桜で撮影って素敵だなー。
なんとなく思っていても、具体的にどうすればいいのかよくわからないものですよね。
- いつ申し込むのか?
- どんな写真があるのか?
- 撮影できる場所は?
- どんな業者を選べばいいのか?
考えてみると疑問は尽きません。1周回って
『そもそも何で桜で撮るの?』
なんて思ってしまうこともあるかもしれません(笑)
そんなあなたに、桜撮影の『ほぼ全て』が分かる記事をプロカメラマンからお届けします。
なるべくフラットな立場で『業者』や『フリーフォトグラファー』についても説明しますので、
『もうバッチリ調べてあるよ』な方も、
『さっぱりわかりません!』なあなたにも役立つ内容だと思うのでぜひお見逃しなく!
桜前撮りとは?
そもそも桜前撮りって何よ? と言う方のために順番にお伝えします。知っている方は目次から下のほうにジャンプしていただいて問題ありません。
桜前撮りとは、名前の通り『桜と一緒に撮る前撮り』のことです。
例えばこんな写真を撮ります。
なかなか素敵じゃないでしょうか?
数あるバリエーションの中でも、人気が高い撮影タイプが『桜前撮り』なんです。
桜前撮りの良いところ
僕が実際に撮影する中でカップルに聞いてみたところ、こんな意見が多いです。
- 『the 日本』って感じ
- ピンクが綺麗
- 自然の中で撮りたい
- 季節感がある
- 思い出に残りやすい
最近は自然の中で撮影する『ロケーションフォト』が増えてきています。
ウェディング撮影として写真を残す場合、『思い出』や『記念』といったキーワードが重要。
『撮影をした場所』は思い入れができるため、しばらくしてからもう一度訪れて記念日を思い出すきっかけにしている方も多くいます。
結婚式場等の建物はリニューアルしてしまうことがありますが、桜がある場所は10年や20年ではなくなりません。特に日本では愛されている花ですしね。
桜の変化を毎年見る、なんてのも良いんじゃないでしょうか。
桜前撮り3つのタイプ
撮影をしたいなら、選択肢は3つあります。
それぞれ違いがあります。その説明をするために、まず必要な準備について触れておきましょう。
桜前撮りの具体的な準備は?
桜前撮りで準備しなくてはいけないものは下記。
- 場所
- 衣装
- ヘアメイク
- カメラマン
- 小物(ブーケやその他使いたいもの)
一つずつ見ていきましょう。
場所
お気に入りの桜スポットや、有名な桜の名所へ行くのがスタンダード。
場所にこだわりがなければ、撮影会社やカメラマンに相談するのもあり。
撮影申請が必要なケースもあるので、しっかりと確認したいところです。お勧めスポットは後述しますね!
衣装
ドレス、和装、私服、の3パターンです。
着替えた場所から撮影場所(だいたい公園)に移動する必要があるので要注意。
ドレスや和装の場合は、ヘアメイクや着付けのできる場所から移動が必要です。なので、支度場所や着付けができるスタッフの確保が必要にもなります。
移動はタクシーで可能。比較的ボリュームのあるドレスでも乗れるので安心してください。ただ、ボリュームがあるドレスや和装の場合は移動に『アテンド』という『お手伝いスタッフ』が必要になります。
アテンドはヘアメイクさんが兼任するケースが多いですが、会社によってマチマチなので確認しましょう。
アンティークドレスや私服の場合は、自力で着れますし、移動も楽です。個人的にロケーション撮影ならこっちがオススメ。
ヘアメイク・着付け
女性なら拘りたいところですし、好みが出る部分ですよね。結構いろんなパターンが存在します。
- ヘアースタイルのセットだけ
- 上記+メイク
- さらに着付けあり
などなど、資格や技能によって受け持つ範囲が違う特徴があるんです。
詳細はそれぞれ選んだ場所に確認していただくとして、ここでは大きな違いについて解説します。
まず、セットになってるパターン。
大きな結婚式場であれば、衣装屋さんや美容室が式場の中に含まれていることが多いので、1ヶ所で完結します。探す手間が省けて非常に楽ですが、自由に選べないデメリットがあります。
次に全部自分で選ぶパターン。
ヘア、メイク、着付け、そして準備場所を確保しなくてはいけません。
一番自由にこだわりを出せて価格も抑えられる反面、問い合わせが面倒な点がデメリット。インスタで探す人が最近多い印象。
一部自分で選ぶパターン。
『持ち込み自由』なセットパターンもあるので、そういった会社やチームを探すのも手です。基本は組んでくれているので、好みが合うところが見つけられると非常に良いでしょう。フリーランスや小規模なチームが多い傾向。
個人的オススメは美容室でヘア&メイクしてもらってアンティークドレスor私服で撮影に行くパターン。普段行ってる美容室なら勝手もわかるので心配ないですしね。ドレスもものによってはそのまま電車に乗れちゃったりします。
カメラマン
撮影なのでもちろん必要です(笑)
写真のテイストがそれぞれ違うので、しっかりと選びましょう。
見落としがちですが、人柄やキャラクターも確認しておくと良いです。撮影の雰囲気や空気感を作るのは、新郎新婦とカメラマンのコミニケーションがほとんどなので、相性によって写真の出来が全く違うものになります。
大きな撮影会社の特徴
大きな会社にはカメラマンが複数所属しており、ランダムで割り振られることが多いです。追加料金を払えば『指名』ができるケースもあるので、お気に入りのカメラマンがいれば利用するのもありでしょう。
プラン内容がしっかりと決まっているので安心である反面、柔軟な変更が難しいデメリットもあります。価格は相場価格にまとまりやすい傾向です。
小さなチームの特徴
小さなチームやフリーカメラマンの魅力は『カラーがはっきりしてること』です。『この人が担当』というのがわかりやすいので『思っていたとおりの雰囲気』にしやすい傾向があります。
料金はピンキリ。テイストや考え方がそれぞれ違うので、金額もバラバラなんですよ。そのため『こんなに良い写真が低価格で!』ってなる場合もあれば『高い割にイマイチ…』なんてケースもあるので、ちゃんと選びましょう。
インスタやウェブを運営しているカメラマンが多いので、ネットで探すのが最近の主流。(ちょっと前までは雑誌がメインでした)
小物
小物はあると写真のバリエーションが増えたり、華やかになるので良いです。
あたりは鉄板の組み合わせ。
他にも思い入れがあるものがあれば、持っていくと良いでしょう。
注意点は『多すぎると大変』ってポイント。
ロケーション撮影は撮影スポットを転々としながら進めていくスタイルなので、細かく移動が入ります。
小物がたくさんあると、その分移動が大変になりますので、スタッフの数と相談しつつ量を決めましょう。
意外と見落としがちなのが『冬着』です。桜の時期はまだ寒い事が多いので、移動中はドレスの上からコートを羽織ったりします。で、コレがかなりかさばるんです。撮影用の他の機材も持ち歩く必要があったりするので、取り回しには気をつけたいところです。
カメラマンさんと相談してみてください。
桜前撮りの撮影スタイル1『友人に頼む』
1番安上がりな方法です。
最近ではデジカメの性能も非常に良いので、プロでなくてもかなりきれいな写真を撮ることができます。
しかし、人を撮るって結構難しいもの。
ロケーションに合わせながら、様々な構図で写真を残すのは難しいでしょう。他にも、ポージングをつけたり、表情引き出すこともプロの技術。かなり慣れていないと難しいはずです。
個人的にはあまりオススメしません。
特にお金の支払いが発生する場合、すれ違いも起きやすいため、注意が必要。
『友人だから』支払いが『なあなあ』になってしまったり、金額面での折り合いがつかなかったり…最悪の場合人間関係にヒビが入ります。
僕もかつて『友達なんだから安くしろ』って言われてしまった経験があります。まあ、空気は悪くなりますよね…
もちろん、友人でないと撮れない距離感もあるので、
- 絶対の信頼が置けて
- 何があっても文句は言わず受け入れられて
- お礼はしっかりする
コレが守れるなら採用しても良いでしょう。
桜前撮りの撮影スタイル2『大きな会社にとってもらう』
ヘアメイクや衣装、カメラマンやロケーションなど、必要なものが全てパックになっているケースが多いです。なので自分でかける手間は最も少なくなります。
反面、カスタマイズ性が下がる点がデメリット。
カメラマンの技術はピンキリ。
『フリーランスの方が上手だ』と言う意見もよく耳にしますが、個人的にはそう思いません。会社に所属しながら技術を磨いている人もたくさんいらっしゃいます。
ただ、指名制度を利用しない限り、カメラマンの割り当てはランダムです。上手な人に当たるかは『運次第』と言えるでしょう。
とはいえ、会社ごとにある程度カラーが整っている場合が多いです。それぞれのウェブサイトで確認してみましょう。最近ではインスタをやっている会社も増えているので、インスタアカウントを見るだけで大体の方向性が掴めるかもしれません。
(中にはSNSだけ更新してるケースもあります)
桜前撮りの撮影スタイル3『フリーカメラマンに撮ってもらう』
手間はかかりますが、自分の好きなものを残せる確率が1番高い方法だと思います。
ヘアメイクや衣装、ロケーションの確保等は、カメラマンによって対応が異なります。ウェブサイトやSNSで料金プランを含めて確認しましょう。
『いつも一緒にやっているチーム』みたいな感じで、特定のメイクさんとカメラマンがセットになっていることも良くあります。
もし、担当してほしいメイクさんやカメラマンがいるなら、その人を基準に紹介してもらうのも賢い方法。
自宅の庭で撮影、家の中で撮影、などなど、変わった内容も対応してくれる場合があります。規約に縛られにくいのもフリーランスならではの利点。
デメリットは、個人や小さなチームで活動しているのでカメラマンの『替え』が効かないことです。個性がハッキリしているメリットと表裏一体ですが、予定が埋まってしまっている場合『その人じゃないと撮れない』写真は撮影が難しいです。
桜前撮りにオススメの時期は?
ウェザーニュースさんが発表した桜前線の開花予想です。
東京埼玉は3月20日前後。関東周辺の地域はそこから1週間ほど後にずれる見込みです。
昨年の埼玉の様子はこちらからもご覧いただけます。
桜前撮りは時期がシビアなので要注意
桜は開花時間が短い花です。
春は嵐も多く、開花直後に大雨や嵐がきてしまうと大幅に期間が短くなります。
また、開花予想も結構ズレます。
昨年は前倒し、一昨年は後ろ倒しでした。どちらも1週間程度ズレていたと記憶してます。
なので『満開で撮れるかは運次第』ってポイントも押さえておいてください。こればかりは読めないのです。もちろん、そのタイミングで咲いている桜を最大限活用しながら全力で撮影する事は約束出来るのですが、自然には逆らえないんです。あしからず。
桜と同時期に『菜の花』もピークを迎えます。なので、桜の時期が不安なら奥の手として菜の花も候補に入れておくと良いでしょう。
余談ですが、衣装や支度がライトなものであれば、日程変更も可能なケースもあります。
『早めに開花してしまったから、予定を繰り上げたい』なんて場合ですね。
予定確保が必要なものが増えるほど、この方法は難しくなります。たとえば、衣装はレンタルなら日程が合わないことがありますし、メイクさんもカメラマンも予定がバッティングする可能性があります。
『自前衣装+フリーカメラマン+ヘアメイクは美容室』みたいな組み合わせであれば、自分達の予定とカメラマンの予定、美容室の予約さえ動かせば大丈夫なので可能性は高めです。
とはいえ、かなり『特別対応』なので基本的には無理だと思っておいてください。予定の確保は大変なのです。
東京〜埼玉の桜前撮りおすすめスポット
桜の名所はたくさんありますが、キレイに撮れる場所って意外と多くありません。
なぜなら『お花見が同時にあるから!』です。
ブルーシートが敷き詰められていたり、人だらけだったり…なかなか撮影が難しいケースも多いんですよ。
そこで、それなりに人が多くても撮影しやすいスポットを紹介します。
東京の桜前撮りスポット
めちゃくちゃ広い広場に桜と菜の花が一緒に咲いてます。広さがすごいので撮る場所を選びやすいです。
埼玉の桜前撮りスポット
さいたま市大宮区にある大きな公園です。大宮第一公園も桜は素晴らしいのですが、屋台がたくさん出てしまうので第二公園が穴場。詳しくはこちらの動画で紹介してます。
幸手にある桜の名所。屋台も出ていますが堤防で隠れる配置になっています。素晴らしいですね。
日本一の長さを誇る桜の回廊。とんでもない長さです。ほとんどが公道なので、撮影申請などが不要な点も優秀。お花見してる人もほぼ皆無です。
僕のイチオシ。
全体的に埼玉はオススメ度高いです。
都内の名所は撮影禁止だったり、お花見が盛んだったりと、制限が多め。実際、名所として名高い新宿御苑は撮影禁止ですし、目黒川は川の上なのでそもそも撮れません。浜離宮なども桜の時期は撮影禁止になっているので、意外と場所がないのです。
埼玉は人も少ないので絶景で撮れるポイントも多いですよ。
カメラマンからの桜前撮りオススメポイント
桜はなんでも素敵に撮れちゃうんですけど、さらに良く撮れるポイントを紹介します!
桜の高さが低いこと
沿道に植えられている木は枝が邪魔なので切られていますよね。そのため、花は高い位置で咲きます。桜も多くの場合そのように剪定されているため、花を近くで撮影することが結構難しいんです。
一方、公園内などに植えられている桜は剪定する必要がありません。そのため低い位置に花があり、被写体と一緒に撮りやすい特徴があります。
『ヌケ』があること
ヌケというのは写真用語です。平たくいえば『奥行き』って感じです。並木道なんかはわかりやすいですね。写真が立体的になるので、見栄えがグッと良くなります。
色が濃いこと
『桜と言えばピンク』なイメージですが、イラストに描かれるような濃いピンクの桜は珍しいです。
日本で最もたくさん植えられているソメイヨシノは比較的白っぽい花をつける特性があります。
鮮やかなピンク色で写真が撮りたいのであれば、河津桜のような色が濃い品種を狙うと良いでしょう。ただし、ソメイヨシノほど本数が多くないので、並木道のような状態はレア。
せっかくなので桜の種類にも触れておきましょうかね。
実は咲く時期も違う!前撮りで押さえておきたい桜の種類
実際には沢山の種類があります。しかし、桜の前撮りで押さえておきたい品種はほぼこの3種類。
染井吉野(ソメイヨシノ)
開花時期:3月下旬~4月上旬
花の色:白めのピンク
日本の桜といえばソメイヨシノです。一番本数も多く、『桜』イコール『ソメイヨシノ』と思っていいくらいの存在。
実際にはソメイヨシノの中にもさらに細かい品種があり、数百種にも分かれるそうです。なので、色の濃さも個体差がありますが、おおまかに言えば薄めのピンク。
河津桜(カワツザクラ)
開花時期:2月中旬~4月上旬
花の色:濃いピンク
ソメイヨシノとくらべるとかなり濃いピンクが特徴。非常に映えます。花がしっかりしているため、ソメイヨシノよりも長く咲いている点も特徴。
河津町が非常に有名。まだ撮影に行ったことないのですが、すごく行きたい!
もしご希望の方がいたらお安くしますよ(笑)
枝垂桜(シダレザクラ)
開花時期:3月下旬~4月上旬
花の色:濃いものから薄いものまでいろいろ
ソメイヨシノや河津桜にくらべると比較的珍しい種類ですが、植えられているところにはまとまって存在していて、並木道のようになっている場合もあります。
名前の通り枝が下に垂れているので、花の位置が低く、人と一緒に撮影しやすい品種です。
各公園のお花見情報を調べるとどんな木が植えられているのか記載があるので、雰囲気を調べることもできますよ。
また、Instagramには桜の名前でタグも存在するので、品種ごとに調べてロケーションを比較することもできます。
桜前撮りっていつ頃注文するもの?
ソメイヨシノの開花に合わせる場合がほとんどなので、その一月前くらいが多いです。
つまり、だいたい二月中旬あたりから予約が入り始めて、シーズンギリギリまで申し込みがあります。もちろん後になるほど予約が厳しくなる傾向。日程やカメラマンを先に取られてしまうケースが多くなります。
ただ、よほど計画的な人でない限り2月半ばくらいから『そろそろ桜の予約だな!』なんてならないので、世間のニュースに桜が登場し始めた頃からグッと増えるイメージですね。
おすすめ撮影事業者紹介
実は僕がお手伝いしてるところだったりします。というのも、無責任にオススメってできないので、知り合いの範囲になってしまいまうわけです。。。あしからず。
東京を中心に全国活動している小規模チーム。フィルムテイストの撮影を得意としています。代表の菊地さんはめっちゃ人柄もいいです。
僕のチーム。埼玉を拠点に全国撮影してます。新郎新婦の要望を会話で引き出して、話しながら一緒に作り上げるのが得意です。(心がけみたいなものです)
僕のチームへの申込み、お問い合わせは下記より。
桜撮影やロケーション撮影の詳細はこちら。
お気軽にお問い合わせください。
追伸:風邪の流行る季節ですので、体調にはご自愛くださいね。