力関係や信頼感の構築をしているのかはわかりません。相手の女の子から友人のことを相談されて意外な一面にびっくりすることもあるくらいです。

新郎新婦の関係は誰にもわからない「二人はノリがいいからやってくれるだろう」なんて周りが思っていても、二人の間でどんな問題が起きるかなんてわかりません。

司会者とゲストの能力がキモ

このゲーム最大の難しさがここです。新郎さんが果たして当てられるのかは、誰にもわかりません。

そこでこのゲームでは、周りのみんながリアクションで新郎にヒントを与えるのが肝心です。選ばれるゲストは男性ゲスト等も混ざっており、細身の新婦さんとはまったく違いそうな手をしている方が選ばれたりします。要するに「ネタ枠」です。

盛り上がりポイントとして、そういう時に新郎をヤジで煽ったり、ヒントになるようなポイントを与えたりします。

でも、ゲストのノリなんて事前に把握できますか?本当にヒントを出してくれますか?最適な人選ができますか?

全然反応が薄いゲストだと成り立ちませんし、新郎さんもその手のプレッシャーに慣れている必要があります。実はこのゲーム、めちゃくちゃ難易度が高いんですよ。そして何より、司会者のスキルが問われます。

司会者はハードモード!

このゲーム、特に司会者を「友人」がつとめる場合が多いです。余興ですからね。プロでもない友人がしゃべりだけでゲストをコントロールして、なおかつ新郎を正解に導けるでしょうか。

先程、失敗した例は見たことないと書きましたが、ニアミスなら何度かあります。司会者の誘導が下手で、危うくハズレるところでした。その日はたまたまゲストにノリの良い方がいたので難を逃れましたが、、、、ほとんど全てを司会者のコントロールに委ねるこの状況、仮に僕が司会者なら耐えられません。

もし、やるなら配慮したいこと

こんな感じで書きましたが、盛り上がるのも事実です。仲間やゲストのノリ次第ではアリなイベントかもしれません。なので最後はやるなら「ここは配慮してあげて」というポイントをまとめます。

  • ゲストのノリをちゃんと確認しておく
  • ネタ枠は明らかな「ネタ枠」を用意する
  • 新婦の姉妹をつかわない(手が似ててマジで危ない)
  • 司会はトークの練習をしておく
  • 一緒にやる仲間に危険性をちゃんとシェアしておく

こんなところです。もしやるなら、全員で力を合わせて「必ず」正解に導いてあげてくださいね!

その2:カップリングゲーム

上は新郎新婦に対しての気まずさでしたが、今度はゲストに対しての気まずさです。ゲームの手順はこんな感じ。

  1. くじ引きで女性を一人指名する
  2. さらにくじ引きで男性を3〜5人指名する
  3. 指名された男性は一人ずつ最初に当たった女性に「愛の告白」をする
  4. 女性は男性の中から気に入った人を一人選ぶ

こんな感じです。すごく盛り上がりますが、これも注意をしたいと思います。

冗談が通じない人もいる

カップリングゲームの注意点もちろん、お芝居です。照れくさくて恥ずかしい、顔が真っ赤になるイベントですが、お芝居です。

でもね、世の中にはこういう冗談が通じない人もいるのを忘れてはいけません。特にパートナーがいる人です。既婚でも未婚でも、付き合ってる相手からしたらちょっと許容しづらいものです。

本当に、本当に、本当に大丈夫な人だけを指名する

だから独り身の人を指名しましょう、って話なんですけど。。。隠れて付き合ってる人とかいるじゃないですか。

「その人、本当に独り身ですか?」

これ、もう一度考えてあげてください。

付き合っているのを隠している場合、公に文句も言えないので余計にツラいですよね。きっと後で問題になってしまいます。

ノリの確認って本当に大事

例えばこのゲーム、二次会で行うことが多いです。そうなると多くの場合、司会は友人ですよね。新郎の友人からしたら新婦の友人のノリはわからないですし、新婦の友人からしたら新郎の友人なんてわかりません。

だから例えば下記のケース意外だとハードルが高い状況になると思います。

新郎新婦が仲間内での結婚、つまり、、、

もともと同じサークルの仲間だけが参加してる、とか。

職場恋愛なのでゲスト全員顔見知り、とか。

そういう場合です。

コレ以外の場合はかなり危険を伴うので、気をつけましょう。

すごく盛り上がるイベントですが、やるなら心して決行するようにしてくださいね!

KOBATONE 小林嘉明

素人でもわかる!raw撮影とjpeg撮影はどちらがいいの?

raw現像?

jpeg撮影?

うーん、そもそもなんて読むの?

結婚式の写真業者を探していて、サイトの説明を読むものの、わからない単語ってたまにありますよね。『〇〇撮影だからクオリティが高い』とか言われてもわからんよ、、、ってなっちゃいます。今回は、撮影方法などでよく見かける「raw撮影」や「jpeg撮影」に焦点を当てて説明していきますよ。大丈夫、カメラに詳しくなくてもわかるように解説します!

勘違いだらけの俗説に注意

解説を始める前に

「raw撮影している奴は下手クソ」

「jpeg撮影のほうが上手い」

こんな感じの表現をみたことがあるんじゃないでしょうか。実は、こういう俗説がウェディングカメラマン業界には存在します。でも、これらはある意味で正解の部分もありつつ、ある意味で間違いでもあります。ではなぜ、こんな俗説がささやかれているのかも含めて、両方の視点から掘り下げていくことにしましょう。

raw,jpeg,そもそもなんて読むのかわからない!

今、結婚式の写真のほとんどはデジタルカメラでの撮影です。デジタルカメラはあなたが持っている携帯電話のカメラなどと同じで、カメラの前にある光景を写真のデータにしてくれます。この時のデータのタイプに名前がついていて、下記のような呼び方をします。

raw(ロウ) jpeg(ジェイペグ)

これらはデータの呼び方。種類の名前なんですね。カメラマン業界では日常的に使われます。では、これがどういう意味なのかを解説しますね。

rawを「現像」してjpegになる

あなたが持っているスマホも、プロカメラマンが使っている大きなデジカメも、めちゃくちゃ大雑把に言えばおんなじ作りをしています。あなたには見えませんが、実はスマホのカメラは裏側ですごく頑張っているんですよ。

まず、どんなカメラも、カメラで撮影したデータはrawデータというものになるんです。実はこれ、まだ写真じゃないんですよね。カメラが風景をデータに置き変えたものなんです。人間には意味がわからない、電気信号なんです。だから、これを写真にしてもらわないと僕達人間には意味がわかりませんから、写真にする必要があります。

そして、写真に変換したデータがjpegと呼ばれます。その処理を「現像(げんぞう)」っていうんです。

普段はカメラが「現像」してくれている

カメラが現像してくれるでも、スマホって簡単に写真撮れるじゃないですか?これは、現像の処理を僕達にわからないように勝手にやってくれているんです。

プロ用のカメラもいっしょで、カメラ自身が現像してくれる機能がついてます。

現像を自分でやることもできる

この現像処理を自分でやることもできます。専用のソフトを使ってrawデータを調整するんです。なんでそんなことをするのかというと、カメラにやってもらうよりも細かく設定ができるからなんですよね。つまり、自分好みに仕上げることができます。

パソコンで現像具体的には、明るさを変えたり、色を変えたり、ノイズを減らしたり増やしたりすることができます。

調整できる項目は本当にたくさんあって、組み合わせは無限です。どこまででもこだわることができます。反面、それなりに手間です。

一度jpegにするとrawには戻れない

なんでこんな面倒なことをしてるのか、っていうと理由があります。

一度jpegに現像してしまうと、元に戻せないんですよ。rawには戻せないんです。rawでは調整できたはずの明るさや、色がjpegでは調整できなくなるんです。

現像は料理みたいなもの

料理で例えるなら、火を通して調理してしまうようなもの。

料理する前なら、甘くすることも、辛くすることもできたのに、一度完成してしまったら上から砂糖や七味をかける程度しか変えられませんよね。

生の人参は、料理する前は何にでもできた可能性があるのに、一度浅漬けにしたら、その後から炒め物にはできません。そんな感じ。わかりますかね?僕は料理が好きなので料理で例えます(笑)

現像ってそんな感じです。

raw現像にも限界があります

便利そうな印象があるraw現像ですが、魔法じゃありません。ある程度の限度ってものがあります。明るくするにも、夕方を昼くらいにするのはできますが、深夜を昼にはできません。また、そういう作業を無理やりやるほど画質が汚くなる弱点があります。

写真の画質は「カメラの設定」と「現像」で決まる

例えば明るさは現像だけではなく、カメラの設定でも変わります。つまり、もともとのrawデータが明るく撮影できていれば、明るい写真に現像するのが簡単です。

反対に、カメラの設定が暗い設定だと、rawデータが暗い状態なので、明るくするのは難しくなります。

現像したものは戻せない現像はあとでパソコンを使ってじっくりできる作業ですが、カメラの設定は撮影中にリアルタイムで変えなくてはいけません。撮った時の設定を後で変えることはできません。そのため、カメラマンの経験と勘が問われる部分なんです。

現像にも「上手い」「下手」がある

たくさんの項目がいじれるのが現像なので、人によってやり方が違います。しかも、使っているカメラやレンズにあわせて最適な値も変化するので、非常に慣れが必要な作業です。

慣れていないと、逆に項目数が多すぎて迷ってしまい時間がかかったり、振り回されて色が悪くなったりします。

カメラ内の現像はメーカー秘伝のタレ

でも、カメラが自動でやってくれる現像はとってもよくできてます。正直、下手に現像するよりとってもキレイに仕上がります。なぜかって、カメラメーカーさんが必死に綺麗な写真にするために研究した成果が詰まっているからです。

メーカー秘伝のタレしかも、カメラがやってくれるので時間もかからない。撮影時にカメラの設定さえ間違わなければ、とってもスピーディーに仕事ができるんです。

raw撮影とjpeg撮影の違い

ここまでの話を一旦まとめましょう。

raw撮影

撮影の時はrawデータで撮影して、後でパソコンを使って現像をする撮影のこと。

メリット

限度はあるけど、色や明るさなど、後から微調整ができる。

デメリット

時間と手間がかかる

jpeg撮影

撮影時にカメラが現像してくれるjpegデータをそのまま納品する撮影のこと

メリット

下手に現像するよりもキレイで早い

デメリット

仮に撮影時にカメラの設定が悪いと、ほとんど直せない

俗説検証

「raw撮影してるカメラマンは下手」

「jpeg撮影してるカメラマンが上手い」

結論から言えば、上記2点は間違いです。

確かに、jpeg撮影「だけ」で撮影できる腕があることは、カメラの操作が正確だといえるので上手いことは間違いないでしょう。

カメラマンは職人気質の人が多いです。その「心意気」としては「jpeg撮影で渡せるくらいの緊張感や気概をもって撮影しろよ」というのもあります。実際、新人カメラマンにはそれくらいのことを言って教育することも多いでしょう。

だから、心持ちとしては間違ってないんです。だからそう言ってしまうカメラマンがいても仕方ないんですけど・・・

しかし、結婚式って撮影環境がコロコロ変わりますよね。ケーキカットはスポットライトで明るくなったり、ビデオ上映は電気が消えて暗くなったり、庭に出れば明るいですし、夜景は真っ暗です。そんな撮影で、ちょっと設定間違えたらお客様に渡せないような仕上がりになる方法をわざわざ使う必要があるでしょうか。

「現像はごまかし」という大きな勘違い

俗説の間違いが起こる原因として、カメラマンがraw現像を「下手な撮影をごまかすための手法」と考えていることが挙げられます。確かに、後から調整ができる現像は、ちょっとした設定の間違い等を後から補正できるので、未熟なカメラマンの腕をごまかすことにも使えます。

しかし、それは狭い物の見方です。

素早く撮影するための「攻める」現像

普段は意識しないと思いますが、実は同じ部屋の中でも場所や向きによって明るさって違うんです。カメラマンはそれに合わせてこまめにカメラの設定を変えながら撮影するんです。

新郎新婦

しかし、いい瞬間というのは突然来ることもありますよね。待ってはくれません。例えば新郎新婦が笑ってるところを撮影して、次にゲストの表情撮って、また新郎新婦、みたいな展開を3秒以内に全部撮る・・・なんてときもあります。

こんな時は瞬間を優先します。だって、違うと言ってもちょっとの違いです。ゲストと新郎新婦の明るさ違うからって微調整をシビアにしてると逃してしまう瞬間があるわけです。それなら、許容範囲を見極めてrawで撮影して後で調整した方がたくさんの瞬間を残せますよね。

自分の出したいテイストを追求した「攻める」現像

カメラマンをある程度やっているとメーカーの秘伝のタレに我慢ができなくなります。

料理が上手い人

料理で例えれば、CookDoの麻婆豆腐の素みたいなもんなんですよ。材料揃えて自分で味が决められる料理の腕があるなら、こだわりが出てきてCookDoじゃ満足できなくなるみたいな感じです。

本当に細かく設定ができるので、現像で自分のカラーを出せるような腕があるなら、現像をするようになっていきます。

でもね、raw撮影の方が色が悪いこともある

繰り返しになりますが、現像にはそれなりの経験値が必要になります。そのため、ある程度のレベルにならないとメーカー秘伝のタレに及びません。

結果、raw撮影のほうが色が悪いなんてこともあります。

僕が前に所属していた会社の先輩も「rawは色が汚い」という意見を持っていました。実際、人によってはカメラにおまかせしたほうがマシな結果になります。

これも、俗説の一因になっています。

条件次第ではjpeg撮影もアリ

ここまでの書き方だとraw撮影こそ正義、みたいになってるかもしれませんが、もちろんjpeg撮影だってアリです。現像を自分でしない分手間が少ないですし、お客様にすぐ渡す必要があるような商品であれば便利です。

結婚写真の商品の中には当日にデータを用意しなくてはいけないような商品もあるので、そういった場合には重宝する撮影方法です。

混合して使うケースも多い

両方使うアイデア

2つの方法を両方使う人もいます。

例えば、「基本的にjpeg撮影だけど、撮影条件が複雑で難しい場面はraw撮影する」なんて賢い方法もあります。

メーカーの現像は本当にキレイなので、それがバッチリハマる条件を見極めて使い分ける人もいるわけです。

考え方次第でどちらも利用できるのが一番良い

お客様の要望や、会場の環境によって求められるものは違うので、カメラマンはそれに合わせて色々な設定を行います。なので、本来は「どちらがいい」というようなものではありません

大切なのはそのベースとなる「カメラマンの価値観」であって、そこに特色が出るのではないでしょうか。

長くかきましたが、rawだとかjpegだとかが写真の本質を決定するわけではないのです。ぜひ、カメラマンが何を考えて撮影しているのかにも焦点をあてていろんなサイトを見てみてくださいね!

KOBATONE 小林嘉明