披露宴、もちろん、良いものにしたいですよね?
でも、よほど結婚式に列席した経験が多くない限り、「披露宴で何をしたらいいか」なんてわからないですよね。内容を決めるにも困ってしまいます。実際、わからないからプランナーさんに全部投げてしまっているケースも多いと聞きます。それも楽だし、相手は専門家です。それでもいいでしょう。しかし、これは自分たちの披露宴です。自分たちの気持ちに沿った内容にしたいという部分もあるはず。基本はプランナーさんにお願いしつつも、自分でできる部分は考えていけるといいものです。今回は、プランナーさんと相談するときにも、そもそも結婚式場を探している段階でもヒントになる「披露宴の流れを決めるコツ」を紹介しますよ。
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披露宴の内容を決める7つのコツ
- 人と違うことをする必要はない
- テンプレートを知る
- 変えられる部分を知る
- 会場に由来する部分
- 時間に由来する部分
- やらない、という選択肢
- 時間の限界
上記が僕の考える7つのコツです。僕は結婚式の写真屋さんです。この仕事をしていると、毎週2件は披露宴を見ます。もちろん、いろんな構成の披露宴を見てきました。オリジナリティの高いイベントや、ウケのいい内容、それはもう「たくさん」です。今回紹介する7つのコツは今まで見たいろいろな披露宴を通して感じたことをまとめたものです。役立てていただけると幸いです。
早速見ていきましょう。
披露宴のコツ1「人と違うことをする必要はない」
結婚式の定番
披露宴には定番の形があります。最も手早く、充実した内容を決めるには、定番をベースにするのがおすすめです。「定番」は、定番になるだけの理由があります。過去にいろいろな人たちが結婚式をしてきて、「これはやったほうがいいな」「やらないほうがいいな」を繰り返してきて完成した形だからです。
例えばケーキカット。昔と形は変わっていますが、今でも定番のイベントです。意味や由来は諸説あって、有名なものでは「夫婦がする最初の共同作業」「ギリシャ神話で愛を誓った男女がパンを分けて食べた話に由来する説」「アメリカでケーキを新婦母が焼いて、新婦が切って配る風習に由来する説」があります。でも、僕が思うに、ケーキカットが定番化した一番の理由は「結婚式らしいから」だと思います。「結婚式をした実感」が得られることが大切なんだと思います。
なぜ結婚式をするのか?
結婚式って、気持ちに区切りをつけるためにするものだと思うんです。だって、結婚式しなくても結婚はできるじゃないですか。婚姻届を書いて、役所に出せばいいだけです。入学式や卒業式と一緒です。カリキュラムが終わっているなら、卒業式を欠席しても卒業は出来ますよね?じゃあ、「なんで結婚式するのか?」「なんで卒業式するのか?」って考えてみたら、それは「気持ちに区切りが付けられるから」だと思うんです。
だから、「結婚式らしさを感じられるから」でイベントを選んでも全然おかしくない。
そう思いませんか?
先入観を捨てよう
変わったことをしないといけない、ぼんやりと、そんなふうに思っていませんか?「あなたらしい」「ふたりらしい」「二人だけの」「個性的」「こんな結婚式見たことない」・・・こんな感じの、独自性を強調した広告が婚礼業界には多いです。別にわるいことではありませんが、ちょっと考えてみてほしいんです。確かに、二人だけの内容を取り入れることができれば、それはいいことかもしれません。でも、本当にそうでしょうか?
僕は「人と違うこと」=「良い披露宴」という方程式は少しズレているように感じます。
「自分たちがやりたかった内容を突き詰めたらオリジナルなものになった」ならそれは素晴らしいと思います。しかし、ひたすらに奇抜さを求めるような姿勢はあまりおすすめしません。オリジナリティを出すことに集中しすぎて大切なことが抜けてしまう事があるからです。結婚式は時間も限られています。もっと大切なことに目を向けたほうが効果的です。例えば、ゲストに対してのおもてなしや、身の回りの人たちへの結婚の報告や誓いの方が大切ではないですか?それに、あなたとパートナーの結婚式です。それだけでオリジナルなもののはずです。この際、変わったことをしなくちゃいけない、という考えは捨ててしまいましょう。
披露宴のコツ2「テンプレートを知る」
披露宴の演出は、たくさんの新郎新婦が過去に挙げた披露宴の中で磨かれたものです。ウケない演出は淘汰されて、行われなくなります。反対に定番化するものは良いものが残ります。早速見てみましょう。
- 入場
- ウェルカムスピーチ
- 主賓挨拶
乾杯挨拶- 歓談
- ケーキカット
- 新婦中座
- 新郎中座
- プロフィール映像
- 再入場
- イベント
- 新婦の手紙
- 記念品贈呈
- 謝辞
- 退場
上記が定番中の定番の内容です。羅列されるとわかりにくいですが、グループに分けることが出来ます。
上記の感じで大きく部分に分けることができます。かたまりで捉えるとわかりやすいかと思います。これをベースにアレンジしていくことになります。
披露宴のコツ3「変えられる部分を知る」
イベントは一番自由
イベントはまるごと変更が出来ます。ケーキカットしてもいいですし、テーブルラウンドしてもいいです。余興でもいいでしょう。時間さえ守れば一番自由度が高い部分と言えます。
アイテムや方法で独自性を出す
イベント以外の部分は、流れがほとんど決まっています。洗練されていると言ってもいいでしょう。入場や退場、そして挨拶ですから、ほとんどの新郎新婦がもれなく行う内容です。披露宴という2時間半の限られた時間内に、必要なものが無駄なく収まっているイメージです。しかし、何も手が加えられないかと言えばそうではありません。小物を使ったり、やり方工夫してアレンジすることができます。例えば、入場で二人の作ったオープニング映像を流してから入場してもいいですし、イベントに合わせて歓談のタイミングを変えたり、歓談中の着席スタイルを変更して新郎新婦がゲストの方に出向くスタイルにしたって良いのです。流れは確かに定番ではありますが、自分たちの色を反映することで独自性が演出出来ます。
披露宴のコツ4「会場に由来する部分」
会場によってできる内容と出来ない内容があります。例えば、ガラス張りの披露宴会場で、外から直接入場できるような構造の会場であれば、庭などの外から新郎新婦が入場する方法がよく取られます。ゲストは屋内の席から新郎新婦が見えるようになっているため、意外な入場に驚いてくれる訳ですね。しかしこの入場、夜には出来ないケースもあります。屋外に照明設備がない場合があるためです。真っ暗で何も見えなくなってしまいますからね。
他にも、階段を利用して入場したり、大きな扉を利用して入場する方法等、会場の特色を活かして入場するような場合があります。これらはもちろん会場の形や設備によりますから、はっきりした要望がすでにある場合は気をつけて会場を選ぶ必要があります。入退場の方法は、会場の定番になっていることも多いので、プランナーさんに確認してみるといいでしょう。
披露宴のコツ5「時間に由来する部分」
4つ目のコツとも少し重なりますが、披露宴の内容は時間にも影響されます。一般的な披露宴会場では昼の挙式と夜の挙式が選べます。そのどちらかを選ぶかによってできる内容が変わることがあります。例えば、夕日が素敵な会場で披露宴がしたいなら、披露宴の時間が夕焼けの時間になるように選ぶ必要があります。イルミネーションを生かしたいなら夜にする必要がありますし、キャンドルを使ったイベントもそうです。同じ会場でも披露宴を開催する時間によって雰囲気は全く異なりますから、開催する時間も重要なポイントになります。憧れている絵柄があるなら、忘れないようにしましょう。
披露宴のコツ6「やらない、という選択肢」
ときには「やらない」、ということも大切になります。テンプレに書いてあることすべてをやる必要はありません。実際に、手紙を読まない新婦もいますし、お色直ししない場合もあります。イベントをやらない洗濯をすれば、それだけ歓談などにまわせるので、どれをカットするのか、という視点で見てみるのも大切です。
披露宴のコツ7「時間の限界」
どんなにやりたいことが詰まっていても、制限時間はあります。おおむね、披露宴は2時間半なので、詰め込んでもそれよりも長い演出はできません。延長料などを支払えば、長く行える場合もありますが、基本的には制限された枠の中で行います。やりたい内容はたくさんあると思いますが、何を優先するのかしっかり自分たちの価値観と照らし合わせて決めることが大切になります。
まとめの実践ワーク:テンプレを元に考えてみよう
いかがでしょう?なんとなく全体像はつかんでいただけましたか?もちろん具体的な話は実際にプランナーさんと話し合いながら决めていくことになりますが、披露宴の骨格が理解いただけたらよいかと思います。最後にまとめとして以下の質問に答える形で考えてみてくださいね。きっとヒントに繋がるはずです。
- 披露宴で大切にしたいことはなんですか?
- ケーキカットなどの定番イベントをしたいですか?
- お色直しはしますか?
- 会場ならではのイベントで憧れはありますか?
- 夕方や夜でないとできないイベントはありますか?
- 余興やテーブルラウンド等でやりたい内容はありますか?
- 新婦の手紙は読みたいですか?
- 今挙げた中でカットしてもいい内容はありますか?
- (困ったら1に戻ってよく考えましょう)
他にもいろいろなことを考えなくてはいけないですが、披露宴を考える時の土台にしていただければ幸いです。
それでは、良い披露宴を!
KOBATONE 小林嘉明