結婚指輪はペアじゃないと変?一人だけでつけるのはダメ?実例を交えて紹介

二人が違う指輪をするのは変でしょうか?

一人だけがつけるのはダメでしょうか?

お互いの好みが違う。アクセサリーに対する生活習慣が違う。そんなことから結婚指輪の購入を悩んでいませんか?僕自身、結婚式のカメラマンをしながら自分自身も結婚指輪を探している状況です。仕事柄たくさんの実例(指輪)を見ていますが、最近は実にいろいろなスタイルのカップルがいます。そこで、今回は僕が実際に撮影した方々の例を交えつつ紹介しますね。

指輪屋さんはそう言うけれど・・・

結婚指輪のお店

結婚指輪購入のため、指輪屋さんに行くと「自由に組み合わせ出来ますよ」「違うシリーズでも大丈夫!」なんて言われますが、実際どうなんでしょう?もしかしたら、そんな疑問をもっていませんか?人によっては、「売り込みのセールストークなんじゃないの?」なんて思っているかもしれませんね。

実際、僕も指輪屋さんに行った時に同様のことを言われました。おそらくは、二人の好みが違ったり、職業柄着けられないケースがどうしてもあるための案内だと思います。まだ僕たちは指輪を作る段階に至っていないのですが、僕も奥さんも指輪に制限があるような職業ではありません。しいて言えば僕が撮影等で重い機材を持ったりするので、歪ませたり、周りのものにぶつけたりする可能性がありそう。というくらいでしょうか。

ぶっちゃけ、結婚指輪は一つだけでも大丈夫!

最近、撮影したお客様に多いのが、新郎新婦の片方だけが結婚指輪をつけるケースです。多い、というと語弊があるかもしれませんが、割合が増えたのは間違いありません。少なくとも、10年前、僕がカメラマンになりたての頃はほとんどいませんでした。しかし、最近は結婚指輪が一つだけ、というのはそこまで珍しいことではなくなっているように思います。

結婚指輪の撮影もします

僕自身が撮影する時は、撮影の一環としてアイテム撮影もします。指輪ももちろん撮影します。その時は新郎新婦さんに「指輪ありますか?よければアイテム撮影させてください」とお願いするんですが、「実は一つだけなんですよねー・・・」とちょっと不安そうに答える方が多いように感じます。やはり、周りと違うスタイルなので少し気を遣っていただいているようです。しかし、実際のところ写真的にそれで困ることはほとんどありません。いいじゃないですか。1つでも。むしろ、ちゃんと二人の「あり方」を相談して决めている感じがして、僕としては好感が持てるくらいです。

もちろん、結婚指輪のデザインが違ったってOK

そんな感じなので、デザインが違うくらいで気にする必要なんてありません。むしろ、二人らしさを追求したらどうでしょう?気に入ったものが同じブランドになければ別のブランドだっていいと思いますよ。実際、婚約指輪と結婚指輪でブランド変える人もいるので、結婚指輪同士でブランドが違っていても問題にはなりません。たとえば、婚約指輪を新郎から新婦へプレゼントしたので、結婚指輪はそのお返しとして、新郎にだけ渡す。なんてケースも見ました。婚約指輪と結婚指輪がひとつずつでペアとなっているわけですね。

憧れも大切でも、お互いの気持ちがもっと大切

結婚指輪がペアじゃないといけない、と思っているのは、僕達がドラマとかで見たものに影響されて憧れているだけです。もちろん、その憧れだって素敵なことです。でも、相手が違うことを望んでいたらどうでしょうか?僕は、自分のあこがれを押し付けてしまうのは、お互いに良くない結果を招いてしまう可能性があると考えます。。

結婚指輪を送る意味は人それぞれです。一般的には「円形のリングは終わりがない形なので、永遠の愛を誓うため、ハートに最も近いと言われている左手の薬指に贈り合う」なんてことを結婚式では言います。が、そんなのは慣例でしかありません。二人の愛なんだから好きに誓ったらいい。と僕は思っています。

実例1:おもちゃの指輪とお菓子の指輪

おもちゃの指輪

実際、おもちゃの指輪でプロポーズしたカップルも撮影しました。食玩とかガチャガチャで出るようなやつです。でも、二人は思い入れがあるので、とっても素敵にその時のエピソードを撮影中に僕へ話してくれましたよ。他にも、撮影中にお菓子の指輪を婚約指輪に見立ててプレゼントしたカップルもいます。あの、ダイヤ部分が5センチくらいあるキャンディのやつです。超素敵カップルだったので、今でも鮮明に覚えているくらいです。

実例2:指輪と腕時計

指輪とペアになるのは、なにも指輪だけではありません。他のものでも大丈夫なんです。一番多い事例があるとしたら、それは「腕時計」でしょう。指輪が身につけにくい職業の場合や、指輪に抵抗がある方でも、腕時計なら大丈夫。そういうケースだってあります。結婚指輪はやっぱり「ペア性」が大切と考えていても、職業などが障壁になってしまうこともありますよね。でも、腕時計であればさほど問題になりません。実際、かなり多くの方がこの形式を取っています。

たとえば

新婦:結婚指輪

新郎:腕時計

という組み合わせもありますし、結婚指輪はおそろいで持っていて、新婦さんが婚約指輪のお返しとして腕時計を新郎さんに贈る、というケースもあります。

二人にとって意味があれば問題ありません

極端な話、指輪はなくてもいいんですよ。実際に「指輪はありません」っていうカップルもいます。全然問題ありません。・・・そうでしょ?二人が良ければそれでいいんです。でも、「指輪を贈りたいな」「指輪がほしいな」そう考える場合は、指輪があると気持ちが違いますよね?だから贈り合うわけだし、二人の気持ちがそこには土台として存在する必要があるわけです。指輪が先ではありません。気持ちがあって、指輪があるんです。だから、自分達で意味を指輪に与えられるなら、それでなーんにも問題ないんですよ。

自由にパートナーと話して指輪を探してみてください。応援しています。

KOBATONE 小林嘉明

写真データの納期とは?どれくらいがベスト?実例を交えて結婚写真のプロが解説

写真は早く欲しいですよね?

納期。つまり、撮影からどれくらいで写真がもらえるかは写真屋さんによって違います。でも考えてみてください。今は撮影がデジカメなので、撮影したその場でデータが出来ているはずですから、なんだか不思議ではないですか?いったい、納期の間というのは写真屋さんは何をしているのでしょうか。納期が長い業者と短い業者は何が違うのでしょうか?今日はそんな疑問を解消していこうと思います。

そもそも、データとは?納期とは?

結婚写真において、「データ」といったら写真のデータのことを言います。昔は写真がフィルム撮影だったので、写真の納品はプリントと呼ばれるもので行われていました。プリントというのは、街の写真屋さんで出してもらえるちょっと分厚い紙に印刷された写真のこと。ちょっとテカテカしたあれです。ほんの10年くらい前までは、プリントされた写真を納品しているのが普通でした。しかし、今はデジカメでの撮影がほとんどです。昔の「フィルム撮影プリント納品」と区別するために、「データ」と呼ぶようになったんです。

ちなみに、プリントと印刷は厳密に言えば別物です。プリントは薬品を仕込んでおいた紙に化学反応を利用して発色させる技術で、印刷は紙の上に色を乗せる技術です。あまり一般にこの言葉の違いが浸透していないので、プリントと印刷は区別されて使われることが少ないですが、写真屋さんが説明で「プリント」と言ってきたらこのプリント技術を指している場合が多いのは知っておきましょう。

納期とは、そのまんまですが「撮影してからあなたの手元にデータが来るまでの期間」を指します。結婚写真の商品には大きく分けると「データ」と「アルバム」がありますが、基本的にアルバムの方が納期が長くなります。そのため、区別をするために「データ納期」「アルバム納期」なんていい方をするケースもあるんです。

写真のデータについては”結婚写真のデータとは?素朴な疑問を解決”も参考にしてみてください。

納期の標準期間は3週間

写真の納期は三週間

あくまで、僕が見た範囲ですが、データ納期の一般的な期間は3週間くらいが業界標準だと思います。アルバムと同時に納品される場合にはもっと延びたりします。なぜなら、アルバムは納品データを元に作成されるので、アルバムを作るためには納品データが出来上がっていないといけないのです。

注:僕が今までに働いたことのある写真業者5つと、業界の知り合いなどから聞いた話を元に3週間と言っています。だいたいの業者が3週間なんですよね。中には違うところもあるので過信しないようにしてくださいね。

写真屋さんは3週間の間に何をしているか?

では、写真屋さんは3週間の間に何をしているのでしょうか。ざっくり言うと下記の工程を行っています。

  • 撮影したデータのバックアップ
  • 撮影したデータをセレクトする
  • セレクトしたデータを現像する
  • 現像したデータを修正する
  • 一旦データ完成
  • 完成データの検品
  • DVD焼き
  • DVDの検品
  • 発送準備
  • 発送
結構たくさんの処理を行っているんですよね。もちろん、これらも会社によって異なります。例えばチェックがそれぞれ二回ある会社もありますし、具体的なチェック方法や内容も違います。バックアップ方法も違ったりします。そして、最も違うのが下線を引いた部分。セレクトや現像、そして修正です。会社の考え方が最も出る部分でもあるのでそれこそ100の会社があったら100通りのやり方があります。
セレクトや現像については”素人でもわかる!raw撮影とjpeg撮影はどちらがいいの?”も参照してみてください。
ちなみに、チェックがたくさんあるのは、組織で運営しているからです。必ず作業上で人的なミスは起きるので、たくさんの件数を扱う会社であるほど、防止策としてチェックがたくさんされるようになっていきます。

忘れがちですが、他の仕事だってあるんです

なお、上に書いていませんが「他の撮影をしている」というのも1つの要素です。写真屋さんはあなたの撮影だけをしているわけではありません。他のお客様もいるわけで、打ち合わせがあったり撮影があったりして時間を拘束されてしまうのです。他にも事務仕事があったり、アルバムを作ったりもあるでしょう。写真屋さんはそれ以外の時間をやりくりして上記の作業を行います。マンパワーには限界がありますから、繁忙期になると納期が長めになる写真屋さんもあります。

3週間という期間は市場競争から生まれた

色々な要素が絡み合う中、写真屋さんは各社競争しているわけです。その結果、「なるべく早く」「なるべく問題なく」「なるべく良いクオリティ」で納品できる期間を探っていった結果、だいたい各社3週間に落ち着いているのです。

データ納期の短さは「ウリ」になる

データ納品までの短さをウリにしている写真屋さんもあります。確かに、結婚式が終わったら気持ちが高まっているうちに写真は見たいですもんね。早いところでは即日や、中一日なんてところもあるくらいです。三週間の写真屋さんが多い中でコレはかなり短いですよね。すぐにインスタに上げたい、すぐに友達に共有したい、なんて場合には嬉しいサービスではないでしょうか。ただ、他の所が3週間かけているものをそれだけ短く行える場合、もちろん理由があります。少し説明しましょう。

セレクトや現像をしなければ、納期は短くなる

内容をカットすれば納期は早くなる

一番簡単なものが、これです。一番時間がかかるのがセレクトと現像なので、コレをしないで済めばかなり時間が短縮できます。上記にリンクを張った”素人でもわかる!raw撮影とjpeg撮影はどちらがいいの?”でも触れていますが、カメラにはカメラ内で現像する機能がついています。つまり、それなりにきれいな状態の写真をカメラが作ってくれるのです。なので、カメラが現像したデータを納品すれば自分で現像しなくて済むので納期はかなり短縮することが可能です。また、「全カット納品」と謳っている場合もこれが目的のケースが多いです。セレクトをしないで済むので、これも時間を短縮する方法なのです。

セレクトとは、撮影したすべての写真から納品する写真を選ぶ行為のことを指します。全部の写真を確認していかないといけないため、非常に時間がかかります。

納期短縮はデメリットもあるので、踏まえて注文しよう

時間短縮はメリットだけではありません。当然、工程を端折っている分の差はあります。例えば現像は、自分で現像を行ったほうが細かく仕上げることが可能なためしっかりテイストを狙うことができます。セレクトは写真データを見やすくすることも出来ますし、印象を左右する要素でもあります。これらの工程をカットしていることは踏まえて注文したほうがいいでしょう。まあ、ご自身が気にしない、もしくは気にならないのであれば大丈夫だと思います。(理由は後述)

セレクトや枚数に関しては”結婚写真はカット数に注意!良い写真まで捨てられているかも”を読んで下さい。

限界まで効率化する方法は組織では難しい

まさに魔法のような方法

いやいや、それは違う。うちは早いし、品質もいいんですよ。」そう言う写真屋さんもきっといるでしょう。実際、スピードを早く高品質なものを作ることも可能ではあります。実際、上で触れたデメリットは写真屋さんの技術によってかなり振り幅があります。中には納期短縮しているとは思えないような美しい仕上げをしてくれる写真屋さんもいるでしょう。もしそうなら素晴らしいことです。それには、ものすごく高い技術が必要だからです。細かい工程の一つ一つ、撮影の工程の一つ一つを「高速に仕上げるため」に最適化していく必要があります。とても努力が必要になることです。

しかし、多くの写真屋さんは「組織」です。所属しているカメラマンのレベルもバラバラです。商品として早さを謳うのであれば「全員が同じように出来る」状態にしないといけません。「〇〇さんは出来るけど、△△さんは出来ない」ではマズいのです。その仕組み化は難航を極めるのは間違いないです。つまり多くの場合、どこかしらを削る方法にたどり着くことになります。

あなたがどこを求めるのかで決めよう

こんな書き方をしていると「納期が短い会社は手を抜いている」「悪だ」と言っているように聞こえるかもしれませんが、そうではありません。大切なのはあなたがそれを求めているか?です。最初にも書いた通り、「早く写真が欲しい」というところにあなたのニーズがあるなら早い納期の会社は最高のはずです。そうですよね?そもそも、納期が標準的な3週間の時間を取っている会社も「充分な時間があるのか?」と言われると疑問です。

なぜなら、修正や現像は「どこまででも」出来てしまうから。時間をかけようと思ったらどこまででもかけられるのです。実際3週間以上の時間を取っている会社は現像や修正などの仕上げ作業への熱意がある場合が多いです。長いところでは2ヶ月のところもあります。「時間がかかってもいいから最高に仕上げて欲しい」と思う気持ちが一番なのであれば、こういった会社にするのがいいでしょう。

問題は、メリットとデメリットがあなた(顧客)へわかりにくいこと

しかしながら、ほとんどの会社はこの点を説明しません。というか、できません。写真の知識がそれなりにないとお客様も理解できませんし、説明する側も広く業界を知っていないと難しいためです。ここが本当の問題だと僕は思います。メリットとデメリットがわかった上で選ぶことができればいいですが、それが充分に比較できないまま、理解できないまま選んでしまうことが問題です。後から後悔することになりかねません。

具体的な基準は、「あなたが見て満足ならOK」です

あなたが見て良ければOK

もし、具体的に仕上げのクオリティにイメージがある場合はちゃんと「実際に納品されている」過去の写真を見てから選ぶといいでしょう。インスタの写真は後日キレイにしている可能性があったり、インスタのフィルターがかかっていてわかりにくくなっている場合があるのです。

しかし、ここで無理に粗探しをする必要はありません。あなたが見て問題を感じなければそれでOKなんです。写真は撮る人間や見る人間の感性によって良し悪しが変動するものです。なので、ある人からしたらダサい写真が、別の人からしたらかっこいいことだってあります。問題を感じないということは、あなたと写真屋さんの感覚がマッチしているということ。現像などの深い知識は学ぶのが大変ですが、それなら結果だけをみて判断できます。そもそも、「粗探しをする気持ち」で写真を見てしまうと色々難癖をつけられるものです。メンタルに左右されてしまうものですからね。なので、ニュートラルな気持ちで写真を見て、問題を感じなければいいんです。

プロがいくらこだわっても伝わらないことだってある

例えば、現像を一年かけて仕上げられる時間があったとしても、その良さがお客様に伝わるかと訊かれると「微妙」と言わざるを得ません。僕達プロはマニアックな部分を突き詰めて極めていかないといけませんが、写真をもらうお客様がそこまで求めているかはまた別問題です。僕達が心血を注いで仕上げたこだわりポイントがお客様からしたら「どうでもいい」とか「そもそも気がつかない」ポイントであることは多々あります。

しかし、だからといって「手を抜いていいか?」と訊かれれば答えはNOです。そのマニアックなこだわりの集合体がお客様に「印象」として伝わるからです。一つ一つは確かにお客様にはわかりませんが、それがいくつも重なると「なんとなく汚い」とか「違和感がある」状態になっていくのです。

僕の考えでは「鉄は熱いうちに打つべき」

ここからは、「僕の考え」をかなり書きます。

僕達がかける労力には「効率」があるように思います。具体的に数値化できるものではありませんが、例えば、一時間の手間をかけて写真を仕上げた時に「お客様から見てもグッと良くなったと感じる部分」と「お客様はそれほど変化を感じない部分」があります。僕たちはこの部分を見分ける能力が必要になります。そして、最大効率でお客様からみて良い写真に組み立てる必要があるのです。

仕事効率のイメージ

なぜなら、僕達の集中力には限界があります。写真を仕上げるときにはその集中力が最大に発揮できる状態の中で仕上げるのがいい、というのが僕の考えです。写真を仕上げる感覚を伝えるために、1つあなたにしてもらいたい事があります。例えば、あなたの目の前にある建物を見てみてください。建物というのは厳密に水平垂直を守っているものではないのですが、それをチェックしてみてほしいのです。はい、ここで質問です。「あなたの目の前にある壁は右上がりですか?それとも左上がりですか?」よ〜く見てみてください。よ〜く見てくださいね?

・・・見ましたか?なんだか、「見ればみるほどよくわからなく」なりませんか?実は写真の仕上げも同じなんです。人間の目って不思議なもので、心理状態にも左右されますし、同じものを見ているとだんだん目がなれてしまって状態が変わってしまうことが多々あります。じーっくり時間をかけて一枚の写真の色を直していると「赤っぽい気がする」と思って赤を弱くするんですが、さらにずーっと見ていると今度は「黄色っぽいんじゃないか?」って思ってきたりします。目がなれてしまっているんですね。実際、10分くらい休憩を挟むと「なんでこんな色にしたんだろ?」って思うことすらあります。

自分が磨くべき能力

つまり、感覚が新鮮さを持っているうちに処理すべきだと思うんです。鉄を熱いうちに打つように、飴細工が固まる前に形をつけるように、写真も「最適な時間」がきっとあると思っているんです。マニアックな項目がたくさんあるんですが、それを自分の集中力が最大限持つ時間内で上手く処理するように仕組みをつくるのが大切だと思っています。

まとめ:自分に合った納期の写真屋さんを選ぼう

最後にポイントをまとめようと思います。

  • 納期は写真屋さんごとに違う
  • 標準はだいたい3週間(小林調査)
  • 短い会社にも、長い会社にもそれぞれのメリットがある
  • 大切なのは自分に合っているか

という感じです。キチンと知って自分に合っている写真屋さんを選びましょう。

良い写真屋さん選びを応援しています。

KOBATONE 小林嘉明

結婚指輪のオススメな選び方|結婚式のカメラマンが実際にお店に行ってみた

カタログを見ても、サイトを見ても、正直どれがいいのかわかりません。

結婚指輪選びって、難しいですよね。実感がわかないというか、しっくりこないというか・・・普段からジュエリーを身につける人なら「これかわいい!」ってすぐに反応できるみたいなんですが、僕には正直わからないものでした。あなたもそんな状態ではないですか?ましてや、普段の何気ない指輪ならいいですが、結婚指輪ともなると値段も結構しますし、考えることがたくさんありますよね。そこで、現在進行形で自身が結婚準備中のウェディングカメラマンである僕が幾つか指輪屋さんに行ってみた現在で思うコツなんかをお伝えしたいと思います。

結婚指輪はどれが良いのか?どれが悪いのか?それすらわかりませんでした。

僕は結婚式のカメラマンをしているので、職業柄たくさんの結婚指輪や婚約指輪を見ます。なので、メジャーなブランドさんなら大概見たことありますし、リアルな「実際に使われている結婚指輪」ならたくさん見ています。しかし、自分の結婚指輪をどうしようか考えた時に色々わからない事に気がついたんですよね。例えば、僕は普段から指輪を付ける習慣がないので、似合う指輪がわかりませんし、使い心地もわかりません。また、そういう要素が指輪屋さん的にどうなっているのか?そういう考え方の軸みたいなものもわからない状態だったんです。

正直わからん

僕の奥さんもあまり指輪をつけるような人ではありません。なので、二人共知識がないんです。そこで、実際にお店に行ってみることにしました。とりあえず、有名な指輪屋さんがたくさん集まっている場所、「銀座」で幾つかお店の中に入ったり、接客を受けてみたりしました。さらに、知り合いの「元・指輪屋さん」のカメラマンにオススメのお店を聞いてそのお店にも行ってみたんです。そこでわかったことをお伝えしますね。

結婚指輪のブランドは3つくらいは見たほうがいい

そんな感じで、指輪の知識がほとんどない状態から僕たちは指輪探しをはじめました。幾つか回ってみて僕が思ったのは「3店くらいは回った方がいいな」ということ。正直なところ、まっさらな知識の状態で行った初めてのお店は「へえ〜、そうなんですね!」の連発な感じです。新しい知識なので、とにかく新鮮。自分の中に新しい基準ができるわけですね。言ってみれば「結婚指輪観」の原点になります。そう考えると最初のお店はとっても大切ですよね。ちなみに、最初に接客を受けたお店はとっても丁寧な接客をしてくれました。あの有名な「ヨンドシー(4℃)」さんです。素晴らしい対応だったのでお伝えしておきます。

いろんな方がつぶやいてますが、ヨンドシーさんは接客がめっちゃいいことで有名みたいですね。僕も後日奥さんからツイッター送られてきて知りました。

でもね、ぶっちゃけこの時点では結婚指輪ってどれが良いのかわからないんですよ。もちろん、接客はめっちゃいい人だったのでテンションは上がっているんですが、自分のなかに基準が1つしかない状態なので、比較もできない。直感がよっぽどすごい人なら决められると思いますが、僕達としては決定打にはまだ出来ない状況だと思いました。

そして、二つ目。どこに行ったかは伏せさせてもらいますが、有名なブランドさんです。コマーシャルもたくさんしてます。マーケティング的にはハイブランド感を打ち出しているタイプだと思います。一つ目のヨンドシーさんと比べるとラインナップはやっぱり全然違いました。ヨンドシーさんは主力のラインナップを僕達に合わせて見繕ってくれて、5〜6種類くらい紹介するようなスタイルでしたが、こちらはたくさんあるデザインから「お好きにどうぞ」といった感じ。30種類以上はあったかな?もちろん、販売員さんによって左右される部分でもあるので、実際にご自身でお店に行って感じてもらうのが一番だと思います。ブランドさんのためにも鵜呑みにはしないで欲しいのですが、とにかく「お店によってスタイルが全然違うんだな」とわかったのがこの二つ目のお店。

三つ目のお店はクアラントットさん。こちらはオリジナル性が高いおしゃれ指輪を作っている職人さんのお店という感じ。ここも接客が素晴らしかったです。ダイヤなどの石が入っていないようなタイプの指輪をメインで紹介してもらったのですが、今までの二つのブランドともまったく違いオリジナル性がハッキリとわかりました。イタリアにも職人さんを抱えているそうで、イタリアでしか出来ないデザインもありました。

ここまで、3つのお店を回ってみましたが、3つとも違うテイストのお店です。3店くらい回ってだいたい100種類くらいは指輪を見たと思います。まあ、もちろんチラ見だけのもありますよ。ちゃんと説明してもらったのは15個くらいかな。で、大切なのはこれくらい回ったら僕でも「ああ、こういうやつが良いのかな?」ってわかってきたんですよね。なんとなく、指輪ってこういうもの。という像が見えてきた感じです。数をたくさん見ることで自分の好みがぼんやり見えてきます。僕はわりとこの手のセンスが鈍い方だと思うので、大体の方が3店くらい回ればわかるんじゃないかな?なんて思うわけです。

違うイメージのブランドで3店行くのがオススメ

結婚指輪選びは3店回ろう

今回行ったのは全部違うイメージのお店です。個人的なイメージかもしれませんが、ヨンドシーさんは若い人からオトナの方まで幅広く身につけているイメージがありますし、お店自体もジュエリー屋さんらしい明くてかわいい店内です。案内してくれた店員さんも女性の元気な方でした。二店目はわりとハイブランドな大人向けブランドでしたし、三店目のクアラントットさんは作家さんが作るオリジナル系の指輪というイメージのお店です。

似ているブランドイメージのお店に行くよりも、幅をもたせたほうが色々な指輪が見られますし、色々な考えが聞けます。なので、個人的には違うブランドイメージのところに行くのがいいんじゃないかな。と思うわけです。もちろん、狙っている範囲が明らかならそこを目指したほうがいいと思いますよ。でも、僕のように「まったくわからない」人はいろんな話が聞けたほうが立体的に理解できるので、違うブランドに行ってみるのがオススメです。

接客もお店によってまったく違います

接客スタイルもちがいます

接客もまったく違いました。実は僕たちはヨンドシーさんに行く前にまず、有名で大きなブランドのお店の中をウロウロしてみたりしたんです。そしたら接客で声をかけてくれるお店とそうでないお店があることに気が付きました。こういう部分って接客に対する考えが出ますよね。単純によく声をかけてくる店がいい店だ、というわけではなく、声掛けをしないで自由に見させるのもブランドのマインド次第だと思います。例えば洋服屋さんだって、声掛けして欲しい人とそうでない人がいますよね。アーバンリサーチ(URBAN RESEARCH)さんも「声掛け不要バッグ」を作ったりしてますし、指輪も同じなのかもしれません。

結婚指輪は実際に着用してみないとわからない

洋服屋さんの話を出しましたが、指輪選びも服と同じだなと思った部分があります。それは、実際に付けてみないとわからないっていうこと。自分が選んで、『自分に似合うと思う服』と、『実際に自分に似合う服』って違う場合がありますよね。それと一緒で、実際に自分の指に付けてみないと似合う指輪かどうかはわかりません。肌の色や、つけ心地など、いろいろな要素があることを指輪屋さんも各店それぞれで教えてくれるので、実際に試着させてもらいながらみてみるといいでしょう。

でも、試着って緊張する人もいますよね。高いものですし、気軽に「着けてみたい」なんていいにくいものです。実際、僕も普通の洋服屋さんですらあまり試着できない人間です。小心者でしょ?(笑)でも、意外なほどに指輪屋さんは「試着しますか?」と言ってくれますよ。反射的に「あ、いいです。」なんていってしまいそうになりますが、そこは一度試着してみましょう。きっと思っていたのとイメージが変わりますよ。

指輪屋さんならではのリアルなケーススタディができる

僕は仕事柄、手をつかうので、邪魔になったり周りのものに当たったりしないかがとっても大切になります。店員さんに話を聞くと、指輪の形状でそういった条件が変わることも説明してもらえます。また、細すぎる指輪は重いものを運ぶときなどに変形してしまうことも教わりました。実際に試着してみて、自分の職業や生活と照らしてみる作業はとっても大切です。それこそ、指輪屋さんじゃないと知らないようなリアルな体験談や、他のお客様から寄せられたお直しの依頼の事例なども教えてくれたりします。偏見を持たずに、まずは試着してみることが大切なんじゃないかな、と思いますよ。

もちろん、つけると欲しくなってしまうポイントもありますし、それが狙いで試着をおすすめしてくるケースもあるでしょう。ですが、付けてみないと人によって手が違うので、似合うかどうかも、自分の生活にあっているのかもわかりません。オススメには乗ってみましょう。高い買い物なので、お店側もその場で「買ってください」オーラは出してこないですよ(笑)

肌の色に合っているかも試着しないとわからない

結婚指輪

同じ指輪でも、素材や加工の違いによってまったく違う質感になったりします。指輪ブランドのサイトを見てみるとだいたい指輪だけの商品写真が置かれているので、なかなか手につけたイメージはわかりませんよね。しかし、実際に手につけてみると「思っていたのと違う・・・」なんてこともたくさんあります。実際、僕も金色の指輪は以前まで趣味が悪いとすら思っていたんですが、選んでいるうちに金が好きになりました。いまでは金ばかり好みに入ってきています。

販売員さんに自身のブランドのイメージを聞いてみる

接客を受けている中で、ブランドのセルフイメージを聞いてみることも大切だな、と感じました。指輪屋さんはいろいろなブランドがあります。例えば高級志向で比較的大人な層が購入するものから、ファッションとして若い人が身につけるジュエリーとして販売しているブランドまでポジショニングが違います。実際にその説明を真に受ける必要ないんですが、自身のブランドが業界でどんな立ち位置なのかを聞くことで、そのブランドの特色が浮き彫りになります。これを聞いておくと、ブランドに対するイメージがわかりやすくなる発見をしましたよ。

指輪のサイズは各店で測ってみよう

指輪のサイズには二種類あるそうです。JIS規格で決まっているサイズと、ジャパンカスタムサイズと呼ばれる規格があるそうなんですね。その為、というわけではないと思うのですが、各店で測ってみた指輪のサイズが結構違いました。僕は振り幅が1号分、奥さんは2号分ありました。これは、指輪屋さんによって「サイジング」に対する考えが違うためではないかな、と思います。クアラントットの方が言っていたのですが、「指輪はジーンズのようなもの。タイトにスキニーにするのを好む人もいれば、ダボッとオーバーサイズが好きな人もいる」んだそうです。つまり、ブランドによって「コレくらいのサイズ感で着けてほしいな」という想いがあるのかもしれません。

それも含めてサイズ測ってもらうのは各店でやってみるのをおすすめしますよ。測りながらも話を聞けるのでたくさんの発見があります。

ブランドはどうしますか?という悩み

指輪のブランドはたくさんありますよね。人によっては正直迷ってしまう部分でもあると思います。そこで、ここでは僕なりにブランドに対する考えをお伝えしようと思います。

時代によってブランドにはいろいろな意味があります。わかりやすいのは昔からあるもの。「ステータス」です。例えば、「男ならロレックスの腕時計がいい」とか「高級車に乗ることこそが成功の証だ」というようなステータスを示す為のアイテムとしてのブランド。商品に置き換えてもいいかもしれません。「いつかはセレナ」なんてCMで聞きませんでしたか?幸せや成功が「良いブランドのいい商品を買うこと」と結びついていたわけですね。

しかし、時代とともに徐々にこのマインドはシフトしてきています。だんだん、「その商品で何をするか」になってきたんです。コマーシャルの例で言うなら「モノより思い出」です。そのアイテムを手に入れることで、「楽しく家族で旅行ができる」「美味しいものを食べられる」とか「体験」にシフトしてきたんですね。コマーシャルの話をすると企業側の販売戦略の話かと思われるかもしれませんが、実は逆です。彼らは「売れるから」この戦略を取っているわけです。つまり、市場側である僕達のニーズがあるからこの売り方をしているのです。僕達自身の思いを明らかにするために知っておいてもいいかもしれませんよ。

結婚指輪の背景とストーリー

そしてブランドの意味の最後の1つは、「背景」や「製作者」の存在です。例えばアップルの製品は「ジョブズが作ったから。」という理由で買う人が一定数います。これはアップル製品の背景や、ジョブズのストーリーに惹かれて買っているわけですね。彼らからするとiPhoneはただのiPhoneではなく、「ジョブズが異常なまでのこだわりを込めて設計してきたアップル製品の中の1つ」であり「アップルやジョブズの今までの製品に対するマインドが詰まった製品」なんですね。つまり、モノの性能以上にその背景に意味があって購入しているのです。

これは指輪に置き換えれば、単純にハイブランドだと世間で思われているものよりも、「それがどんな意味を持つのか」「誰が作ったのか」といった部分が大切になってきているんじゃないでしょうか。

僕は、結婚指輪はストーリーが大切だと思う

結婚指輪はストーリー

結婚指輪においてはこの部分がめっちゃ大きいと思います。だって、言ってしまえば「機能」はありません。指につける輪っかです。でも、そこに意味を見出すから僕たちは結婚指輪が欲しいわけです。指輪を見るたびに「結婚したんだな」という気持ちや、相手への気持ちを確認できる。みないな意味は僕達の心が决めます。僕達の心が価値を感じるのはそこに背景やストーリーがあるときです。だから、結婚指輪にはストーリーが大切だと思うんです。

ちょっとピンときませんか?そしたら「プロジェクトX」を思い出してください。

ある企業が出している商品があって、世間の情勢の影響で経営難に陥ってしまった。創業者達は新しい方法を模索し続けるが失敗の連続・・・もう廃業しかないと思った時、諦めなかった社長の起死回生の案で大逆転、その商品は伝説の商品になった。。。

みたいな話を聞いたら、誰でもその商品とブランド好きになりませんか?(笑)そういうことです。僕達が商品を好きになるにはその背景がとっても大切だと思うんです。

例えば、指輪ではこんなストーリーが考えられますよね。

  • ブランドのストーリー
  • 商品のストーリー(開発秘話的なやつ)
  • 2人で選びに行ったストーリー
  • 店員さんとの相談するストーリー
  • 指輪を作るストーリー
  • 指輪を渡す時のストーリー
  • 指輪に刻まれた生活のストーリー(買ったあと)
こんなところでしょうか。例えば指輪選びだって1つの背景になります。「一緒に悩んで决めた」というだけで思い出になりませんか?それだけで価値になりませんか?ケンカだって1つのストーリーですよ。言い換えれば「思い入れ」が出来ていくことです。だから、現時点で価値が感じられなくても、価値はついていきます。問題はそこまで意識して買うことじゃないでしょうか。特に買ったあとのストーリーなんてこれからずっと続いていきますからね。どんどん大きくなっていくものだと思うのです。指輪選びはその最初の一歩のようなものだと思います。

結婚指輪のアフターケアは見落としがちだけど大切

指輪屋さんに行って初めて知ったのはアフターケアの存在。人間の指は時期や生活によってサイズが変わってしまうそうです。びっくりしたのは季節でも指のサイズが違うという話。人によるそうですが、夏場は水を飲んでむくむので指が大きくなるそう。購入したあとでも、「あ、ヤバいくらいキツいな」みたいにサイズが合わなくなったら、それに合わせてサイズ調整がかけてもらえるんですよね。初めて知りました。ただ、デザイン上かけにくいものや、負担の大きいものがあるそうなので、そのあたりも店員さんに聞いてみるといいと思いますよ。

指輪のサイズ直し

ちなみに、指輪のサイズ変更は指輪を何処かで切って、継ぎ足したり、抜いたりして行うそうです。

あと、ダイヤなどの石が入っているものも長年使っていると指輪側の台座が歪んできて石のホールド力がなくなるそうです。その場合にもアフターケアしてくれる場合もあるようなので心配なら確認してみましょう。もちろん、お店によって違います。

結婚指輪は購入から納品までの期間や関連のサービスも差がある

基本的にどこのブランドさんも注文確定から1ヶ月半〜4ヶ月で仕上がるそうです。「注文確定から」なのでその前に悩む期間を持ちたいなら余裕を持って探したほうがいいですよ。基本的に刻印を入れたり、石を入れたりすると時間が延びます。

ブランドによってはプロポーズ用や結婚式用に「サイズがあれば」すぐ用意してくれるものもあります。そして、結婚式で使い終わったら刻印だけ後で入れる、みたいな対応もしてくれるケースがあるそうですよ。「もう間に合わないからなあ」と思っていた方も、諦めずに一度確認に行ってみてはいかがでしょうか。

まとめ:とりあえず3店くらいは行ってみよう

いかがでしょうか。僕もまだ行きたいお店に全部行けているわけではないので、行ったらまた記事を上げたいと思いますが、今のところ感じた部分を書かせて頂きました。たくさん周るのは大変かもしれませんが、場所によっては密集しているので短い時間に周ることも出来ますよ。オススメは「銀座」です。ホントに密集してます。ドレス屋さんなんかもたくさんありますので、結婚式する人は他のアイテム選びと合わせて行くのもいいかもしれませんよね。最後にポイントまとめておきましょう。

  • 三店舗くらいは回ってみる
  • できれば違うジャンルで
  • 業界内のイメージを聞いてみる
  • とにかく試着
  • 商品やブランド背景を聞いてみる
  • アフターケアも確認

こんな感じでしょう。

ぜひ、あなたの結婚指輪選びの参考にしてみてください。

KOBATONE 小林嘉明

結婚式の写真で残念な思いをしないために知っておきたい「好み」とは?

不安、楽しみ、あなたはどっちですか?

結婚写真が良くなかったという話はよく聞きますよね。実際、ネット検索するといろいろな失敗談が出てきて不安になってしまいます。反面、素敵な写真が撮れそうな予感もあり、楽しみな気持ちも少しはあるんじゃないでしょうか。実は、そんな気持ちになってしまう背景には写真の特徴が深くかかわっているんです。写真選びの心配をなるべく減らすためにも、原因を知ることは大切です。なので今回は写真の特徴についてお話しますね。

カタログはあてにならない?

写真を選ぶ時に、参考にするのはサイトや式場に置いてある「サンプル」じゃないでしょうか。あるいはプラン内容を聞いて参考にします。しかし、思い出してください。プラン内容ってそんなに具体的な事が書いていないんです。200カット・アルバム有り・カメラマン一名・・・みたいな内容がほとんどだと思います。どうですか?具体的に「こんな写真です」って分かる内容がないですよね?これがあなたの不安の原因です。しかし、こんな書き方をしている背景には仕方ない事情もあるんです。

写真は撮ってみないとわからない

いきなりなんですけど、写真って撮ってみないと何もわからないんですよね。なぜなら、変動要素が多い商品だからです。言い換えれば「主導権が少ない」商品なんですね。ちょっと難しい言い方かもしれませんが、簡単にするために他の商品と比べてみましょう。

ウェディングケーキ

例えば、ケーキ。ウェディングケーキはいろいろな形が選べますが、結婚式当日になって選んでいたのとまったく違うものが出来てきた。なんてことはほとんどないはずです。カタログで見たサンプルとほとんど同じ商品が提供されます。なぜなら、原材料が同じであれば同じ技術で作ることができるからです。厳密なことを言えば、小麦粉の産地が違ったり、コンディションが違ったりするのでしょうが、「ケーキにならない」レベルではないはずです。職人さんの腕でカバーされるわけですね。装花も同じです。花という原材料がちゃんと用意できれば同じ技術で見本とほとんど同じものが用意できます。これらは職人さんの技術への依存度が高い商品だといえます。

しかし、写真は違います。素材は「あなた」です。つまり、素材がそもそも違うということです。カタログを見た時、サンプル写真を見た時、写っているのは赤の他人ですよね。たとえ式場が同じでも、写っている被写体がまったく違うのです。つまり、サンプルと同じ写真にはできません。これが「主導権が少ない」と言った理由です。カメラマンの技術によるところもありますが、仕上がりを大きくコントロールする要素にカメラマンのコントロール出来ない部分がとっても多いんです。例えば、あなた意外にも、ゲストだって毎回全員違いますし、天気だって違います。つまり、内容がまったく違うということなんです。

2回同じ旅行に行っても同じ写真は撮らない

旅行で同じ写真は撮らない

あなたが友人と金沢に旅行に行ったことを想像してみてください。たくさん旅先で写真も撮ります。スマホのカメラで自撮りもするかもしれません。料理が出れば料理を撮っておきたくなるかもしれませんね。あなたは「撮りたいな」と思った場所をどんどん撮影していくはずです。結局、あなたはたくさんの写真を旅行中に撮影しました。しかし、後日その写真をなくしてしまったとしましょう。あなたはリベンジとしてもう一度金沢に旅行に行きます。同じ友人と。

さて、あなたはもう一度同じ写真が撮れるでしょうか?もしくは、撮るでしょうか?

答えはわかりますよね?同じ写真は撮らないと思います。というよりも撮れないでしょう。似た写真なら撮れるかもしれませんが、自分達以外のものが変わっているでしょうし、自分達も変わっているでしょう。過去に旅行に行った時のあなたとは違うのです。でも、変わらない部分もあります。おそらく、二回目の旅行でもあなたは「撮りたいな」と思った部分を撮影すると思うのです。要するに「好み」があるわけですね。空をよく撮影する人は空を撮る傾向は変わらないでしょうし、料理をよく撮る人はよく料理を撮影するはずです。自撮り好きな人はやっぱり自撮りしている。そんな具合です。

見るべきはカメラマンの価値観やキャラクター

そう、内容はわかりませんが、カメラマンの「好み」というのは変わりません。たとえ被写体が変わっても撮影で大切にする部分や、写真に向き合う姿勢というのは変わらないんです。つまり、あなたが写真の商品を決める時に見るべきは「一枚の綺麗な写真」ではなく、「全体の雰囲気」なんですね。サンプルやインスタで気に入った写真があって注文するのもいいかもしれませんが、当然カメラマンもサンプルやインスタには「会心の一撃」と言えるような写真を載せています。そりゃあ、綺麗な写真なんですよね。だから、そこから「全部こんな感じで撮ってもらえる」と思っているとがっかりする結果になってしまうかもしれません。

気になるカメラマンが見つかったらインスタに載せていないような地味なシーンの写真を見せてもらったり、彼らがどんなキャラクターなのかをわかるようなコンテンツを発信していたらそれをチェックしてみるのもいいでしょう。実際に打ち合わせするのも1つの方法です。

カメラマンはサービス業

意外かもしれませんがカメラマンはサービス業です。結婚式の間で最も新郎新婦と会話しているスタッフはカメラマンなんですよ。また、ずっと一緒に行動する人間でもあります。「写真」と聞くとどうしても仕上がった写真だけを考えがちですが、接客などのコミュニケーション部分もかなり大きいんですね。そう考えると「人間としてのキャラ・性格」が大切だと思いませんか?もちろん、あなたとの相性というものがあります。会話が噛み合わないとか、お願いがしにくいとか、態度が悪く感じられる、というような人は正直結婚式に居てほしくないはずです。でも、人間なので相性はどうしてもあるんですよね。

カメラマンとの相性

ところで、こういう話をすると「どんな相手でも撮影できるのがプロだろ?」って言う人もいるんですが、わざわざ相性が悪い人間がわかるなら選ぶ必要なんてないですよね。仮にそれだけの腕があるなら、相性がいい相手ならもっと良い写真撮れるじゃん?というのが僕の意見です。

だから、この面も含めて、カメラマンのキャラクターや性格はとても大切なものです。打ち合わせに行って、写真の撮り方について専門的な話をしてもあなたにとって話がわからない可能性はありますが、自分との相性なら感じ取ることは可能ですよね。それがわかるだけでかなりの安心材料になることは間違いないです。

打ち合わせに行かなくてもある程度の感じを掴む方法

と言っても、なかなかキャラクターのわかるコンテンツを配信しているカメラマンは居ませんし、打ち合わせにも時間の都合があります。打ち合わせを行っていない写真屋さんも多いです。なんなら、打ち合わせをしてない会社のほうが多いと思います。そこで、打ち合わせほどではないですが、ある程度写真屋さんを見極める方法を紹介します。

それは、下記の情報がサイトに載っていることです。

  • 個々のカメラマンの撮影している写真
  • カメラマンの紹介
  • 写真屋さん全体の統一感がある(後述します)
  • 指名制があるとさらに良し

実はカメラマンの紹介を置いておくというのは写真屋さん側からするとなかなか難しいことです。載せる写真を確保するためにお客様にも掲載許可をいただかないといけませんし、それを選んでサイトに掲載するというのはなかなか手間がかかります。そのため、大きい会社でもカメラマンの個人紹介をしていない企業はたくさんあるんです。このページが用意されているだけでもかなり良心的だと言えると思います。

カメラマンのプロフィール

そして、このカメラマン紹介の写真を何人分か見てみましょう。ある程度の統一感があれば、それはそこの会社がちゃんとテイストを打ち出しているということです。実はこれが出来ている会社も少ないんですね。写真はカメラマンの好みに左右されてしまうので揃えるのが非常に難しいのです。揃えるためには、所属しているカメラマンと綿密に会話をして、自社の哲学をしっかり伝える必要があります。それだけしっかりした方向性を持っていれば、顧客へのサービスに関しても統一感のあるものになる可能性が高いです。

ちなみに、個人カメラマンやとっても小さい規模の会社は紹介がない場合もあります。なぜかというと、ほとんど特定された個人の撮影だからです。念のため補足です。

まとめ:写真商品を選ぶ時のポイント

最後にまとめておきましょう。

  • 被写体が違うので写真は撮るまでわからない
  • でも、カメラマンのキャラクターは一緒
  • カメラマンにはサービス業の一面もある
  • なので、カメラマンのキャラクターがわかるサービスを利用しよう
  • それが無理なら、サイト構成をしっかり見よう

以上です。いい結婚写真選びの参考になれば幸いです。

KOBATONE 小林嘉明

花嫁のバッティングとは?激怒する人もいる結婚式の不思議なルール

最低!なにしてるんですか!お客様のことを考えているんですか!

そんな勢いでプランナーさんに怒られてしまう内容が結婚式にはいくつかあります。しかし、不思議なことに新郎新婦はまったく気にしていないことなのに怒られる、なんてこともあるのです。今回は、不思議な「バッティング」について紹介します。

動画もあります。よければぜひ!

会場も激怒のバッティングとは?

「二組以上の新郎新婦が同じ場所に居合わせてしまうこと」をバッティングと呼びます。

結婚式場もいろいろなタイプがありますが、中にはたくさんのカップルの結婚式を同時進行で行うことが出来る式場もあります。多い場所では10組や20組も一日で結婚式を挙げることができるんです。そんな状況なので、会場の中にはたくさんの新郎新婦が存在しています。そう、つまり、新婦Aさんと新婦Bさんが出会ってしまうことをバッティングといいます。結婚式場はこの現象を異常なまでに避けようとします。

バッティングは和製英語

バッティング

スケジュールがバッティングした、とか言いますよね。(僕はあまり言わないんですけど。)そのバッティングと同じバッティングです。コレ実は和製英語なんですね。野球選手のバッティングとは違います。ものや予定がぶつかることをいう言葉ですね。語源はボクシングで頭がぶつかる「butting」からだそうです。

なぜバッティングはダメなのか?

なんと、理由はありません。だれも知らないんです。結婚式場で働く時には常識として教えられますが、先輩や仲間に理由を聞いても「気まずいだろ」「ダメだから」くらいしか内容は返ってきません。でも、バッティングしてしまうと案内しているスタッフが式場やプランナーさんにめっちゃ怒られます。「ありえないですよ!何考えてるんですか!」ぐらいに怒られます。さ〜てさて、あなたはどうですか?自分が花嫁だとして、結婚式場で別の花嫁にあったら嫌ですか?中には気にする方もいますから、嫌でも全然大丈夫ですよ。でも、反対にまったく気にしない人もいます。不思議な現象ですよね。

「こちらは使えません」という案内をされたら多分バッティングが背景にあります

結婚式場内では写真スポットがたくさんありますが、全部を使えるわけではありません。また、時間にも制限があります。その背景には多くの場合バッティングがあります。要するに、自分達が撮影している場所に次の新郎新婦が来てしまうから移動をしなくてはいけないのです。場合によってはまったく撮影が出来ない、なんてケースもあるくらい式場はこの「バッティング」を嫌っています。式場や特定の新郎新婦が気にしているだけならいいのですが、せっかくの結婚式場での写真が制限されたりするのはちょっと納得が行かない方もいるんじゃないでしょうか。そう、なので、「写真をいろんなスポットで撮りまくりたい!」という方は会場がバッティングを気にしているのかを確認してみるのも1つの方法だと思います。そもそも、本当に貸し切りの会場の場合はそういったトラブルには無縁なのでそういう会場をおすすめします。

撮影できない場所

さて、ここからはバッティングがダメとされることの考察を僕なりにしてみようと思います。

バッティングがダメな理由考察1:「貸し切り感」がなくなるから

結婚式-特別感の演出

結婚式において、「特別感の演出」を大切にする会場は多いです。実際、式場見学の際に案内する言葉を聞いていても「2人だけの貸し切り空間ですよ」なんて言葉も出てきます。つまり、「特別感」のイメージを「貸し切り」であるということに結びつけているんですね。まあ、わからなくもないですね。日本人的には「貸し切り露天風呂」なんて言われたら豪華な感じがしますし、リッチな感じがします。僕たちは「貸し切り」という言葉にそういうイメージをもっているのです。

でも、他のお客様がいるということは「貸し切り」ではありませんね。つまり理屈的にはリッチ感がなくなってしまいます。それを避けたいのではないでしょうか。というのが考察の一つ目。

バッティングがダメな理由考察2:「量産型感」が出てしまうから

一つ目とつながるような理由ですが、新郎新婦目線では、他にも挙式している人を見ると「あー、同じ型でたくさんやってるんですね」とネガティブに思ってしまう人もいるようです。要するに、「たくさんやっている」=「価値が低い」というイメージですね。コレを防ぎたいんじゃないかな、というのが考察の二つ目。

バッティングがダメな理由考察3:「比べてしまう」から

結婚式場は決まったドレス屋さんと提携している場合が多いです。なので、他の花嫁を見かけたら「自分のドレスと比べて高級」とか比べてしまう人もいるかもしれませんね。気にする人からしたらいい気はしないのかもしれません。というのが考察の三つ目。

めでたいことだし、いいんじゃない?が僕の意見

先日もバッティングをガンガンするような式場で結婚式撮影してきたんですけど、案の定バッティングしていました。でも、そのときの新郎新婦さんはむしろ楽しそうでしたよ。

新郎A「おめでとうございます!」

新郎B「そちらこそおめでとうございます(笑)」

新婦A「何かの縁ですね〜」

新婦B「お互いおめでとうですね!」

こんな会話してすれ違ってました。ね、全然問題ないでしょ。僕の意見もこっちの意見で、おめでたいことなんだからお互いに祝えばいいじゃない。って思っています。もちろん、気にする会場や気にするお客様の時はそっちに合わせますよ。でも、そんなに騒ぐことではないと思うんですよね。

自らダメな空気を作って、自爆している説

バッティングが悪いことだ、なんて知ってましたか?僕は少なくとも婚礼業界に入るまでは知りませんでした。お客様でもたまにバッティングを知っている人がいるんですが、そういう方も大体はどこかの結婚式場での体験談とかを友人などから聞いて「あー、ダメなものなんだ」という感覚が形成されています。つまりこれ、式場が勝手に騒いでいるように思えるんですよね。

バッティングしてしまったときも、謝り方が大げさです。「大〜変、申し訳ございませんでした。本当にすみません」なんて今にも土下座しそうな言い方で謝るケースをよく見ます。ほとんどの場合お客様も「?」ってなってます。むしろ謝ることで「わるいことだったのか」と意識付けがされてしまうわけです。バッティングはダメなんだと言う文化を勝手に作って自分自身を縛っているんじゃないか。と僕は思ってしまうのです。

気にする人は、気にする会場にしましょう

バッティングを気にする人

それでも、バッティングが嫌だ。と思ってしまう人もいますよね。そういう人はバッティングを気にする会場で結婚式した方がいいです。なぜかというと、気にしない式場はしょっちゅうバッティングするからです。一日結婚式で移動している間に5組くらい別のカップルに会うような結婚式場もあるくらいですよ。気にする人からしたらすごいストレスだと思うんです。もし上記の考察で僕が書いたような内容を自身が気にしてしまうタイプだと思うならバッティングを意識している会場にしましょう。

貸し切りの必要性なんてない

ここからは、少し僕の考え方を掘り進めようと思います。バッティングだけでなく、結婚式自体に対する見方を変えるきっかけになってくれれば嬉しく思います。

とにかく言いたいのは、結婚式の価値は「貸し切り」なんかにはないってことです。そうですよね?貸し切りじゃなかったらあなたの結婚式の価値が下がる、なんてことはないはずです。あなたとパートナーが仲間たち(あるいは神様)に結婚を宣言して、認めてもらって、これからの関係もよろしくって願いする場のはずです。そこに貸し切りかどうかなんて関係ないですよね。例えば、神社なんて貸し切りにはなりません。挙式中でも参拝の一般客(便宜上こう呼びますね)もいらっしゃいます。貸し切りじゃなかったらダメなら、神社は価値がないってことになってしまいます。

どんなに式場が貸し切りっ「ぽい」雰囲気を出していても、実際には他のカップルも同じ式場で結婚式している。なんて、式場を選んだときからわかっているじゃないですか。それが嫌なら他の本当に貸し切りの式場にしたらいいのです。式場側も商品内容が現実と違うものを販売することはもちろんアウトですし、購入側もそれに目をつぶって現実を見ないで購入することもおすすめできません。そのうえで「思っていたのと違う」なんてクレームになったりするのはかなり滑稽なことだと思いませんか?

オリジナリティもいらない

結婚式は貸し切りである必要がないですが、オリジナルである必要もありません。オリジナリティを押し出して販売するスタイルの商品はたくさんありますが、本当にオリジナリティって必要でしょうか。そもそも、「宗教儀式」である神前式やキリスト教式にはオリジナリティは求めないと思うんです。いきなり牧師さんが適当なオリジナルの内容をやってきたりしたら「ちゃんとやってください」ってむしろこっちからいいたくなりますよね。教義に則った、厳粛な式を望むものだと思うんです。

披露宴だって一緒です。定番の流れが決まっていて、それを少しアレンジして自分達の披露宴にするのが一般的です。入場して、挨拶して、スピーチがあって、乾杯して・・・だいたい一緒なんですよ。でも、これに悪いことなんてないですよね?むしろ、「定番化している」ってことは「それがみんなに求められているから」という面があるんです。ある意味定番というのは最も洗練された形でもあります。先輩カップルが何千何万組と結婚式を挙げて練り上げられた形式でもあるんです。僕たちは「個性が大切」と教えられて育った世代なのでどうしてもオリジナリティに価値を求めてしまいますが、果たして「変わった結婚式をする」ことに価値はどれくらいあるのでしょうか。少し考えてみてほしいのです。

結婚式のオリジナリティは求める必要がないくらいに「ある」

この世界で一番オリジナルな要素ってなんだとおもいますか?それは、「個人に帰属する内容」です。例えばあなたの顔。あなたの声。あなたの人格。どれもオリジナルですよね。誰とも同じではないはずです。そんなオリジナリティの塊である人間が2人も結婚するんです。もう完璧にオリジナルじゃないですか?ゲストを呼ぶなら、そのゲストたちもオリジナリティの塊ですよ。そのゲストとまったく同じゲストを呼ぶ結婚式は他にないはずです。本来、結婚式のオリジナリティなんて求めなくてもそこにあるんです。結婚式はそんなゲストと2人の間に起きる化学反応を楽しむ場だと思うんです。あなたはどう思いますか?

考えるべきは「自分達をどう反映させるか」

自分を反映した結婚式

ということで、重視するべき内容は「定番の内容を活かしつつどれだけ自分達の想いが反映できるか」だとおもいます。自分達が大切にしたい内容、実現したい思い、そういうものを結婚式の内容に込められるかということです。ゲストに楽しんでもらうには、自分達とゲストの関係ならどういうものがいいだろう?両親への感謝を伝えるなら、自分達と両親の関係ならどんな方法が一番合っているか?そういう部分を大切にする方がよほど有益です。つまりは「意味」を大切にしましょう。ということ。

結婚式を本に例えるなら、バッティングを気にするというのは「本棚に同じ装丁の本を置かないように気をつけている」状態です。全部大きさが違って、色の違う本を並べようとしているようなものです。でも、本にとっていちばん大切なのはその「活字の中身」ですよね。文庫本がたくさん並んでいても、その中身が全て違うように、結婚式はその中身が大切なんじゃないかな、と思うんです。

バッティングについて知るついでにぜひ考えてみてくださいね。結婚式について考えるきっかけになれば幸いです。

KOBATONE 小林嘉明

持ち込み対策|結婚式でカメラマン2人体制のオススメと注意点

会場がどうしても持ち込ませてくれない。

そんな時の対策として、「追加のカメラマン」をするケースがあります。最近増えているのですが、会場カメラマンと持ち込みカメラマンが一人ずつ入るようなスタイルになります。これはたくさん撮れていい感じがしますが、気をつけないとデメリットになる場合もあります。今回はカメラマン視点でそのポイントについて紹介しますね。

お互いに邪魔になってしまう可能性がある

最大のポイントが、「撮りたい内容が同じ」ということです。カメラマンや会社によってスタイルはたくさんありますが、基本的にカメラマンが撮りたい内容は一緒だと思っていいと思います。柔らかい感じ、硬い感じ、暗い感じ、明るい感じ、アートな雰囲気、色々な差はありますが、「ケーキカット」や「指輪の交換」が撮りたいという内容は同じです。要するに、「撮り方は違うけどイベントは同じ」ということ

そして、そのイベントが「よく見える場所」ってだいたい同じなんですよね。カメラマンもいろいろな会場に行った経験値からベストな動きを探るんですけど、それなりに撮れる人ならだいたい同じ場所に陣取ります。これがかぶってしまうとお互いに陣取り合戦になってしまいます。お互いに邪魔なんですね。そうすると、せっかく2人で入っているのに良い写真が撮れません。1+1=2ですらなく、0.8くらいになってしまうのです。

原因:相手が撮れているかわからないから

原因はカメラマンの考えにあります。僕達カメラマンはなにをおいても「確実に撮れること」を優先しますので、邪魔が入りそうな場所は極力選びません。例えば写真好きのゲストが突然僕達カメラマンと新郎新婦の間に入ってきそうな場所は避けますし、入ってもそれを避けて撮影できるような場所を選びます。また、イベントは連続して行うので、その後の移動のことやカメラの設定も考えないといけません。要するに気にする条件や内容がたくさんあるんですね。

それくらい確実さは気にするものなんですが、問題は「もう一人のカメラマンの実力がわからないこと」です。現場の動きを見れば大体わかりますが、相手がどんなスタイルで撮影しているのかまではわかりません。「相手が撮影しているだろう」という考えで撮影していると「二人共撮影してなかった」なんて事がある可能性があります。それは避けたいのはどちらのカメラマンも同じなので、結局似たような場所から撮影することになるのです。

原因:カメラマンは相手のカメラに写り込まないのがマナー

カメラマンは別のカメラマンのカメラに映り込むのを極力避けます。気にしないカメラマンもいますが、少数派です。大体のカメラマンは別のカメラマンの写真に写っていると怒られる、というような敎育で育っているので気にします。実際僕もそう言われて育ちました(今は考えが違いますけどね。)。とにかく、カメラマン業界では禁止事項なのです。

カメラマンが二人いるメリットは、別々の角度から撮影できることでもあります。一人では一箇所からしか撮影できませんが、二人いれば1つのイベントを二つの角度から撮影できるのです。また、同じ角度からでも、一人はアップ、一人はワイドに全体を入れた写真、といった感じで担当を分けることも可能です。しかし、これも相手の撮影スタイルがわかっていないと出来ない芸当です。

結婚式乾杯の写真

例えば上記の写真を一人が撮影している間に下記の写真を撮ったりします。

結婚式乾杯の写真手元

しかし、この方法は「もう一人が確実に撮影できている」とわかっているからこそ出来る方法です。知らない他業者ではそれを委ねることができません。もし仮に、それで撮れていなかった場合も難しいですよね。どっちが悪いのか?なんて話にはなりたくないものです。

コミュニケーションがとれない場合もある

持ち込みは禁止されている場合が多いです。つまり、会場側の意識としては「排除するもの」「邪魔なもの」という意識がある会場もあるのです。それはカメラマンも同じことで、「自分達の利益を脅かす存在」である外注カメラマンを快くは思わないケースがあります。あからさまに邪魔な行為をしてきたり、撮影場所へ案内してもらえない、なんてケースもあります。多くの会場では基本的にカメラマンは協力的にしてくれますが、まれにネガティブなケースもあるので、外注カメラマンに「会場カメラマンと相談しながら上手くやってください」というのは難しい状況があることは頭の隅に置いておきましょう。

外注カメラマンが相談で解決出来ないケース

会場カメラマンと相談して外注カメラマンが上手く立ち回れる場合でも、解決できないケースがあります。それは、会場側から完全に撮影を禁止されている場合です。主に神社や大きな企業が母体の結婚式場に多いですが、「持ち込みカメラマンは挙式で完全に撮影禁止」や「ゲスト扱いなので必ず座席から動かずに撮影」という縛りを設けられてしまう場合があります。コレばかりはどうにもなりません。

また、ゲストと同じ導線での行動を強制されてしまうと、新郎新婦2人のツーショットや、メイクシーンなどは撮影ができません。披露宴後も強制的に退去を求められるので、時間はまったくないのです。

ツーショットが撮れない

こういうカットを撮る時間が確保できなくなります。

「提携+外注」カメラマンになってしまう原因

そして、この部分が提携と持ち込みカメラマンを同時に注文する原因でもあります。新郎新婦は、外注の持ち込みカメラマンをお願いするからにはそちらのテイストが気に入っているのでしょう。しかし、「提携カメラマンしか撮れないカット」があるとどうしても提携を頼まざるを得ません。そのためだけに提携をお願いするのです。

余談:外注のフリーカメラマン同士の2カメ(カメラマンが二人いること)で入ったことがありますが、その時は安心して任せられました。もう一人のカメラマンの方もめっちゃ動ける方で安心感が半端じゃなかったです。すべての場合とは言えませんが、外注同士の方がコミュニケーションはしやすい傾向にあると思います。

対策:完全に分業する方法のメリットとデメリット

これは実際にお客様がやっていたのですが、二人のカメラマンを完全に分業させる方法もあります。例えば、「記念写真」は提携カメラマンがすべて撮影する。「アイテム・小物」は持ち込みカメラマンが撮影する。といったようなルールを設けるのです。これをすればかなり写真のダブリは防げます。しかし反面、片方が撮影できていなかった時の保険はありませんから、その点は了承しておく必要があります。

リスクは覚悟しておく

いかがでしょう。いずれにしても、持ち込み禁止にしているということは「そういう体質」の会場だと捉えることもできます。外注カメラマン、持ち込みカメラマンとしては撮影がしにくいケースや禁止されてしまうケースは多々起こりえますので、リスクは想定して依頼することをおすすめします。会場側も持ち込みに対する対策を表立ってルールにしていないケースもあるので、やり取り次第で会場に撮影許可を頂ける場合もあります。その場合は、新郎新婦、つまりあなたの交渉力にかかっているので、持ち込みのカメラマンと相談して会場と交渉してみましょう。尚、全ての持ち込み業者が「持ち込み禁止の会場での撮影」を受けているわけではありません。それは今回説明したような事情があって、充分な撮影が提供できない可能性があるからなのです。

結婚写真選びの参考になれば幸いです。

ではまた。

KOBATONE 小林嘉明

結婚式はいらない?朝井リョウ氏の結婚観に僕も共感したワケ

結婚式は必要ない。

結婚式に憧れる人がいる反面、そんな意見だってあります。僕自身、結婚願望はあるものの、結婚式はしなくたっていいものだと思っています。結婚式に携わる人間として、今回は朝井リョウ氏の発言をきっかけに僕が感じた今の世の中の結婚に対する流れや背景について考察してみようと思います。

朝井リョウ氏の発言はみんなの「うっすら」を「ハッキリ」にした

ファーストバイトも「なんでこんなに嫌なんだろう?」って今まで思ってたんですけど、あれって「男の人が稼いできたお金で、女の人が料理を作って食べさせる」って意味が奥にあるんですよね。僕らは共働きだし、私は料理を作ってほしくて彼女と結婚したわけではない。その行為をすることによって、その思想を自分たちが背負ってると思われるのも嫌だった。

情報源: 朝井リョウ、結婚発表 「結婚式嫌い」を公言する平成生まれの結婚観

これ、みんながなんとなく感じていた部分だと思うんですよね。引用元の記事は面白いので興味があれば全文見てみてください。僕が思うに、これはみんなが感じていた結婚式に対する疑問をハッキリ形にしたんです。「それって意味あるの?」って。

意味がなかったり、形だけだったり、自分達の思想と違う内容を表明するような行為ならしたくない。ってことですよね。

これは反面、今の世代の人々が「意味」を結婚式に求めるようになっている傾向なんだとも思います。自分達が共感できる、納得できる結婚式ならしてもいい、と。

僕達の価値観のルーツは「物語」であり「文化」

まずそもそも、僕達が結婚に対して「いいものだ」と言い出す根本に触れたいと思います。ためしに、ちょっと思い出してみてください。シンデレラのエンディングってどんな感じでしたっけ?シンデレラが王子様と結婚してハッピーエンド。ですよね。白雪姫は?アラジンは?ラプンツェルは?そう、全部結婚がハッピーエンドですよね。ディズニーを連発してしまいましたが、それだけじゃありません。実写映画だって、恋愛が絡むとだいたいの「お決まり」としてラストでは結婚式のシーンが多いですよね。出会って、ハプニングがあって、ライバルが現れたり危機に陥ったりして、乗り越えて、もうだめかと思ったけど・・・最後には教会の鐘が鳴ってヴァージンロードの奥には・・・的な展開がたくさんありますよね。

ドラマや映画で結婚がハッピーエンドとして使われるのには理由があります。それは僕達の文化に埋め込まれるレベルで結婚が幸せなものだと言い伝えられているから。日本で言ったら「古事記」のような神話の時代から結婚は登場します。イザナギとイザナミという神様が日本の原型を作り出すんですけど、その直後に二つの神様は結婚しています。西洋でも、ギリシャ神話の神様同士が結婚したりしますし、インドの神様だってそうです。世界中の最も古い神話の神様たちですら、結婚しているのです。ある意味、神話というのは一番語り継がれた物語で、その国の文化と同化している価値観と言っても過言ではありません。

ギリシャ神話

普段は意識していませんが、僕達日本人が「もったいない」と思うのは「八百万の神」の考えがベースにあるんだそうです。どんなものにも神様が宿っていて、粗末するとバチが当たるぞ。そんな考えが「ものを大切にしなさい」「もったいない」につながるんだとか。要するに、僕達が「当たり前」だと思っている価値観というのは先祖が代々形成してきた「文化」をベースにしているってことです。同様に、キリスト教圏では、神の存在を教えずに倫理観を教えることができないそうなので、やはり価値観のベースは聖書という神話であり物語です。

物語は語り継がれる中で形を変えますが、どんな形であれ結婚はいい形で伝えられています。それほど人間にとっては原始的な欲求に根ざしている状態なんでしょうね。

バブリーな価値観が時代に合わなくなった

「結婚」がいいものだ、という根本の話はできました。ここからは、なぜ「結婚式」が嫌がられる場合があるのかを論じていこうと思います。

大きな原因は「バブル」だと思います。先に書いた通り文化や伝承による影響はベースにありますが、僕達自身にもっと直接的に影響を与えているのはメディアです。具体的に言えば「テレビ」です。80年代終わりから90年代くらいにトレンディドラマと呼ばれるドラマが流行ったりしたころ、やはり結婚が描かれる事が多かったんです。当時はテレビが絶大な影響力をもっていたので、みんなそれに触発されたんですよね。流行ったドラマや、自分が感動したドラマに影響を受けてしまうわけです。そこで描かれているのがちょうど今の結婚式の原型になっているような結婚式だったんですね。式場にある真っ白なチャペルで挙式して、ブーケトスして、ケーキカットして、ドライアイスの演出があって、ゴンドラで入場・・・みたいな!バブリーですね!特に後半の二つ!(笑)

まあ、そんな感じで影響されて「憧れて」それが需要になったんですよね。同時期に結婚式業界も大きくなったので、こういうスタイルで売り出せば儲かったんです。なので一気に結婚式は画一的なものになりました。そして、今結婚する世代の人が、この頃結婚した40〜50代が制作したドラマや創作物に影響を受けているわけです。だから、小さい頃に見たマンガや思春期に見たドラマで描かれている結婚式に影響されて結婚式に「憧れ」ます。

ドラマに影響された結婚式

ちなみに、憧れというのは立派な理由だと思います。小さな女の子が綺麗なお嫁さんに憧れる。というのは「かわいくなりたい」「キレイになりたい」っていう女の子の夢だと思うので、もはや本能とも言っていいほどの強力な欲求です。心がそれだけの価値を感じているのですから、本人にとってはこの上ない価値があるんです。

でも、今の人達は影響元がテレビだけじゃないですよね。ネットが発達してテレビが衰退して、「みんなで同じテレビを見る」文化はなくなりつつあります。Netflixで好きなドラマをみることもできるし、Amazonビデオで昔の映画を見てもいいです。好きな時に好きなコンテンツを消費する時代になったわけです。そうなると、影響を受ける源流が変化するので、多用な価値観が育つのも至極当然といえます。

ましてや、バブルほど今はお金がありませんし、浮かれてもいません。「いらないものにお金は払いたくない」という考えにもなります。そのとき「いらないもの」の判断は何かといえば「意味があるか、ないか」だと思うのです。だから、結果だけを見るなら、形だけを作ったようなお決まりの結婚式に疑問を持ったりするのは時代の流れとして当たり前の動きとも言えます。その居心地わるさが「結婚式嫌い」になるのではないでしょうか。朝井リョウ氏は端的にそれを明らかにしてくれたので、みんなのこころがスッキリして共感が集まった。といえると思います。

「憧れ」以外に「意味」を求めて結婚式をするなら「人前式」がオススメ

せっかく結婚式のカメラマンが書いている記事なので、意味が欲しい人へのオススメ結婚式を紹介しておきます。それは「人前式(じんぜんしき)」です。最近登場したように紹介されることも多いですが、実は日本で最古のスタイルの結婚式とも言われているそうです。周りの人達に結婚を誓って、感謝を伝えて、これからもよろしくね。をする式です。ほら、意味ありませんか?

神様とか関係ないんです。宗教儀式でもない。ただ、「結婚しました。ありがとう。よろしく。」の内容なんです。周りのお世話になった人に感謝を伝える場や、みんなで祝うイベントとしての結婚式なら充分に意味があるのではないでしょうか。

感謝を仲間に伝える

また、挙式は「気持ちを作る」上でもとても効果があります。学校を卒業式なしでも卒業できるように、結婚式なしでも結婚できます。婚姻届を出すだけですから。でも、それじゃあ「この日から私たちは夫婦になった」っていう気分の切り替えが出来なかったり、覚悟が固まらなかったりします。だから、みんなに宣言したりすることで気持ちを作っていくことが大切なんじゃないかな。と思います。

結婚式の「準備」も大事なイベント

結婚式の準備はとにかく喧嘩します。今までたくさんの新郎新婦を見てきましたが、喧嘩してない人なんてほとんどいないくらいです。でも、これが大切だと思います。このぶつかり合いを通して相手のことを知る事ができますし、自分自身の知らない一面を知ることも出来ます。今後2人で生活していく中で必要なぶつかり合いなんじゃないでしょうか。なんてね。ちなみに僕は奥さんに怒られてばかりです(笑)

経験としての結婚式「深く考えない」

僕が撮影したお客様、お二人とも50代半ばという大人な年齢で結婚されたカップルの方が言ってました。「結婚式って一度してみたかったんだよね」「だって楽しそうじゃん」「一回くらい経験としてやっておくだけでも大事だよ」って。たしかにそうだと思います。普通に生活していたらできない経験ができます。ドレスを着て、みんなの前に立って、親への感謝、ゲストへの感謝を伝える。写真もいっぱい撮られる。珍しい経験ですよね。意味とかごちゃごちゃ考えないで、「楽しい経験」としてやるのも充分いい理由なんじゃないかな。って気もするんです。

別の新郎新婦ですけど、当日まで結婚式を嫌がっていた新郎が、いざ結婚式になったら一番楽しんでいた。なんてケースもあります。彼いわく「お酒飲みながらみんなに囲まれて結婚式できるのめっちゃたのしい」だそうです(笑)

ただ楽しむのも結婚式

まあ、めでたいことですから、細かいとこなんて考えずに「気楽にお祝い」ができればいいのかもしれませんね!

いい結婚式の参考になれば幸いです。

KOBATONE 小林嘉明

カット数は多いほうがいい?結婚写真の枚数で注意するべきポイント

50枚、100枚と言われても多いのか少ないのかわからない。そうですよね。僕もそう思います。結婚写真を探しているとほぼ必ず書かれているのがこの枚数です。カット数、お写真枚数など色々な言い方がありますが、相場観がわからないのがもやもやしますよね。今回はそんな悩めるあなたに向けて、枚数の解説をお届けしますよ。

結婚写真のカット数とは?

そもそも、この言葉の意味から始めましょう。枚数、って言えばいいのになぜ「カット数」なんていい方をするのでしょう。不思議じゃないですか?実はここには写真屋さんのちょっとしたニュアンスが含まれているのです。よく使われる言葉を羅列して紹介しましょう。

  • 撮影枚数・・・文字のまんま、撮影した枚数のことです。
  • セレクト枚数・・・上記の撮影枚数から「セレクト」作業をした枚数です。
  • 納品枚数・・・セレクト枚数と似た意味ですが、最終的にお客様に渡される枚数です。
  • カット数・・・写真の枚数のことです。まれに構図の種類数を指すことがあります(後述します)
  • ポーズ数・・・ポージングの種類のことです。
  • データ枚数・・・同じく写真の枚数のことです。
  • お写真枚数・・・同じく写真の枚数のことです。

一番よく言われる言い回しでこんなところでしょうか。ぶっちゃけわかりませんね。僕自身、羅列していて意味不明だと思いました。これを理解するためには、写真屋さんが何をしているのか知る必要があります。時系列で紹介しましょう。

撮影時には似たような写真をたくさん撮る

結婚式の当日撮影や、前撮りなど、基本的にプロに撮影してもらう撮影では似たような写真を何枚か撮影されます。同じポーズで、同じ構図で数枚ずつ撮影していくようなイメージです。表情が違うだけ、みたいな感じです。意味合いはカメラマンによって違うのですが、どんなカメラマンも数枚は撮影するはずです。そして、中には「目つぶり」や「半目」と言われるような写真が含まれていたり、明るさや撮影条件を確認するための「テストカット」が含まれていたりします。要するに「いらない写真」が含まれているのです。この「カメラで撮影された状態のまま」の枚数が「撮影枚数」というわけです。

撮影後に不要な写真を間引きする作業がある(ない可能性も)

「セレクト」や「ボツ抜き」と呼ばれる作業が撮影後にあります。基本的には、「撮影時に撮れてしまったいらない写真を抜くこと」です。ただ、このあたりの言葉のニュアンスが写真会社さんによって違っていて、それがわかりにくい原因でもあります。実際、セレクトとボツ抜きも多少ニュアンスが違っています。

セレクト

撮影カットから「良い写真」を選び出すイメージです。比較的、枚数は少なめに絞られるようなニュアンス。

ボツ抜き

撮影カットから「悪いカットを抜く」イメージです。比較的枚数が多くなります。また、「撮って出し」と呼ばれるデータを納品する会社はこの名前をよく使います(理由は後述)

選んだ写真をキレイにする「現像」処理をかけます

現像、という言葉を聞いたことあると思います。もともとはフィルムを処理するための言葉ですが、それがデジタルにも転用されて使われている言葉になります。カメラが撮影したままのデータは実はデジタルの信号になっているだけで、写真になっていません。それを写真にする作業が現像です。現像の処理は色々工夫することが出来、その工夫次第で写真の質感を大きく変えることができます。Instagramのフィルターをイメージしてもらえるとわかりやすいと思います。あれのめっちゃ複雑バージョンです。

実はこの現像という処理はカメラでやることもできますし、パソコンでやることもできます。僕達プロカメラマンの多くはパソコンでやります。なぜなら、自由に内容を細かく調整できるのはパソコンの方だからです。カメラ内での現像はざっくりの調整が可能です。しかしこのカメラ内の現像はなかなか侮れません。カメラメーカーが研究に研究を重ねて調整した設定で現像がされるので非常に綺麗に現像できるのです。

スマホも内部で現像している

実際、みなさんの携帯電話もこの工程を見えないところでやっています。携帯のカメラも撮影→現像という工程を踏んで写真を作っているのです。しかし現像前のデータは扱いが専門的で難しいので、現像したあとの写真だけが見られるように設計されているというわけです。

で、肝心なのはこの現像を「カメラ任せ」にしているカメラマンと「自分でパソコンを使ってやる」カメラマンがいることです。

先程のセレクトとボツ抜きの話がありましたが、セレクトという言葉を使うカメラマンは多くの場合「セレクト→現像」をします。ボツ抜きという言葉を使う場合は「カメラ任せの現像をするのでボツ抜き作業だけをします」というニュアンスが含まれているのです。なぜ、こんなややこしい言い回しをするのか?それはお客様にツッコまれない為です。お客様の中にもカメラに詳しい方がいるので、「現像はしてるの?」「どんな方法なの?」と聞かれる場合があったりしますし、納品後にクレームとして「現像方法が悪い」なんてことを言い出すケースもあります。そのときに「実は現像してません」となると問題なので「ボツ抜き」という回りくどい表現をして、現像はしてませんよ。というニュアンスで話をするのです。

余談ですが、いらない写真を抜く作業を「ボツ抜き」と言っている会社は「セレクト」という言葉を「アルバムに入れる写真を選ぶこと」という意味で使っているケースが多いです。これは非常に紛らわしいので会社によって言い回しが違う、ということをしっかり押さえておきましょう。

基本的にお客様対応のために新しい言葉が生まれている

さて、大まかなところが説明できたと思います。他の言葉としては「ポーズ数」「データ枚数」「お写真枚数」といったところでしょうか。実は、これらの言葉は今までに登場した言葉が上手く伝わらないお客様がいた場合に作り出されているのです。

ポーズ数

ポーズ数というのは、先程触れた「被写体である新郎新婦のポージングが同じで、写真としての構図も同じようなものが数枚撮影される」ことに起因しています。カット数と言われると枚数というよりもバリエーションの多さと言うようなニュアンスで伝わってしまうケースがあり、説明の入れ違いがおきてしまうのでポーズ数という言葉で説明しているのです。(ぶっちゃた話、写真業者でもこれを理解している人がそんなにいないので、既に混合している場合もあります。要注意)

データ枚数、お写真枚数

この二つの呼び方はあまり若い世代には使いません。比較的フィルム写真を知っているような世代に使います。今の40代より上の世代は、写真といったら「プリント」と思っている方が一定数います。しかし最近の写真はデジカメ撮影のデータ納品なので、よくカン違いがあるのです。なので、「データ枚数」という言葉を使って「データなんだよ」というニュアンスを強めているわけです。反対に、プリントまで渡すようなサービスをしているところは「お写真枚数」と書いたりします。結局はお客様に何か言われた時の対応策としての言い回しなのです。

カット枚数とは?

さて、ようやくカット枚数の話です。ほとんどの場合カット数やカット枚数といったら「納品枚数」を指します。特にプラン表に乗っている場合は、「最低保証枚数」の意味である事がほとんどです。最低保証枚数とは、例えば300枚プランの場合、「300枚以上は必ず渡しますよ」という約束になります。つまり、400枚のこともあれば、1000枚のこともあります。

じゃあ、標準的な枚数が知りたいですよね?

これが難しい問題です。写真屋さんはどこもそれぞれの考えがあって撮影しています。だから枚数が違うんですよね。「たくさん撮ってあげたい派」もいれば「絞ってあげたほうが親切派」もいます。あるいは視野の広さの違いで枚数に差が出ることもあったりして、なかなかこれを言い切ることは難しいのです。実際に僕が見た中では、挙式のみ撮影プランで25枚のプランが最小で、200枚プランが最大です。どうですか?10倍近く違うんですよ。

スタイルを気にかけて「全データの」サンプルを見よう

会場においてあるアルバムや、ホームページに設置されている見本写真、あるいはInstagramにあがっている写真を見て商品を選ぶと思いますが、それらの見本写真は基本的に一枚ずつの単発写真ですよね。インスタにおんなじような写真を連続で上げていたら面白くないですし、アルバムだってそうです。だから、アルバムに乗っている写真はバリエーション別の写真ばかりのはずです。

ですが、今回説明したとおり、同じようなカットは何枚か撮影します。僕達撮影側は、微妙な表情の違いや姿勢の違い等を意識して撮影したりするのでそういうカットを撮影するのですが、結構個性が出るのです。とどのつまり、結局はあなたの好みに合うかどうかです。なので、心配なら「通しのデータ」を見せてもらいましょう。「納品データ」のことです。そうすると、色々好みが見えてくると思います。「あ、こんなところも撮ってくれてるのか」「いい感じだな」と思えたならそれはきっとあなたにあっているのだと思います。逆に疑問点や不安点が出るようなら、あまり合っていないカメラマンなのかもしれません。

花嫁

インスタや広告にあげられる写真は選りすぐりの一枚です。ですが、あなたが受け取るのは撮影全体のデータなので、もしデータを見る機会があれば流れや量も意識して見るようにしてみるといいでしょう。その上で、カット数のプラン選びをすればいいと思いますよ。頑張って違和感を探す必要はありません。特に問題がなければそれで充分なのです。(正直プロでもそんなに枚数に対してどうこう思いませんから)

あなたの写真選びの参考になれば幸いです。

KOBATONE 小林嘉明

花嫁必見!安い持ち込み結婚写真を頼むべきではない本当の理由

なぜ、持ち込みを探しているのですか?安いからですか?良い写真がほしいからですか?おそらく、両方ですよね。「持ち込みにしたほうが安い」なんてよく聞きますしね。でも、安い持ち込み業者と安くない持ち込み業者がいますよね?彼らは何が違うのでしょうか。ちょっと疑問じゃないですか?今回はそんな話をしていきますね。

「持ち込み」結婚写真での国民生活センターへの相談件数は増えている

結婚写真に対する国民生活センターへの相談件数は年々増えているそうです。詳細までは明らかになっていませんが、結婚式関連の相談が消費者センターには2015年で1829件も集まり、その多くが「持ち込み」や写真に関する内容だそうです。これは、写真に対する問題が起きやすくなっていると言える事態です。

相談が増えた理由はInstagram

結論から言うと、原因はInstagramだと思っています。なぜなら、Instagramによってみんなの目が肥えたからです。少し想像してみてください。インスタが流行る前ってそんなに結婚式の写真なんて見かけませんでしたよね?見かけても、ゼクシィのCMくらいで、ほとんど普段の生活で結婚式の様子を目にすることなんてなかったはずです。でも、Instagramが登場してからどうですか?情報が以前とは比べ物にならないくらい大量に入ってくるようになったと思いませんか?これは、「あなたが結婚式に興味を持ったから目が向くようになった」という話ではないのです。実は、僕も結婚式業界に長くいますが、明らかにお客様の求めている写真のレベルは上がっているのをひしひしと実感しています。

Instagram

言ってみれば、インスタとスマホの普及で、簡単にたくさんの情報が集まるようになって、みんなが「おしゃれな結婚式」「かわいい写真」「ハイレベルな写真」を見ることができるようになった事が原因です。以前は結婚式をしても、自分の結婚式と他人の結婚式を比べることなんてありませんでした。ようするに、式場に勧められるまま、式場が良いと言っていたものを良いと信じ、自分達だけの中で完結する結婚式だったんです。でも今は違います。ネットを通じておしゃれな結婚式情報がガンガン入ってくるようになってしまいました。「いいもの」の判断基準が「自分だけの基準」から「ネットの基準」へ押し上げられたのです。それがいいことなのかはわかりませんが、とにかく世間の動きでそうなてしまっているのです。

求められるレベルに届かない業者、違う価値観の業者

カメラマン

写真業者も同様にこの基準へ押し上げられました。今までは、会場の中だけで素敵とされる写真を撮れていればよかったんですが、今はそれがオープンな価値観で判定されます。どんな式場に行っても『一番流行っている写真屋さんが撮影したとびきりおしゃれな写真』を再現してくれと頼まれるようになりました。本当にいきなりです。そのため、勝手に上がっていく世間の価値基準に追いつけていない業者もたくさんあるのです。それは単純に、技術力が低い場合もありますし、違うマインドを持っている場合もあります。違うマインドというのは、「写真の価値」に対しての考え方です。例えば、「10年後家族とみられる写真」こそ良い写真だと考えて撮影したりするようなことです。インスタは一種の流行り物なので、そのうちブームが過ぎるものです。でも、結婚写真はずっと残りますから「古くならない」写真を残しておくことも大切です。そういう考えの写真屋さんもいるんです。

でも、どちらの業者も世間からすると「インスタっぽく撮れない下手クソ業者」っていう感じでくくられてしまいます。それが国民生活センターに行ってしまう原因でもあるんです。まあ、本当に下手な業者もいるので、彼らは別にいいです(笑)でも、しっかりと考えて撮影しているところが批判されてしまうのはなんだか釈然としないですよね。そう、みんな信じているけれど、実のところインスタの写真が本当に価値があるのか誰もわかっていないのです。

結婚写真の価値は撮るまで実感できない

結婚写真を選ぶのに一番難しいポイントは、「完成した未来」がイメージできないことです。サンプルを見ても他人が写っているわけで、自分が写ったときと絶対に違いますよね。正直そこまで参考になりません。サンプルを見ても「これくらい素敵に撮れる腕がある人なんだな」くらいのことしかわからないのです。これは他の結婚式の商品にはない特性で、例えばケーキは見本とほぼ同じものが出てきますし、装花も注文する前に写真で形が確認できます。写真だけが結婚式本番での一発勝負なのです。

しかし、結婚写真の価値はとっても伝えるのが難しいものです。時間をかけて少しずつ実感してもらうのが一番ですが、なかなかそうも行かないのが結婚写真の販売方法でもあります。そこで、ほとんどの写真業者が流れるのが、「価格競争」です。

わかりやすさとしての安さ

お客様に一番わかり易い価値ってなんでしょう?

それは簡単。「安さ」ですよね。自分達の撮影に対する真摯な姿勢や、商品価値を提供できない場合、もう価格で勝負する以外に方法がありません。そう、これが格安業者が乱立する価格競走のからくりです。みんな安く売っているので「持ち込みは安い」なんて言われるのです。

安い業者は商品理解が低い

ところで、僕たち人間はどんな時に商品を買うでしょうか?それは、「商品価値が価格を上回った時」です。あまり考えたことがないかもしれませんが、ちょっと最近した買い物を思い出してみてください。「あー、損したな」「いい買い物したな」と思うのは、自身が感じている商品価値が価格を上回っているか下回っているかの違いなんです。では、安く売る業者とはどういう存在でしょうか?簡単ですね。「自分達の商品価値を理解していない」業者なんです。

彼らは自分の商品価値がわかっていないので、安さを魅力にするしかないのです。繰り返しますが写真は一発勝負です。現場での対応力も求められます。どんな人物で、どんな実力で、どんな価値を提供してくれるかわからないカメラマンがそこに来ることって結構怖くないですか?自身の商品価値がわかっていないということはそういうことです。

安い業者に雇われたハイレベルなプロ

でも、安くても良い写真を撮ってくれる業者もいますよね。それが判断を難しくしています。実際、格安業者にも良い写真を撮るカメラマンはたくさんいます。僕からしたら「なんであなた程の人がこんな価格で・・・」という人もいます。その背景には、「安ければ良い」という世間の風潮と、「写真は価値を伝えにくい」という状況があるんです。

カメラマンはだいたいどこかの写真会社で修行して、成長したら独立します。フリーランスになるわけです。ですが、フリーランスといいつつも自身の集客で生計を立てられているのはごく一部のカメラマンだけです。それ以外の大部分のフリーランスは、条件の合う写真会社と下請け契約をして撮影専門のカメラマンとして働きます。多くの場合、その会社も安い値段で販売していることに変わりはないので、独立前よりもちょっとだけ待遇が良くなった程度の環境になってしまうのです。

つまり、安い値段で買うことの出来る上手な写真ができあがるわけです。撮影能力で考えるならば、ベテランの能力があるのに販売能力や経営能力がないため彼らは安い値段で働いているのです。

ギャンブルをしている自覚を持つ

ギャンブルの自覚

さて、安い業者についてまとめましょう。だいたい大きくこんな感じにまとめられます。

  • 本当に下手な業者
  • 自分の商品の価値が理解できていない業者
  • 自分の商品の価値が理解できていないけどベテランを抱えている業者
こんな構図になります。さて、この状況で注文するのはかなりギャンブルだと思いませんか?ちなみに、一つの会社に注文しても、大概どのカメラマンが来るのかわからないケースが多いです。なんとか良い写真会社をみつけても、さらにその中でギャンブルをしないといけないのです。確かに、上手くて安い業者に注文できることもありますが、それには相当な目利きが必要になるのです。

成功率に対して賭けるお金

なら、高い業者にすればいいのか?難しい問題です。結婚式というアクシデントや変動があるものを撮影している以上、確実なんて言葉はありません。ただ、高い業者はそれだけ自身の価値を理解していますし、それにあった撮影を心がけています。もちろん腕もあります。対応力も軒並み高いです。あなたが「選んで失敗した」と思う確率はかなり下がるでしょう。ハズレがあるとすれば彼らのテイストが「自分には合わないな」と思う場合です。言ってみれば、安いか高いかは「成功率に対して支払うお金」と言っても過言ではないのです。

注意:持ち込み業者限定の話です。提携は含みません。

まとめ:安くなるほどカメラマンの質は下がる。「自分の目」が大切。

多少の例外はありますが、大まかに見れば値段と質は比例関係にあります。安い中でいいカメラマンに当たるには相当な下調べを要します。なるべく成功確率を上げるには、高くても安くても自分の目でちゃんと見て決めることです。ちゃんと決めれば後悔も少ないですからね。こうしてサイトで知識をシェアするくらいしか手伝えませんが、応援しています。しっかり選んでくださいね!

KOBATONE 小林嘉明

追伸:僕の発行している無料eBookでもたくさんの情報をまとめて入手できます。興味があればご一読ください(宣伝です 笑)

結婚写真はカット数に注意!良い写真まで捨てられているかも

「カット数」と聞いてピンときますか?実際のところ「写真の枚数かな?」くらいの認識ではないでしょうか。ですが、この「カット数」実はものすごく大切な数字なのです。コレを知らないと、思ったような写真が撮ってもらえない可能性があります。どういうことなのか早速説明しますね。

カット数とは、結婚写真プランに設定されている写真の枚数のこと

まず、カット数について説明しておきますね。カット数とは、写真プランに含まれる要素の1つで「写真の枚数」を表す数字です。「200枚プラン」や「500枚プラン」といった表記になります。プランには多くの場合以下の要素が含まれています。

  • カット数
  • アルバムの種類
  • 撮影カメラマンの人数
  • 納品するメディアの種類(DVDとか)
  • オプション商品
こんな形態がほとんどです。カット数は写真の量を見極める重要なポイントになりますから、とっても大切な指標です。

結婚式の撮影で「いい枚数」って何枚くらいなの?

写真の枚数

これはよくある質問です。実際、プランには「200枚」と書いてあるだけなので、内訳がわかりませんよね。しかし、適度な枚数を断言するのは非常に難しいのです。なぜなら、撮影者の考え方やクセに依存するからです。カメラマンにもいろんなタイプの人がいるので「たくさん撮る人」「最低限に抑える人」がいます。そういう撮り方のスタイルの違いで多くもなりますし少なくもなるのです。ここで注意したいのが「多ければいい」というわけではないということ

写真が「多ければいい」事にならない理由

理由はいくつかあります。例えば下記。

  • 多すぎる枚数はみづらい
  • 多すぎる場合、クオリティが下がる
  • ただ連写しているような場合、カメラマンがあまり上手くない
一つずつ解説しますね。

多すぎるとみづらい

これはあなたの側の問題。最近のカメラの画質はとっても良いので、一枚一枚のデータが重いです。そのため、パソコンでも表示が遅くなったりしてみづらい現象が起きます。さらに、たくさんある写真の内訳が「同じような写真がたくさん」だとテンポよく見られないので見ていて退屈になるのです。体感的に良くない内容に感じてしまうということ。

多すぎる場合にクオリティが下がる

こちらはカメラマン側の問題です。たくさん撮影してしまうと、そのあとの処理がたくさんになります。その後の処理というのは「セレクト」や「現像」「仕上げ」等と呼ばれる作業のことです。詳しくは別記事でまとめるので、ここでは割愛しますね。とにかく時間と手間のかかる作業です。カメラマンも仕事でやっているので料金に見合う時間内に仕上げないと損になってしまいますから、ある程度の時間で仕上げられるクオリティには限界があります。(早くて綺麗な人ももちろんいますけどね)。あまりに桁外れに多い枚数の場合、その処理を手抜きする必要が出てきたりするのです。

ただ連写しているのが原因で枚数が多い場合

一部の例外はあるかもしれませんが、基本的に考えなしに連写している人は下手です。実際、僕が昔ある式場で一緒に入ったことのあるカメラマンさんがずーっと連写してましたが、絶対に撮れない場所に立っていたので写真を見るまでもなく撮れていません。そんな人もいるのです。いらない写真をたくさんもらっても困りますから、これは一番イヤなケースですね。

適正枚数はお願いする会社に確認するのが一番

そんなわけで、「普通に撮影した時に何枚になるか」という内容は会社によって違います。なので、あなたが依頼する会社さんに確認するのがいいでしょう。気をつけたいのが、別の会社と比較する時です。A社よりもB社が枚数が多いからといって、内容がいいとは限らないのです。詳しくは考えを知る必要がありますので、ここからはそれを解説していきますね。

カット数は何を基準に決めているの?

枚数の基準は色々なパターンがあります。主だったところでは以下の3つでしょうか。

  • 経験則
  • アルバムに使用する枚数
  • 他プランとの差別化
経験則は、今まで撮影してきて「平均でコレくらいは撮れるよね」という基準。アルバムに使用する枚数というのは、「そもそも撮影はアルバムを作るためにしますよ」というスタイルの場合です。撮影内容もアルバムを見据えて「いいアルバムを作るために」構図を决めたりしているケースがこれにあたります。他プランとの差別化というのは、だいたいの写真屋さんは複数プランを用意しているものなので、料金の段階を刻むために枚数を分けているケースです。

カット数が多い=プラスアルファがある

カメラマンが撮影する内容は「マストで撮影する内容」と「撮っても撮らなくてもいい内容」の二つがあります。マストで撮影する内容も写真屋さんごとに異なるのでいい切ることはできませんが、多くの会社はこの2種類の写真があると思って差し支えありません。つまり、カット数が多いということは「撮っても撮らなくてもいい内容」の分が上乗せされるということになります。

実際にはマストな内容のバリエーションを増やしたりする方法もあったりしますが、複雑になるので割愛します。ご容赦を。

撮る?撮らない?カメラマンの自由

カメラマンの自由

カメラマンも人間なので、いろんな人がいます。たくさん撮影してあげるのを良しとする人、狙いすまして最低限のいいカットを渡すのがいいと思う人、個性的なキャラを売りにする人、いろいろです。撮影内容は商品として規定されている内容を守りさえすれば、それ以外の部分は個人の自由です。つまり個性がモロに写真に出るということです。そして、それが販売内容として「カット数を謳うしかない」理由でもあります。

撮影内容において「撮っても撮らなくてもいい内容」場面は、結婚式で使用された小物や、ゲストや新郎新婦が自然に話している場面、ふとした瞬間の出来事、表情などが該当します。要するに「イベント」にカウントされないものは撮影しなくてもいい瞬間と言えます。でも、そういうシーンって撮影して欲しいですよね?そんな時にカメラマンの行動を分けるのは、カメラマン自身の考え方や個性です。「できればたくさん残してあげよう」と思っていればカメラを構えますし、撮影場所まで足を動かして撮影します。でももし、「面倒だな」と思っていれば撮らない選択になります。

プランの見えない仕組み

結婚式のプランには色濃く写真屋さんの考えが反映されています。カメラマン自身の個性もありますが、その土台になっているルールを决めているのはプランの内容なのです。僕個人の意見ですが、どうも納得の行かないルールもあるのです。それが「枚数上限」です。

結婚写真プランの「枚数上限」とは

プラン枚数とは別に、納品枚数という言葉があります。納品枚数とは「最終的に納品される枚数」です。あなたの手元に届けられる写真の枚数のことです。一般的に、「写真200枚納品」とパンフレットにプラン枚数があった場合、「200枚を最低保証枚数として、それ以上渡します」という意味です。つまり、プラン枚数は最低限を保証するもので上限の設定はありません。渡す枚数は300枚になっても、500枚になっても、1000枚になっても構わないということです。

ところで、結婚式の内容は新郎新婦によって違うので、もちろん撮影内容も変わるものです。つまり、写真業者は一定した内容で枚数を保証することが難しいんですね。しかし、ある程度の目安がないと買う側は不安です。そのため、写真業者は「最低枚数」を保証するシステムになっているのです。まあ、ここまではだいたいの方が納得できると思います。

しかし、これに上限を設定するルールがあるのです。それが「上限枚数」です。

良い写真まで捨てられているかもしれません

上限枚数は「〇〇枚を超えてはいけない」というルールです。不思議な話ですよね。その理屈はこうです。

低額プランと高額プランがあると仮定して説明しましょう。 プラン内容では下記の記載があります。

  • 低額プラン(200枚納品)
  • 高額プラン(300枚納品)

低額プランの撮影を行って、仮に500枚も良い写真が撮れてしまったとしましょう。そうすると高額プランの枚数を超えてしまいますね。つまり、「安いほうが高い方を超えてしまう」・・・はい、これが理由なんです。安い商品を買った人の内容が、高い商品を買った人の内容よりも多くなってしまう。「だから禁止する」というのです。実際、枚数上限を設定している会社のほとんどがこの理由をあげます。(表向きにははぐらかすかもしれませんが)

この「枚数上限」が設定されている場合、超えた分の枚数はどうなるのか?答えは「消されてしまいます」。たとえとても良く撮影できていようと、削除されてしまうのです。あなたの手元に届くことはありません。撮れていたのに良い写真をもらえないってちょっと嫌ですよね?僕はそう思います。さっきもお伝えしたとおり、結婚式の内容なんて人によって違いますし、ゲストの人数も、こだわりポイントも違います。枚数を一定させることなんてできないんです。そして、この枚数上限最大の疑問点は、「いったいどうやってお客様が別の新郎新婦の写真枚数を知るのか?」ということ。この理屈はちょっとおかしいと僕は思うのです。あなたは、どうですか?

「枚数上限」はプラン内容に記載がない場合もありますから、もし機会があれば確認してみるといいでしょう。考えの一端が垣間見えるかもしれません。

まとめ:プラン枚数の注意点

プラン枚数とは

  • 多くの場合、最低保証枚数のこと
  • 標準的な枚数は会社によって違う
  • 上限枚数がある場合は注意

ということでした。

ぜひ、プランを見比べる時の参考にしてみてくださいね。

KOBATONE 小林嘉明