結婚式、だいたいのイメージはあるけど、実際にはどんなことをするのかわからない。そんな状況ではないですか?結婚式という言葉自体はよく聞きますが、実際のところどんな意味があってどんな動きや流れになっているのかわからないですよね。もちろん、これからあなたが挙式するのであれば意味を理解していたほうが有意義に行うことができます。
結婚式には主流な3つのスタイルがあります。実際、ほとんどの結婚式はこの3つのスタイルで行われるのです。今回はその中でも教会式にスポットを当てて解説しますね。
今回お届けする内容はこちら
現在行われている結婚式は大きく以下のスタイルに分類できます。
結婚式場で案内される内容はほとんどこの三つの挙式スタイルになっているはずです。ここで紹介するキリスト教式は、三つの中でも人気のある「結婚式と言えばコレ!」といったイメージのスタイルです。
名前の通り、本来はキリスト教の教会で行います。新郎新婦が夫婦になった誓いをキリスト教の神様に対して誓う儀式です。挙式は神様に誓いを立てるものなので、新郎新婦の行う動作もそれぞれに意味を持ったものになっています。キリスト教の儀式なので「神父」や「牧師」と呼ばれる人が式を執り行ないます。
神父と牧師には大きな違いがあります。
キリスト教には2つの宗派があり、「カトリック」と「プロテスタント」と呼ばれます。「宗派」というのは宗教や神様に対する考え方による流派。要するにジャンルが違うのです。
ものすごくざっくり説明すると、古くからある厳粛なキリスト教がカトリック。そこから分裂した比較的自由な価値観をもつキリスト教がプロテスタント。実はプロテスタントというのもざっくりした呼び方で、さらにその中にはたくさんの細かい宗派があります。宗派によって呼び方が違うのです。神父はカトリック、牧師はプロテスタントの呼び方です。
神父になるには厳しいルールや階級制度があるので、選ばれた人しかなることが出来ません。それに比べ、牧師になる方法はたくさんあります。プロテスタントのルールが自由なためですね。そのため、結婚式場にいる司式者はほとんどがプロテスタントの牧師です。
*以下では「司式者」というとわかりにくいので、「牧師」でまとめますね。
できます。ただし、きちんとした教会での挙式は条件があります。
結婚式における「チャペル」には、2つのものがあります。結婚式場に設置されている「結婚式専用のチャペル」と歴史のある「本物のチャペル」です。結婚式専用のチャペルとは、ぶっちゃけた言い方をすれば、結婚式場が作った「チャペル風な建物」です。普段は礼拝もしていませんし、教会として使われることはありません。それに対して、本物のチャペルは普段から礼拝や祈りに使われている由緒ある教会のことです。
結婚式場で挙式をするなら、お金さえ払うことができれば誰でも挙式が可能です。本物のチャペルで挙式をするなら、その教会の定めたルールに従ってください。例えば、新郎親族のどちらかが信者でなくてはならない場合や、挙式前にある程度教会に通う必要があったりします。本来、神様に誓う儀式なのでとても神聖なものです。その宗派の教えに共感して、信じて、信者になって行うのが自然なのです。
ただ、必ず信者でなくてはいけないか、といえばそうでもありません。プロテスタントはそれぞれに考え方があるので、信者以外でも受け入れてくれる場合があります。傾向として、よく結婚式を行っている教会は信者でなくても挙式ができる可能性が高いです。結婚式の写真がSNS等に載っていないか、調べてみてから行ってみるのもいい方法でしょう。
実際にどんな流れで挙式をするのか見てみましょう。基本の形は儀式なので決まっています。教会や牧師さんによってちょっとずつバリエーションがありますが、基本は変わりません。以下の順番が定番です。
最初から5番目まではそれぞれの人が中に入ってくる部分です。ハイライトはもちろん新婦とお父さんが一緒に歩く場面。チャペル中央の通路は「バージンロード」と呼ばれ、結婚式の際には特別に扱われます。バージンロードの上を新婦さんとお父さんは一緒に歩くのです。
バージンロードは花嫁の今までの人生を表していると言われます。チャペルの扉が誕生の瞬間。お父さんに付き添われ、守られながら、今までの人生を一歩ずつ歩み、新郎の待つバージンロードの先端、今日の結婚式へと進むのです。そして、今日からは新郎さんが新婦さんを守ることになります。お父さんから新郎さんへ花嫁さんをバトンタッチして、入場の儀式としています。
(すごいいい儀式ですよね!書きながら僕も改めて感動しました!)
ちなみに、「バージンロード」という名称は和製英語です。海外では「ウェディングロード」「ウェディングアイル」等と呼ばれるそうです。「花嫁の為の道」、という意味です。
5の賛美歌、6のお説教は、キリスト教の儀式の部分です。
賛美歌は「聖歌隊」と呼ばれる音楽を担当する人たちを中心に、ゲストも一緒に歌うのが一般的です。キリスト教の曲なので、正直なところゲストは曲を知りません。そのため歌えないことが多いです。でも、気にしなくて大丈夫です。そのために聖歌隊がいるのですから。
牧師さんのお説教は、結婚に関する内容を聖書から引用してお話をしてくれる事が多いです。牧師さんによって違います。
お説教とは、宗教的な内容を人々に話すことを言います。普段私達が使う「お説教」はそこから転じた言葉です。「おこる」ようなニュアンスがある言葉ですが、本来の言葉にはそんな意味はありません。「為になる話」くらいの感じですね。叱られるわけじゃないので安心してください(笑)
結婚式でいちばん大切な場面です。なぜなら、神様に対して二人の愛を誓う儀式だからです。新郎新婦一人ずつに牧師さんから質問があり、最後に「愛を誓いますか?」と訊かれます。「はい、誓います!」とそれぞれ答えましょう。
誓いの印として、結婚指輪をお互いの薬指にはめます。一つずつ順番にやります。まず、新郎から新婦へ相手の指輪をはめてあげます。それが終わったら、新婦から新郎へと指輪をはめます。
新郎さんが新婦さんのベールを上げます。ベールには、悪魔や悪いものから新婦さんを守る効果があると言われ、親が新婦さんを守る象徴としてあります。今日から新婦さんは新郎さんに守ってもらうので、新郎さんがベールを外す(上げる)のです。
こういった意味があるため、新婦さんのお母さんにベールを下ろしてもらう「ベールダウン」という儀式もあります(後述します)
結婚を証明する結婚証明書へサインをします。新郎新婦と、牧師さんが書きます。結婚の証人を立てる場合もあり、その場合にはゲストから代表して署名をもらいます。親が書くことが多いですが、新郎新婦が予め人を指定することもできたりします。二人の出会いのきっかけになったキューピッド的な人を指名することも多いです。
牧師さんが、新郎新婦が夫婦になったことをゲストに宣言します。聞き届けたゲストは拍手で承認を表します。
その流れで改めて、賛美歌を歌います。
みんなに見送られながら、門出を祝ってもらいます。拍手やフラワーシャワーをすることが多いですね。入場時と違い、新郎新婦は一緒に歩きます。
基本はわかっていただけましたか?上記以外にも、追加でイベントが増えたり、逆に減るものがあったりします。ここでは、実際にあるバリエーションを少し紹介したいと思います。紹介するのは一例で、場所によってかなり自由だったりします。一例として考えてもらえるといいと思います。
ベールダウンとは、新婦のお母さんにベールを下ろしてもらう儀式です。タイミングは入場前です。バージンロードにこれから出る(つまりこれから生まれる)新婦に対して「悪魔から身を守る」為にお母さんにベールをかけてもらいます。
賛美歌がないこともあります。牧師さんや教会のルールによるためです。他にもお祈りがあったりして、少しずつ内容が違うのです。宗派による、考え方による部分なので、牧師さんにおまかせしてください。
上記の順番と逆になることがあります。意味は変わりません。
マリアベールというタイプのベールは前部分がありません。ちょうどベールアップする部分がないためベールダウンもベールアップもしません。
ゲストに対して、指輪や結婚証明書の披露があることもあります。
指輪の場合は新郎新婦が結婚指輪をはめ終わった手をみんなに見せます。ちょうど芸能人の結婚記者会見みたいな感じですね。
結婚証明書の場合は、牧師さんがゲストに対して証明書を見せます。高くかざして見せる感じです。もちろん、サインが終わった後に行います。
結婚式に参加する子供たちにやってもらうイベントもあります。花嫁のベールを持って歩く「ベールガール」、バージンロードに花びらを撒く「フラワーガール」、新郎新婦の指輪を運んでくれる「リングボーイ」などなど、いろんな種類の参加方法があります。
男女逆でもありです。稀にですが、大人がやることもあります。新郎新婦をくっつけた友人とか、縁のある人がやることもあります。
欧米ではよく見られるそうですが、日本では最近ちょっとずつ増えてきました。新婦の友人が新婦のまわりの世話をしたりするブライズメイドと呼ばれる役割になったり、新郎の友人が同じくアッシャーと呼ばれる役割をしたりします。しかし、欧米と日本は結婚式のスタイルが違うので、すこし欧米と意味や立ち位置が違います。例えば新婦の身の回りの世話は、アテンドや介添(かいぞえ)とよばれるスタッフが行うことが多いですし、新郎も同様です。ブライズメイドやアッシャーはそれぞれみんな同じ服で揃えて参加するので、日本では「おしゃれに友人の結婚式を祝う」側面が強いと思います。
欧米では、結婚式には「結婚を妬んだ悪魔が来る」と言われていたそうで、新郎新婦と同じ背丈の若者に新郎新婦と同じ格好をさせて、悪魔を混乱させるために行っていた文化のようです。
いかがでしたか?結婚式には素敵な意味がたくさんありますね。
ぜひ意味を理解して、それぞれにあった役割で挙式を考えてみてくださいね!最後に、イベントごとの役割をインフォグラフィックスにしてまとめました。
では、素敵な結婚式を!
KOBATONE 小林嘉明
This website uses cookies.