「カット数」と聞いてピンときますか?実際のところ「写真の枚数かな?」くらいの認識ではないでしょうか。ですが、この「カット数」実はものすごく大切な数字なのです。コレを知らないと、思ったような写真が撮ってもらえない可能性があります。どういうことなのか早速説明しますね。
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カット数とは、結婚写真プランに設定されている写真の枚数のこと
まず、カット数について説明しておきますね。カット数とは、写真プランに含まれる要素の1つで「写真の枚数」を表す数字です。「200枚プラン」や「500枚プラン」といった表記になります。プランには多くの場合以下の要素が含まれています。
- カット数
- アルバムの種類
- 撮影カメラマンの人数
- 納品するメディアの種類(DVDとか)
- オプション商品
結婚式の撮影で「いい枚数」って何枚くらいなの?
これはよくある質問です。実際、プランには「200枚」と書いてあるだけなので、内訳がわかりませんよね。しかし、適度な枚数を断言するのは非常に難しいのです。なぜなら、撮影者の考え方やクセに依存するからです。カメラマンにもいろんなタイプの人がいるので「たくさん撮る人」「最低限に抑える人」がいます。そういう撮り方のスタイルの違いで多くもなりますし少なくもなるのです。ここで注意したいのが「多ければいい」というわけではないということ。
写真が「多ければいい」事にならない理由
理由はいくつかあります。例えば下記。
- 多すぎる枚数はみづらい
- 多すぎる場合、クオリティが下がる
- ただ連写しているような場合、カメラマンがあまり上手くない
多すぎるとみづらい
これはあなたの側の問題。最近のカメラの画質はとっても良いので、一枚一枚のデータが重いです。そのため、パソコンでも表示が遅くなったりしてみづらい現象が起きます。さらに、たくさんある写真の内訳が「同じような写真がたくさん」だとテンポよく見られないので見ていて退屈になるのです。体感的に良くない内容に感じてしまうということ。
多すぎる場合にクオリティが下がる
こちらはカメラマン側の問題です。たくさん撮影してしまうと、そのあとの処理がたくさんになります。その後の処理というのは「セレクト」や「現像」「仕上げ」等と呼ばれる作業のことです。詳しくは別記事でまとめるので、ここでは割愛しますね。とにかく時間と手間のかかる作業です。カメラマンも仕事でやっているので料金に見合う時間内に仕上げないと損になってしまいますから、ある程度の時間で仕上げられるクオリティには限界があります。(早くて綺麗な人ももちろんいますけどね)。あまりに桁外れに多い枚数の場合、その処理を手抜きする必要が出てきたりするのです。
ただ連写しているのが原因で枚数が多い場合
一部の例外はあるかもしれませんが、基本的に考えなしに連写している人は下手です。実際、僕が昔ある式場で一緒に入ったことのあるカメラマンさんがずーっと連写してましたが、絶対に撮れない場所に立っていたので写真を見るまでもなく撮れていません。そんな人もいるのです。いらない写真をたくさんもらっても困りますから、これは一番イヤなケースですね。
適正枚数はお願いする会社に確認するのが一番
そんなわけで、「普通に撮影した時に何枚になるか」という内容は会社によって違います。なので、あなたが依頼する会社さんに確認するのがいいでしょう。気をつけたいのが、別の会社と比較する時です。A社よりもB社が枚数が多いからといって、内容がいいとは限らないのです。詳しくは考えを知る必要がありますので、ここからはそれを解説していきますね。
カット数は何を基準に決めているの?
枚数の基準は色々なパターンがあります。主だったところでは以下の3つでしょうか。
- 経験則
- アルバムに使用する枚数
- 他プランとの差別化
カット数が多い=プラスアルファがある
カメラマンが撮影する内容は「マストで撮影する内容」と「撮っても撮らなくてもいい内容」の二つがあります。マストで撮影する内容も写真屋さんごとに異なるのでいい切ることはできませんが、多くの会社はこの2種類の写真があると思って差し支えありません。つまり、カット数が多いということは「撮っても撮らなくてもいい内容」の分が上乗せされるということになります。
実際にはマストな内容のバリエーションを増やしたりする方法もあったりしますが、複雑になるので割愛します。ご容赦を。
撮る?撮らない?カメラマンの自由
カメラマンも人間なので、いろんな人がいます。たくさん撮影してあげるのを良しとする人、狙いすまして最低限のいいカットを渡すのがいいと思う人、個性的なキャラを売りにする人、いろいろです。撮影内容は商品として規定されている内容を守りさえすれば、それ以外の部分は個人の自由です。つまり個性がモロに写真に出るということです。そして、それが販売内容として「カット数を謳うしかない」理由でもあります。
撮影内容において「撮っても撮らなくてもいい内容」場面は、結婚式で使用された小物や、ゲストや新郎新婦が自然に話している場面、ふとした瞬間の出来事、表情などが該当します。要するに「イベント」にカウントされないものは撮影しなくてもいい瞬間と言えます。でも、そういうシーンって撮影して欲しいですよね?そんな時にカメラマンの行動を分けるのは、カメラマン自身の考え方や個性です。「できればたくさん残してあげよう」と思っていればカメラを構えますし、撮影場所まで足を動かして撮影します。でももし、「面倒だな」と思っていれば撮らない選択になります。
プランの見えない仕組み
結婚式のプランには色濃く写真屋さんの考えが反映されています。カメラマン自身の個性もありますが、その土台になっているルールを决めているのはプランの内容なのです。僕個人の意見ですが、どうも納得の行かないルールもあるのです。それが「枚数上限」です。
結婚写真プランの「枚数上限」とは
プラン枚数とは別に、納品枚数という言葉があります。納品枚数とは「最終的に納品される枚数」です。あなたの手元に届けられる写真の枚数のことです。一般的に、「写真200枚納品」とパンフレットにプラン枚数があった場合、「200枚を最低保証枚数として、それ以上渡します」という意味です。つまり、プラン枚数は最低限を保証するもので上限の設定はありません。渡す枚数は300枚になっても、500枚になっても、1000枚になっても構わないということです。
ところで、結婚式の内容は新郎新婦によって違うので、もちろん撮影内容も変わるものです。つまり、写真業者は一定した内容で枚数を保証することが難しいんですね。しかし、ある程度の目安がないと買う側は不安です。そのため、写真業者は「最低枚数」を保証するシステムになっているのです。まあ、ここまではだいたいの方が納得できると思います。
しかし、これに上限を設定するルールがあるのです。それが「上限枚数」です。
良い写真まで捨てられているかもしれません
上限枚数は「〇〇枚を超えてはいけない」というルールです。不思議な話ですよね。その理屈はこうです。
低額プランと高額プランがあると仮定して説明しましょう。 プラン内容では下記の記載があります。
- 低額プラン(200枚納品)
- 高額プラン(300枚納品)
低額プランの撮影を行って、仮に500枚も良い写真が撮れてしまったとしましょう。そうすると高額プランの枚数を超えてしまいますね。つまり、「安いほうが高い方を超えてしまう」・・・はい、これが理由なんです。安い商品を買った人の内容が、高い商品を買った人の内容よりも多くなってしまう。「だから禁止する」というのです。実際、枚数上限を設定している会社のほとんどがこの理由をあげます。(表向きにははぐらかすかもしれませんが)
この「枚数上限」が設定されている場合、超えた分の枚数はどうなるのか?答えは「消されてしまいます」。たとえとても良く撮影できていようと、削除されてしまうのです。あなたの手元に届くことはありません。撮れていたのに良い写真をもらえないってちょっと嫌ですよね?僕はそう思います。さっきもお伝えしたとおり、結婚式の内容なんて人によって違いますし、ゲストの人数も、こだわりポイントも違います。枚数を一定させることなんてできないんです。そして、この枚数上限最大の疑問点は、「いったいどうやってお客様が別の新郎新婦の写真枚数を知るのか?」ということ。この理屈はちょっとおかしいと僕は思うのです。あなたは、どうですか?
「枚数上限」はプラン内容に記載がない場合もありますから、もし機会があれば確認してみるといいでしょう。考えの一端が垣間見えるかもしれません。
まとめ:プラン枚数の注意点
プラン枚数とは
- 多くの場合、最低保証枚数のこと
- 標準的な枚数は会社によって違う
- 上限枚数がある場合は注意
ということでした。
ぜひ、プランを見比べる時の参考にしてみてくださいね。
KOBATONE 小林嘉明